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素敵な靴は、素敵な場所へ連れていってくれる。 21

 ドアを開けると、部屋の熱気が全身に襲ってきた、それで拓海がまだ帰ってないことがわかる。
明かりを点けて、窓を全開して、籠った熱気を外へ出すと同時に、エアコンのスイッチを入れた。
汗まみれの服を、素早く着替えると、Tシャツ一枚になって、ベッドに横になった、エアコンが効き出すと、ゆっくりと窓を閉めた。


 有美は、天井を見ながら、今日の出来事を振り返る。
いろいろ考えて、やっぱり一度大津に、真意を聞いてみようと思った、紗季はああいったけど、今のような状態がいつまでも続くわけはなく、果たして大津が、有美の処遇をどうするのかも自身知りたかった。
心地よい冷風が顔に当たり、思わず眠ってしまいそうになる、それでも少し空腹を覚えたので、有美は冷蔵庫の中を覗くと、昨日ゆがいた素麵が少し残っていた。
いつもなら、あの老人ばかりの駅前のスーパーに立ち寄って、なにか買ってくるのだけど、今日は、とてもそんな気にはなれなかった。
拓海もここ数日は忙しいかの、帰りも遅い、そんなこともあって、有美は、今夜は素麺で済ますことに決めた。
冷蔵庫から、ボールに入った素麺を出して、汁をご飯茶碗注ぐと、同時に缶ビールも開ける、素麺の前にビールで喉を潤した。
 
 
 ビールを開けて、素麺を食べかけた時、「ただいまと」と言って、ドアが開いて、拓海が帰ってきた。
 疲れた表情で、入ってくるなり、有美の目のまえで、服を着替ええると、冷蔵庫から、冷えた缶ビールを出して、おいしそうに喉を鳴らしながら一気に飲む。有美は、食べながら、
「ごめん、なんか、食べてくると思って、今日は何にも用意してないだ。」
 そう言うと、拓海は、ビールをテーブルに置いて、
「うん、今日はワークショップだけだったから・・・早く帰れたんだ。」
「ワークショップ? なにそれ」
 高校の時から、理系で大学も工学部だった有美は、拓海がやっている演劇だか、舞台だとは一切興味がない。たまに拓海が口にするその種の用語にもチンプンカンプンだ。
「うーん、まあ一種のオーディションかな・・・・・」
「なにやるの、そこで?」
「まぁ、一審査員みたいなもんだよ、出演者をきめるための・・・・」
「そんなことまで、やるんだ・・・採用面接みたいなものなの?」
 驚いたように、そう言うと、拓海は、そんなこと当たり前じゃないかと言わんばかりの課を向ける。
 二年間一緒に暮らしていても、互いの生活や仕事にはあまり、干渉しないという、暗黙のルールのようなものが二人にはあり、二人で出かけたりしても、互いの仕事の事はあまり、触れない。

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今宵も、最後までお読みいただきありがとうございました。

意外に、長い物語になってきました・・・・

お付き合いいただければ、幸甚です。

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