使えない人
オロオロと
慣れない作業を
教わりながらやってみる。
「あとは自分で考えてやってね」
と言われる。
その作業で何を目指しているのか。
何のためにそれをするのか。
どこにどのように力を加えれば
どのような結果につながるのか。
手探りでその作業をする。
教わった作業をやってみる。
全然出来ない。
そう。
初めは誰もが初心者だよ。
でも、
ある程度すれば
出来るようになるよ。
何が?
これをして、
僕は何を目指しているんだっけ?
この人は
何を出来るように
なってほしいんだっけ?
「もういいよ」
私が、俺がやった方が早い。
〇〇にやらせた方が早い。
身につけるための
経験の機会さえ
失ってしまった。
僕はなんでここにいるんだろう?
何のためにここにいるんだろう?
ぼーっと突っ立っていても
時間がもったいないので、
僕は、僕のやるべき仕事に
取りかかる。
「どこ行ってたの?」
「いや・・ちょっとトイレに」
嘘をついた。
ますます使えない奴として認知され、
ますます居場所を失う。
I don't belong here・・・
10代の時から耳にこびり付いている
Radioheadの歌詞がリピートされてる。
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僕は
何のためにここに居るんだろう?
誰のためにここに居るんだろう?
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僕は
人より能力が低いわけじゃない。
いや、
人より能力が低いのかもしれない。
優劣、効率、生産性、有効性・・・。
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家に帰り、
畑の野菜の育ちを確かめ、
薪を割り、風呂を炊き、
掃除して、家の補修して、
子どもの話を聞き・・・。
何も出来ないわけじゃない。
何かが出来るわけじゃない。
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自転車で
西へ西へと
旅した日々を思い出す。
こんな時間の使い方をしている
その間に、
何回も、東京大阪を行き来して、
仕事をこなしてる人
世のため人のため、自己有用性を発揮し
活躍されている方々はいるのだろうな。
お金を稼ぎ、お金を使い、
確かな結果を出して。
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僕の歩んだ人生の結果は、
こんな「使えない人」の
気持ちを忘れないで、
調子に乗らずに生きていくことに
生かしたいと想う。
でも、
やっぱり「調子」にはノっていきたいな・・・
僕の音楽は
届く人に届くといいな。
僕が生きてきた
あの日々の僕に
届いてくれるといいな。