傷つかない恋愛なんてほとんどない。
初めて彼の部屋へ行った時、ドアを開けると、いつもの彼の匂いがした。
大急ぎで、猫みたいに彼のベッドへもぐりこむ、
窓の外は、冬の日が柔らかく私を包み込む。
彼がベッドへ入って来て、後ろから、私を包み込む
彼の腕、彼の胸も私が独り占めしている。
暖かい彼の胸に、耳を当てて、その鼓動をそっと聞いてみる。
彼の心臓がゆっくりと音を立てている、今世界中でそれを聞いているのは私だけだ。
抱きしめられたまま、
好きとかでもない、愛しているとかでもない、ただうれしいという気持ちがわいてくる。
彼の細く長い指が、私の髪をすいていく、その指が、耳から、頬へそして、唇へと降りていく
私の唇が、小さく開いて、彼の指を少し噛む。
そして、私の唾液で少し濡れた指が、顎から鎖骨へと、さらに下の方に降りていく。
彼の顔が近づいて、私の耳にそっとキスをする、そして私の唇に重なっていく、
初めはやさしく、そしてだんだんと深く
そして、まるで、蜜のような彼の唾液が、私の中に広がっていく。
その蜜が、体中を駆け巡る、
私の湿った森の中にも、私の柔らかい尖った先にも
彼の蜜が注がれていく
彼の蜜で私は満たされていく。
とろけそうになる意識の中で、私は彼の手をそっと、握る
すると彼の手が、まるで生き物のように、私の手に絡みつく
やがてお互いの手は、貝のようにゆっくりと合わさっていく。
ずっと、ずっと、そばにいて・・・
私が、そう呟く
ずっと、ずっと、そばにいるよ・・・
彼の腕の中から、窓越しに、冬の高くて青い空が見る、どこまでも澄んだ青い空。
外は寒いのだろうけど・・・
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友人たちの体験に少し、インスパイアされて描いてみました。