サプリ業界大ショック、小林製薬紅こうじサプリ問題、発覚から1週間のまとめ

小林製薬、紅こうじサプリ問題、発覚から1週間のメーカー・各行政の動きをまとめました。
機能性表示食品の制度が2015年に始まってからメーカーが健康被害を公表し商品を自主回収するのは初めてのケースということで…制度の見直しも含め社会問題に発展しそうです。


ほぼ自分用に整理したものになりますが…
どなたかの参考になれば。

【登場人物】
★小林製薬(問題になっているサプリメントの販売メーカー)
◎消費者庁(機能性表示食品の届出を管理している行政機関)
◇厚生労働省(健康危機管理をしている行政機関)
■農林水産省(食品の安全性・表示・流通を管理している行政機関)
△大阪市(小林製薬本社所在地を管轄する地方行政機関)



1月

★小林製薬
サプリとの関連が疑われる症状で入院した患者がいるとの情報が医師から寄せられる。

2月6日まで

★小林製薬
腎疾患の症例報告が複数あることを把握。

3月22日

★小林製薬
米こうじの一種【紅こうじ】成分を配合した機能性表示食品のサプリメントを摂取した13人から腎疾患の報告が出ていると発表。

発表されたこと
・想定と異なる成分が含まれていたおそれがある
成分については未特定、紅こうじ由来の有毒物質である『シトリニン』は検出されていない
・商品の自主回収
商品名『紅麹コレステヘルプ』3種、『ナイシヘルプ+コレステロール』、『ナットウキナーゼさらさら粒GOLD』計5製品
・患者の様態
入院6名・通院7名、入院患者の中には人工透析が必要になった人もいた。
すでに退院した患者は5人。
症状は腎機能の低下に伴う倦怠感・むくみ
・健康相談電話窓口の設置、4月1日から返品を受付

◎消費者庁
紅麹を含む機能性表示食品8商品について安全性に関する科学的根拠を再検証し結果を報告するようメーカーに求める

◎◇消費者庁・厚労省
大阪市から厚労省への情報提供。消費者庁と厚労省で小林製薬と面談

3月24日

★小林製薬
紅こうじを飲料、食品メーカー、卸売り業者など52社に供給していたことを発表。メーカー各社でも紅こうじを使った商品の自主回収発表が相次ぐ。

回収を発表したメーカーと商品(3月25日時点)
・宝酒造『スパークリング日本酒 松竹梅白壁蔵<澪>PREMIUM【ROSE】』
・紀文食品『いかの塩辛』
・ZERO PLUS(ゼロプラス)『悪玉コレステロールを下げるのに役立つ濃厚チーズせんべい

3月25日

★小林製薬
新たに20人の入院が判明、合計26名に。

◎消費者庁
成分に関する安全性を再検証し報告するよう求める

◇厚労省
日本医師会宛に紅麹を含む健康食品の健康被害情報の収集など協力依頼

3月26日

★小林製薬
・死亡者1名との発表。約3年間長期摂取していた1人が腎疾患で2月に死亡していたことを発表。計35袋を通信販売で定期購入していた。
入院患者は26日午前中までで合計70人を超える。

・届出の撤回
小林製薬は、紅こうじの成分を含むサプリ8件について機能性表示食品の届出を撤回

◇厚労省
調査会の開催を決定。大阪市に対し廃棄命令の措置を講ずるよう要請。

3月27日

★小林製薬
死亡者2名(27日までに厚生労働省に対し報告された数)と発表。
入院数は106名
1人目と同じく症状は腎疾患とみられる。

◎◇■消費者庁、厚労省、農水省
連絡会議の開催

△大阪市
食品衛生法に基づき、自主回収対象商品3商品の回収命令を出す。

3月28日

★小林製薬
死亡者4人との発表。
小林製薬は紅こうじ原料を供給していた取引先への補償を検討。

◎消費者庁
機能性表示食品の届出を行っている約1,700の業者に健康被害情報を確認する質問状を送付(回答期限4月12日)

◇厚労省
紅こうじ原料を使用している企業に対し自主点検を依頼することを決定

■農水省
食品や流通など関係業界に対しサプリの在庫確認や回収への協力を文書で要請

3月29日

★小林製薬
記者会見。
原因物質の可能性が疑われる青カビ由来成分『プベルル酸』検出。
死亡者は5名に。
相談件数は約1万5,000件にのぼり、入院数は114名とされている(29日時点)

◎消費者庁
機能性表示食品の制度改正の必要性について大臣が発言
4月12日まえに回答がおこなわれる予定の一斉点検結果を踏まえ、制度の見直しを検討

◇厚労省
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_39394.html
小製薬社が直接、紅麹原料を卸している企業52社に対する点検の結果を公表
(残り172社については4月5日までに回答が行われる予定)
国立医薬品食品衛生研究所は原因物質の特定のためあらゆる可能性を検討する

◇△厚労省と大阪市
30日に立ち入り検査をすると発表

◎◇消費者庁と厚労省
合同でコールセンターを設置

電話番号:03-3595-2760
受付時間:9時~21時 (土日・祝日も実施)



商品のリコール情報(PDF版3月30日現在)https://www.mhlw.go.jp/content/001236070.pdf


原因物質の特定や、被害が起きた原因の究明はまだされていませんが、健康維持・増進のために摂取していたサプリメントで健康被害が出たことで、食品に対する消費者の不安が加熱しています。

被害のあったサプリメントの成分とは関係のない紅麹由来の色素についても安全性への懸念がもたれるなど事業者は風評被害への対応も行っている状態です。

機能性表示食品として国に届出がおこなわれた商品にも関わらず死亡に繋がる被害が出たことも大きく不安を招く原因となっており、制度の在り方についても疑問の声が上がっています。

被害に遭われた方への補償についてはまだ先のことになると思いますが、集団訴訟など争いに発展する可能性もあります。

今後、どのような動きがあるのか?
サプリの販売に関わる事業者だけでなく消費者としても引き続き、注目ですね。


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