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2024年のNurse With Wound
調べごと以上にレコードを集めることが目的になっていた2024年だった。来年はアイルランドへ3度目の取材へ向かうべく調整中です。
で、今年も恒例のNWWリリース情報。入手していないものはコレクター仲間からの情報提供と思ってください。
COIL / moons' milk (in four phases) (DAIS)
COILが2002年に出したSolticseシリーズ4枚をコンパイルした2CDを、米DAISが再発。スティーヴン・ステイプルトンはアートワーク全般を担当している。元メンバーのドリュー・マクドウォールがリリースしている縁からか、DAISはCOILの再発元としては現状一番公式性が高いレーベルである。それでもマクドウォールが関係していた時期に限るのだが。
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Stoned in Stockholm (United Dairies)
2016年のストックホルム公演。CDとLP2バージョンの発売で、CDには会場スタッフによる開演のあいさつとボーナス1曲付。
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Nurse With Wound With Bladder Flask – Backside
The New Blockadersの前身でもあるBladder Flaskの音源をNWWがリワーク。2021年に100枚限定のラテカット(オーダーメイド向きの少量生産って認識でいいのだろうか)が作られたものをCD化。ここ数年のパンニング主体のミックスと思いきや、初期リリースを彷彿とさせる混沌とした具体音コラージュに感動した。
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テストプレス各種
今年も何回か売りに出されたテストプレス+アートワーク直貼りのマニア向けアイテム。アートワークごとに値段が異なるのだけど、上の『Chance Meeting On A Dissecting Table Of A Sewing Machine And An Umbrella』は各800ユーロだかでビックリ。大阪のコレクター、ジョン・ポデツワさんはしっかり買っていて、そこにも驚いた。
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『Chance Meeting On A Dissecting Table Of A Sewing Machine And An Umbrella』 『Merzbild Schwet』 (Rotorelief)
初期リリースのうち2枚を仏Rotoreliefが再発。ボーナストラックはない。『Chance~』はインサートの類もなく、NWWリストはスリーヴ内側に印刷されている。このレーベルの特色として、印刷はすべて銀色基調になっている。『To The Quiet Men』が飛ばされたのは何か事情があるのだろうか。
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The Grave And Beautiful Name Of Sadness (ICR)
1984年に録音された「The Grave and Beautiful Name of Sadness」をピーター・ストリクランド監督『Katalin Varga』(2007)用にミックスし直した音源と、アンドリュー・ライルズが2012年にリワークしたバージョンを収録。CDも来年出るようだ。ミックスこそしたが、ストリクランドはオリジナルのバージョンの方を好んだので、結局お蔵入りになっていた音源とのこと。ストリクランドは『バーバリアン怪奇映画特殊音響効果製作所』でもNWWの音楽、というかその断片を効果音として使用していた。
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Klusterfuck (United Dirter)
2015年と2016年それぞれのロンドン公演を収録した10インチ。ライヴを終えてすぐにリリースするつもりがそのまま放置していたとのこと。クエンティン・ロレットやジェームス・ブラックショウが参加している。今年蔵出しされた音源の中ではベスト。
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Léon Bloy, Nurse With Wound – Revenantes / The Bloy Enigma
仏Lenka Lenteの定番企画、8cmCD+本のフォーマット。19世紀末の小説家、レオン・ブロワがテーマとのこと。
V.A. / Sarha (a "Women with Gaza" benefit compilation) (Invisibilia Editions)
The Women with GazaへのベネフィットコンピレーションにNWWが2曲提供。The Women with Gazaはイスラエル国家のパレスチナ侵攻(ジェノサイド)下のガザの女性たちを生活環境面で支援する団体で、生理用品の支給や現地でのメンタルケアなどを行なう。詳細はこちら。
Volksbühne, Berlin {2007-11-21}, Inkonst, Malmö {2016-01-23} (ともにirr.app.(ext.)による自主リリース)
2007年のベルリンと、2016年のスウェーデンはマルメーでの演奏記録。基本的にライヴ録音からリハーサル中の写真などはirr.app.(ext.)ことマット・ウォルドンが担当している。なので、ジャケットのように彼本人が写っていない写真ばかり歴史に残ることになる。
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Astral disasterシャツ
シャツの方が先に出てきた珍しい例だが、COIL『Astral Disaster』が来年に再発され、その新アートワークをステイプルトンが担当。『Swanyard』などの経歴もあるため、今回の再発元もInfinite Fog Productionからだろう。なんだかトランスのCDジャケットに見えたのはわたしだけだろうか。2024年現在ではシャツとフーディーだけがNWW公式から注文できる。
11月にダブリンのGallery Xで開かれたジョン・バランスの回顧展で先行して売られたようだ。ステイプルトンには同展示にも作品を提供している。
THE FORMLESS IRREGULAR (Strange Atractor Press)
年単位で延期と停滞を繰り返すバブズ・サンティニことステイプルトンの画集。完成したとの報告は出たが、本当に出るのだろうか。世界中のファンに「一点もののアートワークを持っている人はスキャンを送ってください」とFBのファングループで呼びかけられてから幾年。公式サイトも作られたと思ったら知らないうちに消滅していたり、上手くいっている印象は正直なかった。最近インスタグラムのアカウントまで開設されたが、インスピレーション元たるハンナ・ヘーヒのコラージュなんかも載せているのは、そういった芸術史的バックグラウンドも載ってる本になるんだろうか?とにかく来年中に発売されるだけを祈る。