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いま流行(?)らしいHSPについて

HSPとは、Highly Sensitive Person の略で、アメリカの臨床心理士のエレイン・N・アーロン女史が提唱した人間的・精神的 "気質" です。
気質は、説明が難しいのですが、センスや勘に近いもの…………と自分は感じています。

さて、そのHSPですが、アーロン女史は自身の著書(引用は日本語訳:明橋)で

『HSPとは、人工の15~20%を占め、遺伝子的にささいなことに敏感で、内的な経験を深く考える傾向があり、そのため必然的に、外の出来事に圧倒されやすい神経システムを持って生まれた人のことです。』

と説明されていますが、
「外の出来事に圧倒されやすい神経システムって何やねん」
と思うと思います。

他のHSP関連書やインターネットでも
『繊細さん』『圧倒されやすい人』
と文字が並ぶことが多く、そこだけが現在一人歩きしている状況
で、正しいHSP理解に繋がっていないのが、今の日本です。


自分の体験を踏まえ言葉を置き換えると

・周りへの目配りや気配り、言外の意味を捉えるのが得意だったり
・人や環境に限らず、周りからの影響に抵抗力が弱い(情報量過多)になりやすい人

と言ったほうが分かりやすいかなと思います。


ただ、このHSPは、
・成長過程の環境要因で、非HSPなのにHSPに近い性格やIDを獲得する人もいれば、
・逆に成長過程の環境要因で、HSPなのにHSPから遠ざかる性格やIDを獲得する人もいる   
 
のです。つまり、ステレオタイプを平均とすると、平均からの誤差が広いんです。

いずれにせよ、病気ではないので、
該当するかもと思った人も、そうでない人も、悩んだり憐れんだり、遠ざけたりしないください。

アーロン女史は同著書(同訳)で

『人間関係にHSPが含まれる確率は36%です』

と研究内容を話していますので、非HSPの人でも、必ずどこかでHSPにかかわっている訳です。

「そういう人がいるんだ」「そんなこと聞いたような気がする」
この記事を読んで、そういうふうに少しでも思ってくれたら、今回の自分の役割りはクリアーです。


自分がHSPなのでは
と気づいたのは、実はうつ病療養で入ったSNSコミュニティがきっかけでした。

HSPの子ども版、HSC(Highly Sensitive Child)は、アーロン女史が研究するよりも前から、心理学方面では提唱されていて、
コミュニティにたまたま、"HSCからそのまま大人になったのでHSPです"
という人がいたのです。


それって何ぞや?
調べたのは2020,7月、その時は自分も「へぇ」で終わってしまったのですが、
10月に聞いていたラジオで取り上げられて「あれ?聞いたことある」と思い、
そのラジオのSNSから、日本の研究者のページに跳んで「ん?」となり
さらに調べて「嘘だぁ……」となりました。

私は環境要因で獲得した(強化された)部分もあるかと考えているのですが、
専ら先天的なアーロン女史が提唱したHSPでした。

具体的に体験を話すと

・両親からは「気難しい子で育てにくかった」と言われた

・少しのことでも不快になることが多いので、感情の起伏が激しく、児童期友達は少なかった

・上の事柄に対して傷ついていながらも「傷ついている」と表明できなかった
(表明しても周りには意味のないことだと分かっていた)

・怒鳴られたり一方的に捲し立てられると、圧倒されて言葉が続かない
(脳が自分と相手の言葉でキャパオーバーになる)

・上の事柄を、「ああ言い返せば良かったのに」あとからくよくよする

・ADHDを一時期疑ったが、結局当てはまらず、違和感だけが残った

・目端が利き、言外のことも分かるので、昔から、親戚や目上の人からは「賢い子やわ」と可愛がられた

・一方で、目端が利き、言外のことも分かるので、同年からはいい子ぶってると言われ、
恋愛ではかなり無理をすることが多かった(相手が望むことをしがち)

・匂いや音に昔から敏感だった

・本やエピソードトーク、ニュースから場面を鮮明に想像できた

と、簡単に説明できることといえば、これくらいでしょうか。
 ※昔から=記憶がある限りの幼少から
 ※児童期=4~12歳


特に自分の場合は、環境要因もあって、人の機微には敏感です。

なので、
・少しでも"自分を好ましくないと思っている人"には距離を置く

・"自分は好ましくないと思っている" が、好ましいと思ってくれている人にはわざと嫌われる

ということをしていたので、
交友関係は狭いです。

しかし、おかげで

・相手の行動を事前に予知できるので、性的な被害に会う前に逃げた

・自分の気が向かないことは、予知できてても、スルーした

・職場の人間関係や接客では優位だった

ことも事実です。

また、匂いや音に敏感であり、想像する力に長けていたため

・5年連続、美術展に入選した
(うち1回は都展にも入選)

・部誌の小説で、文化祭で賞を貰い、大学の学校推薦も貰った※
(学校内外にファンがいたおかげで、卒業してからも顧問が代わるまで書かせてもらえた)

・音響の国家資格を取って、関係する仕事で食っていけた※

と、自分にとっては、プラス面が多いです。
 ※大学は色々あり、学校推薦受けたところではなく、音響資格の取れる大学に行きました。


上に挙げたのは、あくまで自分の例なので(特に後半は)、HSP全員が当てはまることでは全くありません。
HSP気質と言っても、自分自身はそれ以外の遺伝子要因・環境要因など様々なものから"自分"ができています。
HSPといっても、一くくりにはできず、個体差があり、また環境要因にも左右されるので、千差万別です。
その辺りはご了承ください。

でも、悩むことばかりではないことは、ご理解頂けたかと思います。


現在自分は、うつ病寛解を目指す観点からも、心理学系の本を読んだり、HSP学会の論文に目を通したりと、勉強してる最中です。
(うつ病になったのは、パワハラが原因であり、HSPは関係ありません)

またHSP自体も、まだ発展途上の研究テーマですので、
知識や心理療法など含め、まだまだこれからです。


詳しいことを知りたい方は

・エレイン・N・アーロン著『The Highly Sensitive Person in Love(ひといちばい敏感なあなたが人を愛するとき)』他
・Japan Sensitivity Research『http://www.japansensitivityresearch.com
・Sensitivity research(英語)『https://sensitivityresearch.com
※JSRとSRは別々の学者の集まりです
・飯村周平研究所『https://note.com/kokoropyonpyon
・HSC/HSPの正しい理解と伸ばし方(有料視聴)『http://www.j-pea.org/courseinfo/resilienceandhsc

HSPはまだ研究途上です。無闇にネットで情報収集すると、エビデンスの足りない情報が出てきます。
お調べになる場合は、JSRやSRのページから、学者さんの名前をピックアップ→その人の名前で検索
をオススメします。

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