【エッセイ】香り
今朝のポッドキャストで香りの話を聞いた。
香りを表現する言葉は「臭い」しかないらしい。
昔から香りには興味があった。
私の中では「香り」という言葉より「匂い」という言葉の方が馴染みやすい。
好きな匂いとイヤな匂いはなぜ人によって違うんだろう。
あんなに臭い匂いをみんなはなぜいい匂いって言うんだろう。
そんなことをひとり頭の中で考えていた。
私がなんだかどうしても惹かれる匂いは今まで何度も友達に話してきたけど一度も賛同されたことがない。
一つは
液体のミューズ(泡でも固形でもなく液体であってほしい)で手を洗った後の、自分の手の爪と皮膚の間の匂い。
爪と皮膚の間の匂いは昔から嗅いでいて、ニンニクを刻めばその匂いがしっかり残るし、魚を触った後は魚の血の匂いがきっちりする。
ミューズ。
液体ミューズで洗った後の自分の爪と皮膚の間の匂いはでもミューズじゃない。
ミューズと自分の匂いと温度の混ざった匂い。
温度っていうのは匂いにはないけど、自分の指先を鼻につけてるとき、自分の手のあったかい温度が冷たい鼻先に当たって、それが温度の匂いになる。
その匂いを嗅ぐと安心する。
心がとても落ち着く。