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「産業」って何だ?
去年の秋くらいから、
養鶏農家さんの仕事を手伝っている。
僕がこの村へ移住してきて12年。
30代だった僕も40代後半。
移住の時、
色々助けになってくれた
元気な60代のおじさん達も、
続々と70代に差し掛かってきた。
本当に力強かった先輩方も、
まだ元気なうちにと、
一線を退き、
あぁ、今後は僕らが
この先輩方の様な立場になって、
かつての僕らの様な
若者を支えていくのかな・・・。
同じ様なことが
出来るわけがない。
でも、確かに、
先を生きた先生方の
創った轍を
踏んだり、そこからまた道を
拓いたりしていくのだな。
そんなことを考えています。
******
自分としては
「就職氷河期世代」とか、
「ロスジェネ」とか言うのが
なんともピンと来ないでいる。
就職してないから。
「就職」を求めたことも
なかったから。
******
音楽をずっと
やってるんだけど、
描きたいものがあって、
それをいつか描いてやろうと、
若い頃から
ずっと想って生きている。
「就職」とか
「仕事」とか、
「生業」とか、
「生計」とか、
本当はよくわからないでいる。
******
また「音楽」とか言ってしまうと
「私もそうだった」
「僕と同じだ」
「憧れるよね」
とかいう
賛同やら批判や、
諭されたりしやすい状況になるのだが、
「僕の『音楽』と君の『音楽』は違うよね」。
そうなんだ。
人によってその名詞の持つ意味が違ってる。
だからこそ「バンド」なんていう、
それぞれが違う役割に本気になって、
ひとつの実態を創る。
ということが出来る瞬間が在るんだ。
******
そんな「音楽」が出来ればよかった。
音楽が出来ない状況は嫌だった。
旅をするにしても、
外出するにしても、
楽器を持たずに出かけることは
信じられなかった。
*****
でも、
そんな僕でも、
アルバイトするときは
そんなアイデンティティ消すし、
子どもが生まれ、
いつでもどこでも持ち歩いていた
ウクレレケースは
あっという間に
「飾り」とか、
小物入れになっていった。
******
そうそう、
それで最近、早朝5時に
鶏舎へ行って、
鶏に餌をあげているんです。
農場の経営は
移住当初から馴染み、
間接的にお世話になっていた
地元の方。
みんな70代に差し掛かり、
ご本人が倒れてしまったり、
同世代の従業員が倒れたり。
******
今朝、
餌をやりながら想った。
この農場の経営の
跡を継ぐことを。
来年でこの農場は
20周年を迎えるらしい。
それを考えると、
ちょうど今の僕くらいの年に、
この農場を始めたことになる。
大分県で唯一の
有機JASS認定の鶏肉らしい。
社長(と仮に呼びます)から
いろんな話を聞く。
まるで素人から始めたこと。
今でも試行錯誤なこと。
鶏に清潔で清潔で生き心地のよい空間で
育ててやろう、ということ。
******
音楽活動は
そんなに忙しいわけではない。
スケジュールもガラ空きだし、
請け負う「仕事」も
ほとんど無い。
それでも忙しいのは、
表現したいもの、
描きたいものがあるから。
ただ、そんな僕への
他者からのニーズはそれほどない。
そして僕自身も、
ここまでやってきて承認されないのに
承認欲求もクソもないよな。
拗ねてんのかな?
わからない。
それでも、なんか、
「大きな舞台」「モテる」とか、
経験したのかしてないのか
記憶が比較しようがないんだけど、
果たして、
虚しさも
感じるようになってしまった。
「旅」もそうだな。
歩いて旅もした。
自転車で旅もした。
音楽のご縁で、
オーストラリア、台湾、韓国、中国
なんかも行った。
ハワイも行った。
******
どこかへ行くと、
必ずそこには、
そこにずっと居る人がいる。
彼らが、
その土地の文化、風土、気質、人柄、
イメージを創っている。
「行く人」も「居る人」も、
人生を旅することには変わらない。
*******
すいません。
色々「想うところ」が
四方八方からやってきて、
散乱したnoteになってます。
だからこそ今、
言語化して浮き上がらせようと
しています。
*******
「旅する音楽家」に
成りきれなかった僕に、
最近は「旅」への白々しさも
感じるようになりました。
でも、
その鶏舎の社長が言った
「良い言葉」が
引っかかっています。
彼は本気で、
本当に素敵な人だと思う。
時代の流れに抗って、
「善い」仕事をしている人だと思う。
だから、その心の歓びが
こんな僕には
引っかかってしまうんだ。
「『あんたんとこの鶏、美味しいね』
って言ってもらえたことが
何より嬉しくて、
それだけが今、俺を支えてくれてるんだ」
みたいな感じ。
******
ピュアだよなぁ〜
本当に羨ましい。
憧れる。
魅力的な人だ。
ついて行きたいと思う。
******
「サカナくんの詩、いいよね。
サカナくんの詩聴くと泣いてしまうんだよ」
そういえば、
そんな言葉ももらったことがある。
嬉しいよ。
本当に嬉しいよ。
でも、
その言葉が
僕の支えになっているわけじゃないんだ。
支えの一つには
なっているんだけど。
******
「いいね」の数だけを支えにしてたら、
いつまでもこんな音楽
やっていないと思う。
******
そういうこと。
でも、考えてみたら
社長のやってることと
大して変わらないのかも知れない。
******
そこでまた
「仕事」というものと
「趣味」というものの
違いを考えだしてしまったんだ。
それと、
一次産業、二次産業、三次産業・・・
「産業」ってなんだ?
そんなことも。
******
とっ散らかりすぎるので、
今日のnoteは
ここら辺で締めます。
夜明け前のような
始まる前のような
あの予感は一体
何だったんだろう?
いつも通りの日々が
崩れてゆくような
あの胸騒ぎは
何だったんだろう?
聞こえないふりで
今年も同じ花が咲く
よくもないわるくはない日々が
しあわせなんじゃないかと
思ってた
お迎えが来たような
旅立ちの寂しさは
逃れられない
ことだったんだろう
花束を胸に添えて
微笑む君に言った
「また逢おう」
間違ってなんかない
誰も居なくなったような
何もかもが終わってしまったような
祭りは終わり
風が吹き抜ける
踏み荒らされた土の上にも
芽が生える
誰も居なくなったような
何もかも失ってしまったような
どこに居ても
どこまで行っても
崩れない壁を前に
立ち尽くす
独りぼっちの旅
真っ暗な闇を行く
怖れと不安
間違っているのかな?
誰が知ってる?
誰が知ってる?
僕の命よ
導いておくれ
誰が知ってる?
目を閉じる
目を開く
なんだみんな
ここにいたんだね
なんだみんな
ここに居たんだね
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