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田んぼと音楽【ウリ坊といたちごっこ】
田んぼをやっています。
コロナ禍、2021年に
友人から声かけられて。
今年で4回目の収穫になる。
中山間地。隣の集落。
耕作放棄地になった田んぼを借り受けて
無農薬で営農している法人がある。
そこで1反より少し少ない
8畝くらいの面積で、
しっかり四角になっているわけじゃない
稜線に沿ったカタチの田んぼを
3枚、やらせてもらってます。
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稲に穂が付きだした8月の後半から
猪が田んぼに入りだしたので、
法人、友人集まって、
みんなの田んぼを囲む感じで
電柵を張りました。
それでも今年は
猪の子ども、ウリ坊が多いみたいで、
電柵の間を抜けて
毎日のように、僕の田んぼの稲が倒されています。
それを毎日、見に行っては嘆き、
毎日2〜3時間かけて
ウリ坊の足取りを辿るように
稲を起こし、
翌日、また倒される
というイタチごっこを
繰り返しています。
どこから入り込むのか。
これも毎日考え、
可能性のある所に石を置いたり、
電柵の線を下げたり、
線に雑草が触れないように
草を刈ったり。
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自分の田んぼのことは
完全に個人作業の範疇なので、
毎日孤独に、黙々と作業しています。
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昨日も、
なんでこんなことを
丁寧に毎日作業しているんだろう?
こんなことを考えながら、
作業してました。
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午前中は
法人からの声掛けで、
ハウスの解体作業を手伝ってました。
みんなで話していると、
僕が丁寧に、毎日田んぼに通って
代掻きしたり、草を取ったり、
稲を起こしたり、
頑張っている姿を
褒めてもらいます。
嬉しいんだけど、
そこを称賛されたくて
やってるわけじゃないんだよな・・・。
じゃ、なんでそんなに
がんばれるのかな・・・?
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毎日、猪に荒らされる田んぼを
黙々と起こす作業は辛い。
入らないように石を置いたりした苦労も
甲斐なく、荒らされた田んぼを見ては
独り、落胆する。
誰もいない田んぼで
悲鳴をあげたりしている。
クタクタで作業を終えて、
怒る元気もなくなってればいいが、
中途半端に見るだけ見て、
遅い昼ごはんを食べに家に帰ったら、
昨日は妻と、
売り言葉に買い言葉で
ケンカになってしまった。
「家で食べる分には
毎年、余るくらいだから、
もう田んぼを減らしてもいいって
言ってるじゃない!」
3枚借りてる田んぼを
2枚でもいいよ。
とは、夫婦で話している。
でも、
このくらいの範囲が、
ちょうどやり甲斐があって
ちょうどいいんだ。
と言って、
妻の声を聞き流している以上、
この田んぼは、
僕一人で背負うことになる。
誰に頼まれたわけでもないし、
誰かのためになるわけでもない。
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音楽やってる僕と
おんなじだな・・・
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なんで僕、
こんなことやってるんだろう?
なんか知らないけど、
他の人より丁寧にやってる。
そのくせ、
手作業にこだわってるわけでもないし、
微生物やら風やら陽当りやらの
摂理を感じて工夫するわけでもない。
耕運機や、田植え機とか、電柵とか、
対処療法的な機械使う機会があれば、
借りれるものは借りてやっている。
でも、
なんか積極的に
効率的な機械を覚えていくには
抵抗がある。
「これがないとそれが出来ない」
って状況が怖いんだと想う。
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これは歩いて日本を旅したアイデンティティに
似てるな・・・。
日本て、
どれだけ狭いのか、広いのかを
実感したくて
人生の1年弱を使い、
その後、数年は
浮浪者的に生きた。
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ビジョンを持つことが苦手だ。
言われたことを丁寧にやる。
工場労働者タイプだとは
子どもの頃から思ってた。
現代のイノベーションで成功を勝ち取る時代
には向かないタイプです。
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こんなタイプの僕だって、
幼稚なビジョンは持っている。
ちょっと多く採れたお米は
ライブある時に、
ちょっと相場より高く売りたいな・・・って。
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そもそも、
ライブ活動が尻すぼみになっていった人生に、
「コロナ禍」という
正当化には丁度いい追い風が吹き、
「田んぼ」という、
具体的にも「生産性」のある事を
する機会がやってきたから、
この流れに乗った。
という経緯がある。
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次、決まっているライブは
11/30か・・・。
まぁ、ちょいちょい演奏する機会はあるけど、
誰かのお手伝いとかじゃなくて
「平魚泳のステージです」ってのは
あんまりあるわけじゃない現状です。
で、
その、たまにあるステージの機会があっても
CDとかは
ほとんど売れなくなったし、
僕自身も聴かなくなったし、
記念で買ってもらうってのも
なんか抵抗あって。
そこで、
お米を売ったら、
誰からも需要あるし、
売れるんじゃないかな・・
って。
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で、先日の
台風の最中巡った
「風の音楽家」って3人組の
ツアー4日間は、
CD売れなかったけど、
お米は10も売れたから、
なんか嬉しく、悲しかった。
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だから、
あんま、考えたくないんだな。
余計なビジョンを考えると、
センスよく、具体的に
イノベーションする人たちの
尻目を見ながら追いかけるハメになる。
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昨日、一緒に解体作業した友達と
雑談で
「魚くんのお米のパッケージに
推薦文の帯を書くよ」
なんてビジョンを掲げてくれた人がいた。
「同じ田んぼ仲間ですが、
魚くんの田んぼは
手入れが行き届いていて、
ウチらより美味しいお米を育てていると
感じています」
確かに、
こんなこと、
自分で言えないもんな(笑)。
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なんでこんなに頑張ってるんだろう?
頑張れてるんだろう?
本当はミュージシャンでいたいんだけど、
ミュージシャンとしての仕事がないから、
「田んぼ」という大義名分?もらって、
暇がつぶせてる。
癒されている。
・・・じゃぁ、
「ミュージシャンの仕事」って
なんだろうね?
頼まれたことで、出来ることは引き受けている。
神楽の笛、舞。
レコーディングのエンジニア。
ウクレレの伴奏。
あ、そういや、ウクレレの先生も
頼まれたらやります。
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何を優先させるかって、
そういうことを考えると
おかしくなっちゃうから
目の前に現れたことに
集中する。
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やっぱ、
目標設定とか、コンセプトとか、
テーマとかって苦手だな。
表すのも、受け取るのも苦手。
noteのタイトルにも
いつも苦戦するもん。
アクセス数とかって、
タイトルで9割方決まるとは
思うんだけどね。
だって、内容は
アクセスしてから読んでみないと
わからないじゃん。
それはわかってるんだよ。
それがわからない。
「お・・おりは馬鹿だから」
などと言って、
おどけたり、貶めたりしないでいい。
山に囲まれた田んぼの中に立つと
何も言わなくていい。
ただ、生まれた場所で生きる。
「そこに適した生き方」も何もなく、
生まれて、生きる。
それが答えだよ。と、
応えてくれる。
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![ウクレレ平魚泳](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/9209125/profile_da6242cfe66a067196f14915b89a95ca.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)