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詩小説『引越物語』③欲望の翼が折れた
兄の正雄の苛立ちをよそに、笑顔で電話している菜摘。
時計に目をやれば、夜中の12時半である。
「さすがにもう遅いから、電話は明日にしたら」
わたしが菜摘に声をかけた時にはもう、例のテーブルの話が始まっていた。
「さっきねぇ、お兄ちゃんとおねえちゃんが喧嘩した。」
スピーカーにしてある菜摘のスマホから、叔母の困惑の声が漏れる。
「なっちゃん大きなテーブルやめてほしいが。」
「急にどうしたの。」
「おばちゃん本棚を作ってくれんろぉか。」
「本棚…菜摘さん本なんて読まないじゃない。」
「なっちゃんやないき。凪ちゃんにプレゼントするが!」
えっ!!!!?
横から慌てて、ヒソヒソ声で制止する。
「おねえちゃんとか凪ちゃんとか言うの、ほんとやめて!」
なんでいつもこうなるの?
わたしを会話に絡めないでよ!
もうどうしたらいいの!!!
いつのまにか、力が入っていたのだろう。
持っていた『欲望の翼』のブックレットが折れてしまった。
忖度なしの世界で生きている菜摘を誰も止められない。
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👇前回のお話です
一話から最終話までおさめたマガジンです
↓
〜本編とは関係のないお話〜
2024年6月8日(土)明け方4:49
どういうわけか、このお話がnote公式マガジンに加えていただいていて、読んだ方々も勿論そうだと思うのですが、書いた本人が「んな訳ないやろ。なんでコレが。」と、何度読み返しても不思議でならないのです。
もし貴方が小説を書くことに迷いがあるなら、この事実を利用して、或いは動機として書き始めるのもいいのではないでしょうか。
きっと、此処noteなら何処かの誰かさんが見つけてくれるはず。あなたのクシャクシャに書き殴った文章も、額縁に入れられた美しい文章も、noteならどうやら大丈夫なんだということをお伝えしたいです。
それにしたって進まないのですよ。もう三週間お話が考えられないままで…。初心者がただの素人の趣味レベルなのに一丁前にスランプに陥っているのだと思うと、可笑しくて仕方ないのです。この状況をいつか小説にしてやれ!って気持ちにすらなります。
どなたかが、何かに引っかかってくださって持ち上げてくださったのであれば、もっと貪欲に書き続けたらいいのに。と、もう一人の柔らか素材のわたしが囁きます。
ぴたりと筆が止まってしまいました。未完のままなんて、どうかしています。
あーもぅ、なんとかしてよドラえもんって気持ちです。
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