サンリオのアンセムたる至上の名曲『手をつなごう』
最近僕はただひとつの曲にひたすら圧倒されている。
もう半年以上前に購入したアニメ『おねがいマイメロディ』の曲を集めたベストアルバム。
それに収録されている『おねがいマイメロディ~くるくるシャッフル!~』2期のエンディングテーマ『手をつなごう』である。
以前も『おねがい“ダイナミック”マイメロディ』の回で少し触れさせていただいたが、今回改めてこの一曲のみに焦点を絞って書かせていただこうと思う。というか書かずにはいられない。それほどまでに今僕の中でこの曲は特別な位置にある曲なのだ。
※『おねがい“ダイナミック”マイメロディ』
https://note.mu/hirapoyopharaoh/n/n5edf33ad6c13?creator_urlname=hirapoyopharaoh
もう半年以上も聴き続けながらいまだ飽きるどころか、聴き込むほどにその深みに気づかされ、毎回涙腺を緩まされてしまうほどにどっぷりとハマってしまっている。
基本的にタイムリーでハマっている音楽はBGMなどにすることはなく、必ず集中して聴くようにしている僕にとって、これほどの長期間に渡って飽きずに聴き込んでいる曲はちょっと久しぶりである。
音楽ファン歴はもう20年以上になり、余裕で万を超える数の曲をこれまでに聴いてきたが、その中で“名曲”と呼べる曲は数多くあれど、絶対に墓まで持っていこうと心に決めたほどの自分の中での“永遠の名曲”というものはそう多いものではない。
しかしこの『手をつなごう』に関してはどうやらその一曲に入りそうなのである。
ではその魅力の正体とは一体何なのか。
おそらく一言でいうと、「完璧なまでにサンリオらしい曲だから」だと思う。
シンプルでいながら美しいメロディ、そして一切奇をてらわないストレートに平和な歌詞。
たかがその2つの要素がこの薄汚れた心にこれでもかといわんばかりに突き刺さり、徹底的なまでに洗い流してくれるのである。
このシンプルの美学、この純粋無垢さ。
緻密に作り込まれたものや強烈な思想のもとに作られたものなど、世間的に高尚な芸術と見られている様々な音楽を聴いてきた中で出会った衝撃。
これはまさに僕がサンリオそのものと出会ったときの衝撃そのままなのである。
芸術云々などという理屈で語れるものではない。ただただ純粋で美しい。
だからこそ素晴らしい。
勿論大好きなクロミ様が歌っているからというのも魅力の一つとしてはある。
面白いのが歌っているメンバー(クロミ様、メロディ嬢、ピアノちゃん、バク)の中で一番真面目にしっかりと歌っているのがクロミ様ということ。
メロディ嬢は相変わらずマイペースにおしゃべりの延長のように歌ってるし、ピアノちゃんはひたすらバックでめーめー鳴いている(それが実はいいグルーヴを生んでいるのだが)。
そのあたりは『おねがい~』を見た人ならわかると思うが、意外とそれぞれの性格が出ている感じがあって面白い。
また『おねがい~』を見たからこそ余計に心に響くというのも勿論ある。
サンリオアニメ史上屈指の名作である『おねがい~』シリーズの中でも個人的に最も名作だと思っている『くるくるシャッフル』の、最も盛り上がっていく後半(2期)のエンディングテーマということで、その素晴らしいストーリーが想起されることで感動も倍増するというのも否定しようのない事実だ。
とはいえそれを抜きにしてもやはりこの曲は永遠の名曲である。
1さいの手のひらも 100さいの手のひらも
つないでみてごらん ほら魔法がわかる
綺麗事に聞こえるかも知れない。しかしこんな理想的すぎる美しさを現実で見ることが困難だからこそエンターテインメントの世界でこれほどストレートな形で見せてくれるこの曲は、サンリオは素晴らしいのである。
まだこの曲を知らない人も、『おねがい~』のエンディングでワンコーラスしか聴いたことがない人も、是非フルコーラス音源を手に入れて聴きこんでほしい。
サンリオ関連の数ある名曲の中でも『手をつなごう』こそがサンリオのアンセム、『テーマ・オブ・サンリオ』と言うにふさわしい至上の名曲であると思うのだ。