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女の恋は上書き保存、男の恋は名前を付けて保存 35

 理佐は友里恵の話を聞きながら、あの日の事を思い出す。
あの時、優弥が自分の事を「青色」の付け足しですか?と聞いた時、答えをはぐらかしてしまった事を少しだけ後悔した、あの時もう少しはっきり言えばよかったのかもしれない、けれども理佐の中では、あの桟橋で、優弥に触れたとき、あの海岸で優弥に抱きしめられたとき、それが理佐の優弥への答えだと思っていたし、彼も理解するだろうと勝手に思っていた。彼は彼なりに悩んだりしていたのかもしれない。

 友里恵の話に頷きながら、でも今回は少し違うのよと、反論したかった、けれども同時にそれは無駄なことだとも理佐は悟った。
理佐を今までとは違う世界に連れ出してくれたのは、間違いなく、あの絵とあの青、そして優弥だった。

 理佐は友里恵へ向かい、彼女がそう望むであろう答えを少し考えた末、軽率だったことを詫びる、友里恵は納得したような表情をみせると、
「理佐の気持ちはもう、十分わかったから、彼とは今まで通りでかまわないけど、過度に関わることを少し控えてほしいのよ、彼には私から話すわ。」と言って、これはこれで終わりと自分に言い聞かせるようにいうと、話題を変えて、昨今あの活動も人気が出てきて、通ってくる子供たちも増えて、区も予算も増額するらしいことを嬉しそうに話した、そんな状況で友里恵が理佐にこんな忠告をするのは、マネージメントの観点からすると理佐には十分に理解できた。

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今夜も、最後までお読みいただきありがとうございました。


恋愛以上、不倫未満・・・・・・・

そんな事、現実にあるのか?



物語はもう少し続きます

もう少し、お付き合いください・・・・・

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