化粧品・健康食品を売るときに【知っておきたい】薬機法違反事例5選
さて、2023年も終わりが近づいてまいりました。
年末年始もインプットをしたい仕事熱心な方のために今のうちにいくつかnoteを書いておこうと思います。
美容・健康ジャンルが好きだから仕事でも扱いたいという方は多いと思いますが、注意したいのが薬機法です。なぜなら「何人規制だから」です。
何人規制というのは、薬機法の規制が及ぶ範囲が商品を作っているメーカーだけでなく販売している一個人にも及ぶという意味です。
規制されていることを知らなかったというのは通じません。
美容健康関連の商品を取り扱うのであれば、当然知っているものとして扱われます。
実際に逮捕された事例もあるから怖いのです。
むやみやたらに脅すつもりはないですが、今回は、美容・健康関連商品の広告に携わるなら【知っておきたい】薬機法違反事例5選を紹介します。
広告主はもちろん、広告を制作するライター・デザイナーさんにも見てほしいと思い作成しました。
筆者の自己紹介をすると、
元化粧品メーカー広告制作、薬機法・景表法チェック担当
現在は薬機法専門行政書士として化粧品・健康食品のメーカーを中心に広告制作や商品開発のお悩みに向き合っています。
毎日広告を見ているのと同時にルール改正や処分事例に目を向け発信をしています。化粧品・健康食品・雑貨・エステ・美容医療さまざまな広告に携わってきました。
今回集めた事例は、実際に普段の打ち合わせのときに話にメーカー担当者や代理店担当者から話題にあがる(=知っていて当然)ものと、私自身が担当者向けにお話しする(=知っておいてほしい)ものです。
「ステラ漢方・・・?なにそれ(構文)」という方は必読。
知らない人に制作を任せるのは怖い事例ということは業界の方はよくわかっています。
とりあえず5つの事例がわかっているだけで、打ち合わせの準備としては十分です。美容・健康ジャンルの広告では「薬機法」がもれなくセットでついてくるので必ず押さえておいてください!
事例紹介
事例1:腫瘍に効果と謳った水の販売会社逮捕(2023.11)
\最近の事例/
東京都の医療機器販売会社が、インターネットサイトで水(食品)を販売
薬機法違反:《腫瘍やアトピーに効果がある》と医薬品的な効能効果を謳う
水(飲料水)は食品として販売されており、健康のために飲んでいる方も多いと思いますが、サプリメントのような類でなくても行き過ぎた内容を謳えば薬機法違反になります。
2023年11月30日のニュースなので、薬機法違反における逮捕事例としては新しいものになります。
事例2:ステラ漢方事件(2020.7)
\広告主だけでなく、広告代理店社員を含め逮捕された事件/
薬機法違反:
《肝臓疾患に対する予防効果がある》などと医薬品的な効能効果を謳う
業界に衝撃を与えた、広告主だけでなく取引先の代理店まで逮捕された事件です。広告主として記事風広告内のアフィリエイターの過激な訴求を管理しきれておらず、また代理店も違反の認識を持ちながら広告内容に深く関わっていたとされています。
広告運用をしているだけ。というのは薬機法では通じません。
代理店であっても、薬機法に対して目を背けない姿勢が大切です。
事例3:アフィリエイター摘発事件(2021.3)
\アフィリエイター個人が摘発された事例/
薬機法違反:
自身が運営するサイトにおいて、健康食品を販売するなかで《更年期障害、糖尿病、痛風の予防・改善に効く》と医薬品的な効能効果を謳う
神奈川県に住む個人アフィリエイターが書類送検された事例です。
個人だから大丈夫とは言えません。し、販売数としては3個で警察が動いています。
ここまでは食品ジャンルを取り上げましたがあとの2つは別のジャンルです。
事例4:承認されていない「美白」効能を訴求(2023.8)
\承認外の効果を訴求するのはNG/
薬機法違反:
グルタチオンの成分説明として《美白・解毒作用》など承認外の効果を謳う
成分の説明として、承認効果の範囲を超える内容を謳っていたことが薬機法違反として行政指導された事例です。
この件は薬局のLINEアカウントから配信された内容ですが、LINEの配信についても薬機法上広告に該当するので、配信内容については注意が必要ですね!
事例5:ペットフードで免疫訴求(2023.9)
\ペットフードの販売者が逮捕/
薬機法違反:
ペットフードの販売において《免役機能の正常化》などと医薬品的な効能効果を謳う
ペット商材に薬機法は関係ない!?
いえいえ、動物にも人間と同じように「ペット用医薬品」というものが存在します。つまり、ペット用医薬品としての商品を経ていないにもかかわらず病気の予防や治療をするかのような広告をしてはいけないということです。
薬機法違反というと健康食品・食品のカテゴリーの印象が強いですが、薬機法が関わる範囲は広く、雑貨やアプリなどであっても対象になります。
広告をつくる際、新商品をつくる際に美容・健康にフォーカスしたものであれば薬機法の検討は必須です。
広告表現は販売に直接つながる部分なので、事例のようにならないためにも入念に対策していきましょう。
一言で薬機法違反対策をまとめると
新しいもの、重要なものを中心に知っておきたい、薬機法違反逮捕事例を5つ紹介しました。化粧品・健康食品の広告に関わる方が薬機法違反に対して気を付けることを一言ずつでまとめると
健康食品・食品の薬機法違反対策
健康食品や食品は薬ではありません。薬ではないのに、薬のような効果があると勘違いさせる広告をしないでください。
化粧品の薬機法違反対策
化粧品では効能効果として謳える範囲があらかじめ決まっているので、その範囲を超える広告をしないでください。
医薬部外品や医薬品の場合には、訴求できるのはあくまで承認された効能。
承認効果をはみ出して言えるというものではありません。
これに尽きる。
とは言え、何かしらの変化が欲しいからこそ商品の購入に踏み切るのです。
どのように商品がもたらす変化を伝えたらいいの??
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ひらさこ