書き散らせるメモアプリを作りました
この度、Projmoというメモアプリを作りました。
世の中のメモアプリ
世の中にはメモアプリがごまんとあります。メジャーそうなものだけでも、
Microsoft OneNote
Apple純正のメモ
Google Keep
Notion
Obsidian
RoamResarch
Joplin
Simplenote
ZETTLR
Scrapbox
Inkdrop
といったものがあります(順番に他意はありません)。スマホ用アプリに至ってはもはや挙げるのも難しいくらいです。
なぜ新しいメモアプリを作ったのか
こんなにも多くのメモアプリがすでにあるにもかかわらず、なぜ新しいメモアプリを作ったのか。多くのメモアプリの開発の動機と同様、自分が満足できるメモアプリがなかったからというのが理由です。
Webページを簡単にクリップできるとか、メモを関連付けて整理できるとか、いろんな性質のメモアプリがありますが、私が求めているのは「ただ思いついたことを書き散らせる」メモアプリでした。
主な条件は以下の通りになります。
たくさん書ける
オフラインでも使える
リッチテキストでなくて画像が添付できる
インストール不要のWebアプリである
たくさん書ける
私が常用していたメモアプリはOneNoteでした。
常用する中で直面した問題の1つがメモをたくさん書きにくいということでした。
私は日記のように次のようなフォーマットでメモをとる癖があります。
日付
メモ
これを1つのページに追記していくように書きます。
新しいメモを新しいページでつくらない理由は過去のメモをなんとなく見返すというのが楽しみの1つだからです。
わざわざクリックして辿りたくはない、だらーっとスクロールして見たい、というわけです。
OneNoteでもこのコンセプトに基づいてメモをとっていました。
そうすると、何が起きたか?
1つのページサイズが大きくなりすぎてメモを書くときに遅延が発生するようになり、快適にメモを書けなくなってしまいました。
仕方ないので、その現象が発生したらページを新しくつくるようにしていましたが、だんだんとその作業が億劫になりました。
Projmoではその問題を解決するため、いわゆるチャットツールのようなUIにしています。
1つのメモを1つのメッセージのように書くことができて、それらが積み重なったように表示されます。
それならチャットツールを使ってメモを書けばいいんじゃないか、ということにもなりますが、やはりチャットツールはチャットツールであり、メモアプリではありません。
Projmoもチャットツールのように、タイトルの入力は不要です。メモを選択しないと表示できないということもありません。編集モードの切り替えもありませんので、いつでもすぐに続きを書けます。
追加ボタンを押せば、新しいメモが日付つきで作成されますので、すぐに新しいメモを書くことができます。
昔のメモを見つけたければ検索もできます。
他にもいろいろ細かい機能がありますが、なんといってもたくさんメモを書いてもパフォーマンスが低下しないという点が私にとって何よりも代えがたい魅力です。
オフラインでも使える
OneNoteの魅力の1つは、オフラインでも使えることでした。そもそもインストール型のアプリだったので当たり前と言えば当たり前です。
ただ、スマホを利用するようになり、複数のデバイスでの同期が当然のように必要になったときに、前述の私の使い方に起因するところも大きいのですが、OneNoteの同期の遅さが問題になるようになりました。そもそもOneNoteがスマホに対応したのは随分後だった気がします。
やっぱりWebアプリがいいなということで、最初はEvernoteを使ってみたりしました。
ただ、なんというか、Evernoteは宗派が合わない感じでした。そもそもたくさん書けるという最初の条件を満たさなかったですし。
ProjmoはWebアプリでありながら、オフラインでも一通りの操作ができるようになっています。
オンラインになれば自動で同期されるので、オフライン・オンラインを気にせずメモを書けます(ただし同期機能はサーバーを使う機能のため有償版のみの機能とさせていただいています Freeプランでも使えるようになりました)。
その代わり、昨今のアプリが当たり前のように備えている共同編集の機能はありません。
Projmoでは、複数人のコラボレーションのしやすさより、個人のメモの取りやすさを重視しています。
リッチテキストでなくて画像が添付できる
