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英語が話せるようになったら海外旅行に行くと言っている人は、結局海外旅行に行けない
先日、ある企業の来期の経営計画を検討する会議に参加していました。
この企業は他社と比較して明確な強みがあり、私としては今後大きく成長できる企業だと考えている会社の一つです。
この企業のサービスが広がることで取引先のコストを下げることができるだけでなく、地域社会の利便性が向上させることもできます。10年間で現在の地域のシェアアップと新しい地域での展開をスタートさせ、結果的に2倍の規模にするという長期ビジョンを策定しています。
ここ数年、人材も充実してきたこともあり、個人的には来期は展開エリアを拡大するために攻めのスタンスで経営をすべきだと考えていました。
しかし、ある役員が拡大の方針に異を唱えました。様々なコストが上がってきている中で、拡大は時期尚早ではないか、まずしっかり価格転嫁をして収益性を高めてから拡大を考えるべきではないかという考えです。
その役員の言うことも最もです。ここ数年で様々なコストが上昇しており、以前と比べて収益性が悪化しています。しかし私としては、そんなノンビリ考えていたらいつまで経っても成長は無いと思います。
企業が規模を拡大するということはある意味リスクです。投資が必要なこともありますし、人も雇わなければいけません。管理も複雑になりますし、新規業務はトラブルが起きることも多いです。しかし、これなら成長に舵を切っても大丈夫という前提条件が全て揃うことはほとんどありません。成長してきた企業の多くは前提条件が揃う前に規模の拡大を決め、その中で何とか前提状況を揃えながら成長してきています。逆に言うと、やると決めたからこそ必死になって前提条件を揃えるのです。
海外旅行に行きたいという人に、行けば良いのでは?というと、英語が話せるようになったら行こうと思うと答える人がいます。こういう人は大体いつになっても英語が話せるようにならないし海外旅行に行きません。また、話せるようになったら海外旅行に行く環境ではなくなっていることもあります。
むしろ、海外旅行に行くと決めれば慌てて英語の勉強をするかもしれませんし、勉強が間に合わなくても現地で身に付くことも多いです。
事実、この企業では業種柄長年人手不足に悩まされていました。数年前から賃上げの話題が出ても、まず賃上げの原資を確保してからという話になり、その間に他社との賃金格差が大きくなり現場の社員が続々と退職していきました。その後、現場で派遣社員の比率が異常に高まり収益を圧迫する状況になったこともあり、大幅な賃上げを実施。その賃上げの原資を確保するために価格改定の目標を定めて落としこんだところ一気に価格改定が進みました。
やるための前提条件が揃うまで待っていてはいつまで経っても動き出せません。動くと決めるからこそ前提条件を揃えるために必死になるのです。
ノンビリしないためにもやると決断することが大事です。