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浦和レッズレディース 2020シーズン振り返り【前編】

はじめに

今シーズン、浦和レッズレディースは2014シーズン以来のなでしこリーグ1部優勝という結果を収めた。 

18試合中14試合で勝利し、2試合を残して優勝を決めた圧倒的な強さの理由はどこにあるのだろうか?
その強さを、数字に表れる面、現れない面、様々な角度から探って行こうというのが今回のタテマエだ。

しかしその実態は、「優勝したぜ!ウェーイ!めっちゃ強いから調べてみよーっと!」みたいな軽いノリであることを忘れないようにお読みいただきたい次第だ。
以上が今回の記事を読んでいただくにあたっての注意事項であり、この先にはこんな硬い文は二度と現れないのでご安心いただきたい。 

2020シーズンの順位を振り返る

はい!ということで、レッズレディース優勝しました!1番上にレッズのエンブレムがあるよ笑笑

さあ、まずは順位表を見ていきましょう!

最初に注目するのは「失点数
勝ち点1位なのはみんな知ってるからいいや(笑)
ご覧のように、5位の新潟と並びリーグ最少タイの17失点。開幕から2試合で4失点と不安な立ち上がりでしたが、その後は安定した守備で3試合に1試合の割合である、6試合でクリーンシートを達成(スコアレスドローの1試合含む)

さらに8試合が1失点。複数失点は僅かに4試合で、そのうち3試合は勝利を収めているという文章書いてる自分が1番びっくりするくらいの安定感。

ちなみに、クリーンシート率33%というのはとても高い数字で、勝ち点99を獲得したイングランドプレミアリーグのリヴァプールの38試合14クリーンシート、クリーンシート率37%とほぼ同じレベルということになります。しかも、リヴァプールは途中連続でクリーンシートを取っていたので、その期間を除くとあまりクリーンシートは現れていません。(それでも勝ってるのがすごい)レッズレディースは、年間を通して安定してクリーンシートの試合を量産できたのがすごい点と言えます。

で、せっかくなので38試合だったら…ということで単純計算したところ92ポイントまで勝ち点が伸びていたということになります。34試合のJリーグだと勝ち点83でぶっちぎりの歴代最多勝ち点。今季の川崎が最高で87ポイントまで伸びるので(12/1時点)それといい勝負でしょうか?単純計算とはいえ、すごいハイペースで勝ち点を重ねたことになります。

では、これだけの勝ち点を稼いだのだからなでしこリーグ史上最多勝ち点なのか…というと、実はそうではありません。
ここまでで気付いてる方は多そうですが、案の定日テレベレーザ45ポイントという記録を2018年に、さらにその前年の17年には47ポイントを獲得して、圧倒的な強さで優勝しています。
やはり、女王は強かったですね…

【何故守備は固かった?】

はい、若干ベレーザに打ちのめされた感がありますが、そのベレーザをホーム駒場では無失点に抑えこんで勝っています。

では何故そんなに守備が固いのか?その理由は初めてレッズレディースのサッカーを見た多くの人から聞かれる感想に隠されていました。それは

すぐにボールを取るよね

そう。レッズレディースの守備の固さの要因その1は、「即時奪回能力の高さ
ボールを奪われた瞬間に守備のスイッチを入れ、最短でボールを刈り取る意識の高さと、それを遂行できる選手の守備能力の両方が必要ですが、レッズレディースの選手は前線から最終ラインまで、ピッチ上にいる全員が高い意識と、強度を90分間保てています。

さらに、レッズレディースの強みとして「ファールが少ない」ことがあります。
ボールを奪いにいく時、ノーファールで奪い切ることはかなり重要です。自陣の深い位置なら相手のチャンスにもなります。
簡単に言うと、ファールは少ない方がいいのです。

とここまで書いてきましたがレッズレディースのファール数は本当に少ないのか?2位神戸のファール数の比較をご覧ください。


浦和L     I神戸
1-8     3-3
②5-6     3-3
③7-6 4-6
1-10     7-6
⑤4-4     6-2
❻6-7     7-6
⑦2-10     6-2
⑧2-8     3-8
⑨6-12     4-6
⑩6-13     5-4
⓫5-9     9-5
⑫4-9     6-5
⑬9-12     3-8
⑭5-4     6-6
1-11     2-4
⑯3-6     5-8
⑰6-7     4-10
⑱6-8     8-11
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
79-156  96-109
平均 4.4-8.7 5.3-6.1

ファール数-被ファール数
●は直接対決
平均の小数点は小数点2桁で四捨五入
データはなでしこリーグ公式記録、直接フリーキック数より

はい、こんな感じでした。トータルだと17回、1試合あたり1回くらい少ないですね。
さらに注目すべきは、90分を通して1回しかファールがない試合が3試合もあること。めちゃくちゃすごいですよね。
ちょっと気になって、浦和レッズのトップチームの1〜18節までのファール数を調べたら233でした。やっぱり女子サッカーは平和なんですね…

参考データ     ファール数 1試合平均

浦和レッズレディース   79 4.4
浦和レッズ        233 13.9
18節終了時点

追加情報ですが、警告(イエローカード)はシーズン通して1回しか受けていません。 
戦術を抜きにしても非常にクリーンなプレーをしていることが分かります。

【まとめ】

さて、いろいろ悩んだ結果、長くなりそうなので前後編に分けることにしました(もしかしたら3編成になるかも)

と言うことで、後編(もしくは中編)はまた後日アップします。途中まで書けてるのでそこまで時間はかからないと思います。

それではまた次回!

なでしこリーグ公式ホームページ↓↓↓

http://www.nadeshikoleague.jp/

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