OneNoteでメモを書いているときに地味に大変だったのが、書式の統一です。
OneNoteではいわゆるリッチテキストが書けるので、フォントを自由に変更できます。
ただ、私が求めるのはテキストエディタのように装飾のないテキストがたくさん書けることであり、コピペなどでフォントが変わったり、デフォルトフォントがうまく適用されていなかったりすると、いちいちフォントを変更する必要があり、それが面倒でした。
それなら普通のサクラエディタとか標準のメモ帳でよいのではないかということになりますが、画像を添付して表示したいというワガママもありました。
リッチテキストじゃなくて画像が添付できる、となると、Markdown系のメモアプリが思い浮かぶのですが、画像はMarkdownプレビューで表示されるものが多く、インラインで表示されるものはなかなかありませんでした。
Projmoではリッチテキストでない普通のテキストでメモを書けます。画像を添付するとMarkdownの書式で挿入されるのですが、同時に画像がメモの下に表示されます(画像はサーバーに保存する仕様のため、画像添付機能も有償版のみの機能とさせていただいています)。
インストール不要のWebアプリである
OneNoteがスマホで使えなかったため、スマホでメモをとるときにはColorNoteというアプリを利用していました。
しかし、ColorNoteは逆にPC版では使えません。また、インストールが必要なアプリだと、スマホやPCを入れ替えたときにメモの移行が必要になり、それも手間でした。
そのため、ProjmoはWebアプリとしてつくり、スマホやPCでも使え、スマホやPCを入れ替えたときもメモの移行が不要なようにしています。
そうはいってもスマホではやはりネイティブアプリの方が使い勝手がいいこともまた確かです。
その場合には、各スマホに標準で備わっているWebサイトをアプリとして使う機能で、見た目をネイティブアプリのようにすることができます。
AndroidのChromeブラウザの場合、縦三点リーダーボタンから「アプリをインストール」を選択すると、表示しているWebサイトをアプリとしてインストールできます。
プロジェクト管理もできる
以上4つの条件は特に目新しいものではないので、これらを満たすメモアプリは、おそらく世の中にすでにあるのでしょう。
しかし、自分で作ることのメリットは、いろいろこだわることができることです。
その1つがプロジェクト管理のための機能です。
私の本業はPM(プロジェクトマネージャー)なので、PMである私が必要だと思う機能を入れています。
プロジェクト管理をする上で必要なのはWBSの管理と突発タスクの管理ですが、これらを統合的に管理する仕組みは大がかりになりますし、各現場ですでに導入されている既存システムと機能が被る部分もあるので、Projmoでは直近のやるべきことだけにフォーカスできるようにTODOリスト機能を用意しました。
TODOリストとしてはシンプルですが、納期がタイムラインで見れたり、複数のリストがつくれたり、プロジェクト横断で見れたり、他のタスク管理アプリにはあまりない機能があります。
(以下の画面は初期リリース時のものです。2023年11月13日リリース版で少し機能が変わりました)
また、プロジェクトを遂行する上で会議は欠かせないものですが、Projmoでは毎週定期的に実施するような会議の記録をレポートとして作成することができます。
最新のレポートが常に上に表示され、前のレポートをコピーして作成することもできますので、定例会議ごとにフォルダーを分けてレポートを作成すれば、会議の記録を整理できます。
Githubのようにチェックボックスでタスクリストを作成することもできますので、簡単なアクションアイテムの管理もできます。
少し変わった機能としては、いつでも自分だけのメモが書ける機能や、Slackチャンネルと連携してSlackチャンネルにメモのリンクを投げてメモを共有する機能があります。
ぜひ使ってみてください
自分のメモは大事な個人の資産なので、アプリの品質にもこだわっています。私は開発中のバージョンからProjmoを使用していますが、現在メモの数は2000を超えています。自分が欲しい機能を盛り込んだので当たり前ですが、今はとても快適なメモライフを過ごしています。
既存のメモのインポートやエクスポートもできますので、もしも自分に合うかもと思うところがありましたら、ぜひ使ってみてください。
(オフラインでの利用であれば無料のまま使えます Freeプランでもオンラインで使えるようになりました)