能登半島地震におけるボランティア人数は熊本地震のわずか12分の1
今週、仕事が入っていない日があったため能登半島地震の災害ボランティアに参加してきました。実際に参加して感じたことは、被害が大きいのは思ったよりも局地的で金沢市や富山市はほぼ日常に戻っていること、被害が酷い地域は想像以上に深刻であること、そして瓦礫の撤去などまだまだ進んでおらず相当時間が掛かりそうだということです。
地震発生から2カ月が経ち、被害エリアも局地的な割に作業があまり進んでいない要因の一つにボランティア活動者が少ないことがあると思います。最新の累計活動人数は不明ですが、社会福祉法人全国社会福祉協議会のサイトによると2月2日(金)までの発生から1カ月の延べボランティア活動者数は4506人(新潟県1567人、富山県1634人、石川県1303人)となっています。これは同期間の熊本地震(4月14日発生、5月15日時点)の5万2093人の約12分の1、東日本大震災(3月11日発生、3月人数+4月人数×0.5、岩手県・宮城県・福島県3県合計)の14万4886人の32分の1という少なさです。
発生から2カ月を過ぎた本日(3月3日)分のボランティア募集はどうかというと、被害が一番酷く石川県の災害ボランティアの事前登録者向けの案内を見ても日帰り・一泊二日合わせて135人とあまり増えておりません。
現場ではマンパワー不足で作業が進んでいないのになぜボランティアの人数が増えないのでしょうか?
ネットニュースなどを見ていると被災地に行くことが迷惑になるため、自粛ムードから人数が増えないなどいう意見を見ますが、私はそうは思いません。ボランティア事前登録者数は2月中旬には2万5000人を超えており、一週間毎に実施される募集は5分も立たずに募集を締め切るプラチナチケット状態が続いています。現地で連日活動しているボランティアの方からも明日は応募が間に合わなかった・・という声をよく聞きました。
また道路の問題で渋滞が起き緊急車両に影響が出るという意見も聞きます。これについても元々奥能登に行くルートは限られており、主要道である、のと里山海道も崩落により片側通行区間などありますが、参加当日は目立った渋滞もありませんでした。現在稼働しているボランティアバスで30~40人を一台で運ぶ方法であれば大きな影響は出ないと感じます。
それではボランティアの人数を受けいられない一番の要因は何か?それは受入側の体制が不足していることではないかと個人的に感じています。勿論、現地にいるスタッフは過酷な状況のなかで一生懸命です。しかし、やはり人数不足は否めません。日々入れ替わり立ち代わり色んなボランティアが来るなかで安全に作業をするしてもらうために基本的なことを説明するのは骨の折れることです。そのような状況の中、少ない人数で対応するのは限界があります。そのため現在の受入側の人数ではきっと今の受け入れ人数が精一杯なのだと思います。私が参加した日も名古屋市の職員の方が応援に来ていましたが、本気で集めれば全国の自治体からもっと人を呼べるのではないかと思います。自治体にとってもいつ同じような状況になるか分からない中で、被災時対応の良い経験になると思います。是非、全国の自治体から人を募り、ボランティア受け入れ人数を増やして欲しいと思います。
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