大企業エリートが転職で失敗する真実・・『ライフ・シフト』
弱い結びつきのほうが意外と役に立つ
グラノヴェターの研究では、人々がどのようにして新しい職を見つけるのかを調べた。この研究により明らかになったのは、人が新しい職を探すとき、親しい人たちが転職先を紹介してくれるケースがほとんどない点だった。逆に、友人の友人が紹介してくれることのほうが多かった。この研究が浮き彫りにしたように、互いのことをよく知っている人たちの集団では、メンバーが持っている知識がかなり重なり合っている。そのため、あなたの親しい友人がある求人について知っている場合は、あなた自身もその情報を知っている可能性が高い。
未知の情報を寄せるのはたいてい、友人の友人、つまり弱い紐帯の人たちなのだ。また、偶然の出会いが生まれるのも、この種の人間関係である場合が多い。
弱い紐帯をたくさん持っていれば、親密なグループだけでなく、もっと大きなコミュニティーと結びつく機会を手にできる。その意義は極めて大きい。それにより、イノベーションに取り組み、新しい組み合わせによるイノベーションを実現させる機会が生まれる。もしあなたがヘッドハンティングされて勤めている大企業からライバル企業に転職することを考えているとしたら、決断する前に次のことを自問自答したほうがいい。
・人的ネットワークの強さはどうか。
・社内外の大勢の人たちと幅広い弱い紐帯を築いているか。
・コロナ以降、人的ネットワークと知識の流れはどうなっているか。
・弱い紐帯と強い紐帯のあり方に変化はあったか。
・変化があった・・暗黙知の伝播の仕方にどのような影響がありそうか。
・知識の新しい結びつきが生まれる機会は減っていないか。
これらの問いに答えるために、自分の人的ネットワークの棚卸して、もし胸を張って「YES」と言うことができれば、弱い紐帯の人的ネットワークをしっかり築き上げていると言えるそうだ。つまり、新しい会社でも引き続き、結果を出せるかもしれない。もし、そう言い切れないのであれば、自分が持っている人的ネットワークを改めて考えてみたほうがいい。
〔パクリの実〕
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