儘ならない世の中で②
「ごめんね。お客さん集められなくて」
「すいません。あんまり人呼べなくて」
もうこんなやり取りは
懲り懲りで、
ずっとこんなやり取りを
繰り返してきた。
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お客さんの集まらないイベントは
お金も動かないし、
関係者も離れていく。
お金を得られない生業は
次第にやめざるを得なくなる。
若しくはなんとか
その業を利用して、
お金になるやり方を模索する。
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楽器を奏で、
詩を唄うことをして、
30年以上、時が流れた。
ずっと、
お金になるやり方や、
受け入れられる表現を模索したり、
受け入れられる土壌を
模索しながら生きてきた。
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こんな表現を、
こんな場で現したら、
何らかのポジションを
獲得出来るんじゃないだろうか?
表現の質を変え、
様々な「自分」を見つけ、
成長する機会をいただいた。
いただいた。
いただいたが、次の機会は無かった。
もしくは、なかなかやって来ないものだ。
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演劇、テレビ、オーガニック系、エコ系、
ヒッピーカルチャー系、etc…
各分野、業界には
「花形」がいる。
もしくは「繋がり」がある。
そして、関係者としての「枠」がある。
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なかなかそれらの懐に入り込むことは
出来なかったみたいだ。
でも、
みんな元気にやってるといいな。
次に会った時には、
思い出を語り明かせばいいと思う。
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繋がりが途絶えても、
僕は「僕」と居る。
20年前に創った詩が、
当時は
なんでこんな若造が、
こんな老成した言葉を選んだんだろう?
と、
ただ、面白がって、
好い詩を描いた。
「いろいろ旅してきたけど、
疲れたなぁ…」
みたいな視点を、
これからいろいろ経験しようと
わくわくして旅する最中に描いた。
旅をしながら
「俺は旅人〜」とか言って、
ラブ&ピースなことを唄っていた方が
キャッチーだと思ったけど。
…それは「僕」ではなかった。
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「ごめんね。お客さん集められなくて」
「すいません。あんまり人呼べなくて」
こんなやり取りは
もうやりたくない。
「好い音楽をありがとう」と、
鳴らした詩と音が響いて、
一人でも聴いてくれた方が、
豊かになってくれたら、
幸せを感じてくれたら、
僕も幸せを感じる。
僕は、
幸せを感じるために
唄い、奏でるから、
それが少なくても、
お一人お一人の心に
自分ごととして
届いてくれたら。
僕の創った詩に、
僕含め、
みんなでシンクロすることが出来たら…
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「もっと多くの人に聴いてもらいたいね」
そう言ってくれて、
そう想ってもらえるだけで
光栄です。
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多分、
人には向き不向きがあって、
デザイン、企画、
適正な社会創りに
向いている人が
一定数いる。
僕が自分でそんな
「プロデュース」を考えても、
とてもとてもセンス悪いみたいで、
僕自身の「好さ」を
台無しにしかねない。
散々、ダサいことをやってきた。
ダサいセンスの
プロデューサーに、
ダサい振る舞いを提案させられる
こともあった。
いや、
そのイケてるセンスを
僕が理解出来なかっただけかもしれない。
結果、僕は結果を
出せなかったのだから。
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もっと多くの人に聴いてもらうために、
芸風を変えたりするつもりはない。
(自然な変化はあるけどね)
「詩」を変えるつもりはない。
「それをすれば売れるであろう」
という確証がない今の世の中は
とても助かる。
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売れるとどうなる?
売れると何が出来る?
売れて何がしたい?
唄っていたい。
唄うと現れる「詩」の世界を
出来れば日々、紡いでいたい。
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「すいませんお客さん集められなくて」
なんて、本当に想っているんだったら、
もっとたくさんSNSに告知するべきだし、
来客の可能性のある人達に、
一人ひとりメッセージを送るべきだ。
それも散々やった。
古くはライブハウスでアンケートを書いてもらい、
書いてくれたメアドに
感謝の言葉や、次回のお知らせを
一人ひとり、丁寧に送った。
送ったつもりだった・・・。
それ自体が押し付けがましかったのか、
圧が強かったのか、
もしくは押しが足りなかたのか
わからないが、
それらの努力は無に帰った。
…本当に仕方がない。
僕は、本当は
詩を表に現したいだけ。
周囲に気遣うことが苦手な牡羊座だ。
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また3ヶ月後、
千葉には帰って来ます。
12/8(日)に、
また西千葉の平凡さんで
演奏させてもらいます。
一昨日はお客さん2人でした。
でも、
その1人が、
とても平魚泳を好いてくれていて、
彼は付き合い長い、
奄美の三味線弾きなんだけど、
彼の方から共演したいと言ってくれて。
「ちゃんともっと
お客さん呼びますんで」
なんて、言ってくれるだけで
有り難い。
でも、
無理しないでね。
お客さんが少なくて、
謝るのも、謝られるのも、
もう嫌なんだ。
謝罪の言葉で
お互い萎縮して、
だんだんと関係が疎遠になってゆく。
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これは僕の経験則。
誰もに当てはまるわけではないと
思うけど、
一人ひとりが違う星の下に生きている。
その唯一の出逢いを
大切にしたいんだ。
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成田から福岡空港に帰ってきた。
15時に、帰宅途中のどこかで、
ツイキャスLIVE配信で
ウクレレ弾いて唄います。
リアルLIVEでもLIVE配信でも、
大体今、2〜3人が聴いてくれている。
ゼロでないことが有り難い。
そして例え、
ゼロの瞬間を経験しようとも、
僕は「僕」といる。
唄えば現れるから、
どこかで唄っています。
ずっと「独り」ではないからね。
「みんな」がいるから
「独り」が在るんだ。
うたが、音が、言葉が、 もし心に響いてくれたなら サポートいただけたら嬉しいです。