
平凡女の人生衝撃急展開②~その2週間を世界一幸せに過ごした女(多分)~
なにかと出会って、
心「すくわれたこと」ってありますか?
人との出会い
歌との出会い
本との出会い
映画との出会い
ペットとの出会い
絵画との出会い
スポーツとの出会い
食との出会い
生きていると本当にたくさんの出会いがあって、当たり前のように通り過ぎていくこともたくさんあって。
その中で、急な出会いにすくわれることも、ジワジワとすくわれていたことに気づくこともある。
私は半年前に「すくわれました」。
ある人との出会いによって。
人生衝撃の急展開。第2話です。
無関係なようで、つながっています。
私の中ではね。
とりあえずやってみよう!精神
私は昨年、文章を書く仕事をあきらめきれず、「ものかきキャンプ」というライター講座に入って3か月受講した。
これは本当に、自分でかした!と思っている。書くことでまだ収入はほとんど得ていないけれど、大切な輪(同期)ができたことは本当に大きい。
講座が終了して、はて。この先どうなるんだろ?と考え始めたころ、「感謝ノート」なるものを目にした。YouTubeだったか。
1日何個でもいいので、その日感謝したことをノートに書きだす。
ただ、それだけ。
そのころの私は、とりあえずやってみよう精神が強かった。
朝起きたら朝日を浴びる、とか。
この日は近所の神社参拝してみる、とか。
満月に財布を振ってみる、とか。
なにかが起こることを期待してたわけじゃなく、自分の中でなにか変わるかな……くらいの気持ち。
その中で「感謝ノート」は、群を抜いて効果を感じていた。
感謝することに目を向けていると、本当に景色が変わってみえてくる。
はじめは書くときになって「なんかあったかなぁ」って思い出しながら…だったけれど、続けていくうちにその場で気づけるようになる。「はっ!感謝!ありがとう!」なんて思って、時間があればスマホにメモ。
そして、感謝を夜に書き出すことで1日の終わりがイイ気分。
気づけば、以前よりイライラが少なくなっていた。
「これかっ!これが効果なのかっ!!」と気づいた秋口。
私は現在の本命バンドと出会う。
真っすぐな人の想い
とにかく楽曲が好みだった。
そして歌詞の世界が、今まで聴いてきた音楽のそれとはまったく違っていた。
生で観てみたい。
そう衝動にかられ、長年の相棒と行ったのは2023年9月。吉祥寺。
初めての対峙だった。
すぐさま、2週間後にあるチケットも購入。
この時点で沼に片足がハマっていた。
そして、2023年10月。
我が家から徒歩圏内のライブハウスで、そのバンドのメンバーがひとりで弾き語りライブを行うとの情報が。
「いや、行くでしょ!絶対行くべき!行ってきな!!」
ひるんでいた私を、背中を押すどころか行ってきやがれと首根っこをつかまえて放ってくれた相棒。
この出来事が、私の運命を変えた。
人の真っすぐな想いが、ズバンと心の芯に届いた瞬間を今でも覚えている。感情がグラッとしたことも。忘れられないからこそ、その人は現在の激推しメンとなったのだ。
それから半年。まだ半年。
もうずっと前から好きだった気分。
サクサク書いているけれど、この半年は本当に濃かった。この激推しメン君のおかげで、私は毎日「新しい自分」に出会っている感覚だった。
そして、この人は私を「すくって」くれたんだ。
救う……じゃなくて「掬う」。
手のひらでそっと、私の気持ちを、感情をすくってくれた。
この濃い半年の感情を、短い文章に表すとしたら……だけど。
結果発表までのやさしい2週間
おっぱいに針を刺して、組織をとって、ラーメン屋に行った。
(くわしくは第1話へどうぞ!)
結果発表までは2週間。
そのあいだ、トークイベント(音楽あり)・アコースティックライブ・トークイベント(音楽あり)・バンドライブ×2 と、私のスケジュールは夢と希望でいっぱいだった。
悪い結果が出るわきゃない!!
たしかに触ると右おっぱいにちょっとポコッとあるけど、そんなに固くないし。これまでずっと、幸せに生きてきたもん!ノンストレス!
一度仕事でメンタルやられて以降、お金より自分を大事にしてきた。自分がワクワクするほうに。心地よいドキドキがするほうに。
人の気持ちは、100人いたら100通り。
検査から結果発表まで、ずっと重い気持ちになっちゃう人も、いつもどおり過ごせる人も、「いつもより楽しんでやる!」なんて人も、いると思う。
私は、自分でもビックリするくらい、いたって普通に過ごせていた。
もちろん、推しのライブがあるから……というのも理由のひとつにあるとは思う。大好きな音楽の中にいると本当に不安なことを忘れられたし、そのあとに相棒と飲むビールも、毎回毎回美味しかったし。
でも振り返ってみると「ライブがあるから」という、目の前にある現実だけが私を支えてくれたんじゃないって、つい最近気づいた。
私をすくってくれたやさしい手のひらが、そこにあったってこと。
だって、日常は「ライブがない時間」の方がはるかに長い。なのに、この安定した感情。私、なんでこんな気持ちで過ごせているんだろうって、ずっと自問自答していた。もっともっと、不安や恐怖に落ちてもいいはずなのに。
1年前の私なら、日常生活に支障をきたすくらい悩んでいたはずだ。ご飯も食べず、夜も寝れず、結果が出る前から病人のようになっていた。絶対。
ズ太くなっただけかもしれないな。
とも、思ったけど。
去年の10月にすくってくれたその手のひらは、予想以上に私にとって大きかったようだ。
すくわれた私は、もう闇落ちする世界線にはいない。
2024年3月2日。
右のおっぱいにあるポコッとしたそれは、90%の確率で悪性だった。
大きな病院での精密検査を受けるようにと。
「悪性かぁ」
そんな現実を突きつけられた数時間後、私は渋谷のライブハウスにいたのだ。いつもの光景。いつもの幸せ。
その手のひらは、変わらずあったかかった。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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