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個人的な詩が、今の世界そのものだった


ぽっかりと空いた空の穴に
気をとられていたんだ
あの信号が赤に変わる前に
渡らなくちゃ

無数の足あとを残した
雪の上をとぼとぼ
誰ひとりいない広場
いったいみんなどこへ行ったの?

本当は泣き出してもよかったんだ
それでも平気な顔して歩いた
君に追いつきたかった
君にほめられたかったよ

誰ひとり僕に気付かなかった
それでも隣で笑って見てた
君は少し歩くのが早いね
あの信号が変わる前に
君に置いて行かれないように
僕は 僕はずっと頑張って
いたんだよ

本当は泣き出してもよかったんだ
それでも平気な顔して歩いた
君に追いつきたかった
君にほめられたかったよ
君に覚えてほしかった
君と一緒にいたかった

マメ/ 平魚泳

僕のトップページの冒頭にしているnoteが、
この「マメ」について書いてあるので、
たまに「スキ」貰った通知が来て
自分のnoteを読み返す。

「スキ」って押してくれて
みなさん、本当にありがとうございます。

それで、
またこの詩を読み返した。

******

とても個人的な経験から生まれた想い
だと思ってた。

でも、
今、ここ最近の
アメリカがトランプ革命でひっくり返ったり、
今までの歴史の「栄光」が
闇として暴かれだした現実を眺め、
「僕」の詩ではなく、
これは「僕ら」の詩だったんじゃないかと
感じてしまいました。

少なくとも、
僕だけではなかったんだろうな、って。

******

ぽっかりと空いた空の穴が
気になっていた「僕」。

何を見て、
何を感じていたんだろう?

それよりも、
急がなきゃ!
信号が変わっちゃうよ。

みんな行っちゃうよ。

「みんな」に
遅れてしまうよ。

******

そうやって生きてきたのは
誰だったんだろう?

日本人?
植民地支配された世界の人々?
もしかして
支配してきた欧州列強の民衆の
ヒエラルキー、
そもそもキリスト教の成り立ち自体が
ローマに抑圧された
ユダヤ人のルサンチマンを起源とする。

なんて、
ルサンチマンって何だ?」
と検索したら
ウィキペディアにこんな風に書かれていたので
考えさせられてしまった。

フリードリヒ・ニーチェキリスト教の起源をユダヤ人の支配者ローマ人に対するルサンチマンであるとし、キリスト教の本質はルサンチマンから生まれたゆがんだ価値評価にあるとした[2]。「貧しき者こそ幸いなり」「現世では苦しめられている弱者こそ来世では天国に行き、現世での強者は地獄に落ちる」といった弱いことを肯定・欲望否定・現実の生を楽しまないことを「善い」とするキリスト教の原罪の価値観・考え方、禁欲主義、現世否定主義につながっていったキリスト教的道徳はルサンチマンの産物と主張した[3][2]

wikipediaより

「先を行く人々」って
誰だったんだろう?

******

「発展した人類」という、
「優生思想」で勘違いした野蛮人たちが
今まで各地で続いてきた
ローカルな営みを破壊した。

貪欲な「エリート至上主義」が
僕らの思想を破壊していった。

生まれた時にはすでに
今、生きている僕ら人類は全て、
この「エリート至上主義」の舞台で生きている。

抗おうが、服従しようが、
外れようが、
舞台は此処だ。

*******

この信号を渡りきれず、
赤信号に引っかかってしまったら、
虐殺されてしまう・・。

比喩だとしても、
本当にそんな時代を
僕らは駆け抜けてきたんだろうと
想う。

*******

気になった
真理だとか、真実だとかいう「空」を
眺めている場合じゃない。

命が危ないんだ。
渡れ!

*******

そんな時代を駆け抜けて、
命より大切なものを
明け渡してきてしまったようにも感じる。

抑鬱、自殺大国の日本。

*******

そんな「君」に
追いつきたかった。

そんな「君」に
褒められたかった。

「立派な人」「勝者」、「名誉」
などを、
僕も手にしたかった。

でも・・・
手に入れることは出来なかった。

*******

この詩には描かれてないけど、
そんな「憧れの君」が
その後、どんな人生を歩むのか・・・。

そして、
そんな「憧れた君」のような、
当事者は、
どこにいたのだろう?

******

確かにいるのかも知れない。

そして、そんな
勝ち馬に乗り続けてる人の人生の
煉獄感はハンパない。

******

僕は、
幸いだったのだと想う。

僕は、
「憧れのキミ」に
話しかけても
相手にもされなかった。

結局、
信号は渡れたけど、
「みんな」に
ついて行くことは
出来なかった。

******

僕は道を降りた。

降りた先にも世界は在った。

もしかしたら、
ずっと気になっていた
「空の穴」を
確かめる余裕が出来ている
のかも知れない。

******

「貧しい農村」
という言葉を
よく聞いて育った40年余だった。

ここ10年、20年ほど前から
「貧しい農村」という言葉に
違和感を感じていた。

水も空気も土も森も、
何でもある自然豊かで、
しかも、
衣食住を自給出来る農家さんが
なぜ「貧しい」んだろう?

実は貧しい多くの都会の人に
あまり来て、住まれることを
望んでないから、
現地の人達が、
カモフラージュで言ってたんじゃないか?

って、
それは今、田舎に移住して
そう思っている。

スローライフは日々、忙しく、
「仕事」はいくらでもある。
高い灯油を買うような
お金に余裕があれば・・
と思いつつ、
廃材や倒木で
薪を集めている。

******

無数の足跡を残した
多くの人の、
それぞれの行き先は知らない。

僕もその足跡の一つとして、
今も道を踏みしめている。

******

ずっと僕は頑張っていた。

そして、
彼、彼女も
ずっと頑張ってきたんだ。

僕だけじゃない。

僕が頑張ってきたのと
同じくらい、
君も頑張ったんだよね?

人はそれぞれ
感じ方が違うから、
本当のところはわからない。

でも、
僕が想うくらいは
わかるんだ。

******

もう、
信号を渡らなかっただけで、
虐殺なんてされないから。

そんなことだけは無いように。
抹殺なんかもされないように・・。

そんな社会の創造にだけは貢献したい。

それ以外は・・・

渡らなくてもいいし、
競わなくてもいいし、
譲っても、
譲らなくてもいいし。

ただ、
こんな事実、現実、想いが在ったことを
消さなくてもいい。

唄って、
また現して、
慈しめば
好いと思うので、

これからも
唄っていこうと思います。

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ウクレレ平魚泳
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