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成果の出る会議の特徴④(問題ではなく成長の機会に時間を割く)

私は経営コンサルタントとして、年間150回以上の会議に参加(自社の会議を除く)した経験を活かし、成果の出る会議の特徴について自分なりにまとめています。

四つ目の特徴は「問題ではなく成長の機会に時間を割く」ということです。

会議では様々な議題が挙がり、それについて議論が行われます。

しかし、放っておくと“会社の問題をどう解決するのか”という議論に終始してしまうことがあります。それに何か問題があるのか?と考える方も多いかもしれません。

問題とは、事業で言えば社会のニーズが減ってきており、長年赤字が続いている事業をどう立て直すのか?人材面で言えばパフォーマンスの低い社員の生産性をどう高めるのか?のような議題です。

確かに赤字続きの事業やパフォーマンスの低い社員をどうにかしたいという気持ちは分かります。しかし、そのような問題ばかりにフォーカスし、議論していては会社は大して成長しません。成長したとしても売上高前年比105%程度ではないでしょうか?
それではどうすれば良いのか?それは会社が成長する機会にフォーカスすべきなのです。事業で言えば社会のニーズが高まり成長している事業を更に成長させるためにどうするのか?人材面で言えばパフォーマンスの高い社員の生産性を更に高めるためにどうすれば良いのか?またはパフォーマンスが向上している社員をどうやってハイパフォーマーにするのか?ということです。

急成長を遂げている会社においても、問題は沢山発生しています。いや、急成長を遂げているが故に問題は普通の会社以上に発生しています。しかし、成長し続ける会社は問題ではなく、成長する機会にフォーカスしています。だからより成長できるのです。

かの有名なピーター・F・ドラッカーは著書『経営者の条件』で下記のようなことを述べています。
「問題に圧倒されて機会を見失うことがあってはならない。
ほとんどの組織の月例報告が第一ページに問題を列挙している。
しかし、第一ページには機会を列挙し、問題は第二ページとすべきである。
よほどの大事件でも起こらないかぎり、問題を検討するのは、機会を分析し
その利用の仕方を決めてからにすべきである」

問題について議論してはいけないと言っている訳ではありません。優先順位と時間配分の問題です。

私の経験上、問題の議論、特にパフォーマンスの低い社員をどうするのかという話はゴシップ的に盛り上がりやすいし、時間も割かれやすいです。
しかし、そのような問題児が会社を成長するきっかけになることはありません。
経営層の貴重な時間をそんな成長とは関係のない分野に使うのはあまりにも勿体ないことです。

人間は元々強みよりも弱みに目が行きがちです。なぜなら迷惑を掛けられるのが嫌だからです。しかし弱みは努力して改善しても普通になるだけです。世の中に貢献できるのは強みだけです。

以前、息子と一緒に走り方教室のという習い事の見学に行ったことがあります。
そこで居た子供は大きく二種類に分かれます。一つは走るのが得意で更にそのスキルに磨きを掛けたいと思って参加している子。もう一つは走るのが苦手で少しでも早く走りたいと思って参加している子です。
この辺りは多様な価値観や考え方があると思うので、何が正しいと一概には言えないと思いますが、個人的な考え方としては後者の苦手な子は他に得意なことを見つけてそれを習った方が良いのではないかと思います。なぜなら走るのが苦手でも他に絵でも音楽でも工作でも得意なものに時間を投資した方が強みを活かして実績を挙げ、自己肯定感も高まるからです。
コンプレックスを克服させてあげたいと思う親心も理解できますが、苦手なことを続けるのは本人としても結構きついのではないかと思います…。

会議では自社の問題にフォーカスして弱みを克服するよりも、成長の機会にフォーカスして強みを更に伸ばすという時間の使い方をすべきだと思います。

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