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成果の出る会議の特徴⑤(議題に対する”Yes”Or”No”をハッキリさせる)

私は経営コンサルタントとして、年間150回以上の会議に参加(自社の会議を除く)した経験を活かし、成果の出る会議の特徴について自分なりにまとめています。

五つ目の特徴は「議題に対する”Yes”Or”No”をハッキリさせる」ということです。

会議に出てよく感じるのは、参加者のスタンスが曖昧でどっちつかずの意見が多いということです。例えば、『この制度を導入すべきか?』という議題があったとします。それに対して参加者に意見を求めると、「競合他社でも導入している事例が増えてきているので、わが社でも検討する時期が近付いているのでは・・?」とか「社会情勢からしてもそういった社員のニーズは高まってきている気がします・・」という意見が出ます。
そのような曖昧な意見だと、導入に賛成なのか反対なのか、本人としてどうしたいのかがよく分かりません。そのような際、私は導入すべき、すべきでないか”Yes”か”No”で答えて、その理由も述べてくださいと突っ込むようにしています。なぜならそのような曖昧な意見が多いと議論が深まらないからです。私としては専門的な知見を持ち社内の事情も熟知している経営幹部のどの程度の割合の人が導入すべきだと思っているのか、そしてなぜ導入すべきだと思っているのか自分の責任のもとで意見を出して欲しいのです。曖昧なスタンスで発言することは私として責任逃れだと思います。曖昧なスタンスだと対立や葛藤が生まれにくいし、ズレたことを言っているなと批判されることも少ないからです。明確なスタンスの意見があるからこそ、対立意見を持つメンバーとの議論が発生し、そのような議論があるからこそこれまで気づかなかった視点や代替案に気が付くことが多いのです。
ピーター・F・ドラッカーは著書『経営者の条件』の中で「意志決定において意見の不一致こそが問題への理解を促す」、「重要なことは、意見の不一致が存在しないときには決定を行わないことである」と述べており、何かを決定する過程では意見の不一致が必要だと言っています。このようにスタンスを明確にすることで、活発な議論になり正しい意思決定に繋がるのです。
またスタンスが曖昧な発言をしている人は本当の意味で深く考えていないことが多いと思います。どっちつかずの意見であれば責められることもないので、表面的な言葉を見繕ってその場をしのごうとします。しかし、明確なスタンスで結論を出すことは責任を伴うので、その際は自分なりに真剣に考えて発言をするようになります。

このように「議題に対する”Yes”Or”No”をハッキリさせる」ということを意識した進行を行うと一気に議論が活発になり、成果の出る会議になります。

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