駅前の賑わいから、静かな公園へ
久しぶりに、
地元の市役所のある市街地の駅前で
ウクレレを弾いて唄った。
18歳の時から
ずっと駅前で唄って
30年になるのか・・・。
さすがに最近は
こんなことをやっている自分に
違和感があるのは、
年齢を重ねたせいなのか、
時代の移り変わりなのか、
イマイチ判断できないところがある。
けっきょく、
こうして時代を生きてきて、
「今」に辿り着いた
一欠片の人生なのだろう。
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駅前で唄う。
時代のせいなのか、
年齢のせいなのか、
特に何を期待することもできない。
若かりし頃より、
落ち着いて感じている実感はある。
ハイテンションで、
一人汗をかいて、唾を飛ばして、
何かを訴えても、
通行人は
それとは違ったテンションで歩いている。
昔は、
こんな温度差に気付かずに、
一生懸命、想いを伝えようと
練習して、技術を磨いて、
大きく、はっきり聴こえるように
努めて、努めて、
鍛えて、
でも才能ある人には敵わない。
でも、
人気の集まってる人の音楽に
魅力を感じていない僕もいて、
歳を重ねるごとに
自分の星を嘆き苦しむようになった。
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あの頃よりも
力が抜けている。
あの頃よりも、
通行人に興味持ってもらって、
笑顔を交わすことも出来る。
出来るようになって、
飲み屋帰りの
彼らの世界観に付き合って、
喜んでもらえそうな、
ポジティヴな詩を唄って、
感動されて、
お金を置いていったり、
何も置いていかなかったりして、
一期一会を味わって・・・。
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街から外れて、
去年から続けている
ツイキャスライブを
静かな公園で配信した。
誰にも聴いてもらえていない時もある。
でも、リアルタイムに間に合わなくても
アーカイブで楽しんでくれている人がいることも
聞いている。知っている。
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大きな声で
「聴いてくれ〜」と
叫んでいた頃は、
おそらく若々しく、
ピチピチしていたのだろう。
でも、
なかなか聴いてくれる人はいなかった。
人気は出なかった。
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今も、昔と大して変わらないけど、
やっぱり昔から唄っている曲も、
「いい曲だな」と思って唄っている。
「人気者」になるような
星の元には生きていなかったことを
自覚する。
「こんな詩を唄うような人」として、
唄う僕は存在する。
「こんな詩を唄う僕」になって、
そこから世界を眺める瞬間が好きだ。
「そんな詩」を聴いてくれる人が
多くいて、
日々「そんな詩」を唄っていられたらいいな。
それは今も望んでいる。
でも、
なりたくもない詩に
自分を貶めるようなことは
もうしない。
若い時は
経験が積めるので
やってみるのもいいかもしれない。
・・・あんなカッコさせられて、
あんなカッコを受け入れて、
売れるために頑張ったな・・って
そんな「今」が「過去」になった時、
僕はそれを
どう受け入れるのだろう?
どんな経験値となって、
人生に深みを与えてくれるのか。
それも人それぞれなんだろうな。
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20代、若々しく、
思いっきり、力いっぱい生きれず、
豊富な経験を積めなかった僕は、
30歳を前後して、
バンドとか、デビューとか、恋人とか、お金とか、
縁がなくても、独りでできることを
とりあえずやってみることにする。
東京のアパートを引き払って
歩いて(途中から自転車で)旅をするようになった。
「身の程ツアー」と
こっそり名前を付けて、
・・・まぁ、様々な自意識を味わいました。
そんな
まだ若々しい30前後に、
老成したような、
「夢をあきらめた人」の詩を創った。
50歳を手前にした「今の僕」で唄うと
本当に身に沁みる。
「仕方がないな・・・」と
独りごつ。
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最近、占星術が近所で流行っていて
僕もかじっているのだが、
月を受け入れ慈しむって
こういうことなのかな?
ちなみに僕の月星座は山羊座です。
タイトルはそうだな・・・
「背中の月」がいいな。
P.S.
このLIVE配信を終えて、
余韻でnoteを公園のベンチで書いた後、
台風の影響の暴風雨がやってきました。
この歌の途中でもピカッと
稲光してるね♪