サンリオキャラクターに会いにいこう~グリーティングの魅力~
90年代J-POP育ちの僕はタイトルに「~」をつけるのが好きなのである。
さて以前このnoteに人生初のピューロランドでの冒険記を書かせていただいたが、その際僕はピューロランドの最大の魅力の一つでもある「グリーティング」を経験せずに終わっている。
グリーティングとはキャラクターと一対一で写真が撮れるイベントのことで、ピューロランドでは毎日異なるキャラクターが園内に数箇所あるグリーティングスポットで決まった時間にグリーティングを行っている。
グリーティングに登場するキャラクターは数日前にホームページから確認ができるが、登場する時間、スポットは当日にならないとわからない。また全てのサンリオキャラクターが登場するわけではなく、基本的には人気上位組含め数十体が入れ替わりながら登場するシステムだ。
そしてグリーティングに際して初心者の方は是非ともご注意いただきたいのが、列に並ぶ時間である。何しろここ数年のピューロランドの繁盛っぷりに加え、人気キャラクターのグリーティングともなるとまさに長蛇の列。しかもキャラクターは基本的に30分で交替となるため、目当てのキャラクターのグリーティングが始まった後に列に並んだ場合、人数が多すぎて自分の番が回ってくる頃には既に次のキャラクターに交替してしまっている場合があるのだ。
このあたりの時間調整に関してはさすがに慣れが必要となってくる。
またホームページでの予告とは別で、ゲリラ的にピューロランドのどこかで突然行われるグリーティングもある。これに関してはどのキャラクターがいつどこに来るのかもわからないため完全な運まかせとなる。
それにしてもなぜこんなにもグリーティングは人気があるのか。数十分も列に並び、実際キャラクターと触れ合える時間は1分にも満たない。そのわずか数十秒のためにこれほど多くの人を動かすその魅力とは一体何なのか。
それは心の浄化である。
僕が初めてグリーティングを体験したのは2回目のピューロランドのとき。お相手はシナモンフレンズのエスプレッソ君。当時僕はまだエスプレッソ君のことをよく知らずにとりあえずグリーティングを体験してみようと好奇心で適当に並んだだけだった(誰だったかも忘れたがその前のキャラクターの段階から並んでいたかも知れない)。
そしていざ僕の番が回ってきたとき、ピューロランドに一人で来ることには大して緊張しなかったのに、キャラクターと一対一で対面すると元来の人見知りが急に表面化し、重大なミスを犯したサラリーマンのようにエスプレッソ君に対してペコペコと頭を下げ、教師が家庭訪問に来たときの親ぐらい高めのキーで「あ、どうもよろしくお願いします」と堅苦しい挨拶をし、あと一歩でエスプレッソ君に名刺を渡しそうになるほど緊張してしまったのだ。
そんなモジモジキモファラオが無意識に作ってしまう見えない壁を、エスプレッソ君はまるで初めから無いものかのようにいとも簡単にぶち破り、その短い足でトテトテと走り寄ってきて僕をハグしてくれたのである。
その瞬間、僕は何か心が洗い流されたような気がした。気づいたら僕も自然とエスプレッソ君の体に手を回していたのだ。
かつて先輩で犬を飼っている三拍子の久保さんに、犬を飼うことの魅力とは何なのかと聞いたことがあった。
「無償の愛」。久保さんはそう答えた。
僕は初めてのグリーティングでエスプレッソ君にまさにそれを感じたのだ。無償の愛。これ以上ふさわしい言葉はない。
それから僕も多くのサンリオファンの皆さんと同じように、ピューロランドに行く際にグリーティングが大きな楽しみの一つとなった。
そうしてピューロランドに行くたびにグリーティングの回数を重ねていくと、もう一つのグリーティングの大きな魅力に気づかされる。
それはキャラクターの性格がよく表れていること。
元々サンリオキャラクターの性格がそれぞれ異なるのは当然わかっていたことながら、グリーティングに登場するライブキャラクターに関しては皆同じような感じで愛想を振りまいてくれるものだろうと思っていたら、意外とそういうことでもないのだ。
例えば我が最愛のクロミ様。彼女はマイメロディ嬢とライバルという関係にあるため、メロディ嬢のグッズなどを身に着けて彼女とグリーティングしようものなら、怒ってメロディ嬢グッズを強引にぶんどってくるのだ。逆に自分のグッズを身に着けている人やイケメン相手にはこの上なく愛想を振りまいてくれる。このようにライブキャラクターになってもクロミ様の性格がそのまま反映されているところがファンからすれば“神対応”ということになるわけだ。
ではクロミ様のライバルであるマイメロディ嬢の場合はどうか。
これは僕自身が体験した個人的な感想ではあるが、初めてマイメロディ嬢とグリーティングしたとき、僕はメロディ嬢に対してある説を浮上させた。
それは「マイメロディただの女説」である。
どういうことか。つまりメロディ嬢とグリーティングすると明らかにその場の空気が変わるのである。その空気とはまさに2人だけの空気。つまり男女のカップルが醸し出す空気だ。
それはメロディ嬢の一挙手一投足から滲み出る可愛い彼女感。そう、あの子はこの上なく女なのである。
僕はメロディ嬢は大好きだが一番の推しはクロミ様である。しかしメロディ嬢の隣に立ったとき、彼女の醸し出す甘い空気感にどうしようもなく抗いきれない魅力を感じてしまったのだ。言葉は悪いが魔性の魅力である。おそらく男であれば同じ感想を抱く人は多いのではないだろうか。
結果メロディ嬢に「おねがい♥️」されて、かつては「お笑いブラックホール」とまで言われたこの僕がこのようなポーズを取らされてしまったのだ。
後悔はしていません。
というかあの空気の中メロディ嬢に「おねがい♥️」されてやらない奴は男じゃねえ。粋じゃねえ。その場は素直に彼女に支配されればいいのだ。無理に抗って苦しむことはない。
そう思わせるほど彼女の魅力は空気を変える。
このように元々ファンでない者すら揺るがせる凄まじい吸引力を誇る必殺の「ピンクホール」。それこそがマイメロディ嬢とのグリーティングで僕が味わったインパクト、つまり「マイメロディただの女説」となる。
その他にも例えばばつ丸はクロミ様のように他のキャラクターのグッズをもぎ取ってきたり、プリン君はアドリブで色々なイタズラを仕掛けてきたりと、キャラクターによってしっかりと性格が出ていてそれぞれが個性的な対応をしてくれるので、わずかな時間でもそれを見るために数十分並ぶ価値があるわけである。
よくピューロランドはディズニーランドと比較されるが、あちらは作品の世界観やアトラクションがメイン、ピューロランドはショーとキャラクターの魅力をメインで押し出しているため、楽しむポイントが全然違うのである。
そしてキャラクターの魅力を直接キャラクターと触れあいながら楽しめるのはピューロランドだけ。
というわけでまずは推しキャラクターを見つけよう。そしたらそのキャラクターに会いに行けばいい。
どんな表現の仕方であれ、サンリオキャラクターは皆必ず愛をくれるよ。
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あとがき
心の浄化とか無償の愛とかいう言葉使うから宗教じみてるとか言われるわけよ。