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おじさんの惑星に生きる

僕は、おじさんの世界はコロナ禍を経て淘汰されるもの、あるいは細々と続くけど衰退する世界だと思っていた。そう信じたかった。そして脱おじさんをしたかった。それが正義だと思っていた。

おじさんのいない世界に希望を抱いていたのだ。

ところが人類総おじさん化計画がゼーレによって進められていた。医療の発達により100年時代、超福祉国家を目指すしかないのだが、そこにあるのは量産型おじさんで地球上の7割がおじさん化するという、まさに人類という種がニヤリーイコールおじさんな未来が我々には待ち構えていると柳瀬博一は言うのだ。

「その未来を受け入れろ、それがファクトだ」と柳瀬氏は言う。お前は碇ゲンドウなのか?影の支配者であるオジゼーレと結託でもしているのか?Sound Onlyだけに。

僕は愕然とした。
日本だけが昭和96年なのではなかった。先進国の全てがオジネイションに向かっているのだ。

おじさんを受け入れるとさまざまな意味で居心地良い。おじさんインぬるま湯である。体は衰え腰や肩は痛いけど、「ああ、いつまでもおじさんでいたいなぁ」と思ってスナックに通い、ママにモテてると錯覚するが楽しいと柳瀬氏は開き直った挙句に「だからこれからはおじさんではなくおじいさん。それぞベストポジション・オブ・マイライフ!」と僕にドヤってきたわけだ。

確かに少しずつ老いるショックを感じ始めていて老眼鏡の必要性を感じている僕は思わず「え!わたし、おじいさんを目指すの!?もう!?」と豆鉄砲を喰らった鳩のように答えた。するとやな某は「いや平野さん、目指すんじゃなくて今なるんです!」とやたらとBeおじいさんたれとおじいさんの素晴らしさを語ってくる。おじいさんの方が可愛がられるぞなんて計算高いことも言ってくる。

やめてくれ。僕はまだ47歳なんだ、おじいさんにはさすがにまだ早い!と反論するも「老いる力、降りる勇気」と言ったパワーワードを繰り出してきて、もはや僕は虫の息だった。

諸君、わたしは今、深い絶望とともにある。

憎きおじさんから逃げることを諸君らには告げたつもりだ。ところが、世界には逃げても逃げても行く先々におじさんがいるという。この地球がおじさんで満たされる日も近いと言う。オジ惑星になるのか。

今日より明日、来年よりも10年後、よりこの惑星はおじさん的サピエンスで埋め尽くされる運命になると言う。わたしが今日おじさんをやめても、その何倍ものおじサピが毎秒生まれているのだ。

柳瀬氏は「受け入れろ」と言う。
ならば僕はここではっきりと言おう。
僕は絶対におじさんになんかならない!
おじいさんにもまだ早い!
僕は機械伯爵を倒す!最後は機械化星の一本のネジになろうとも、絶対に負けないよ!メーテル!!

#おじさんの世界

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平野友康 (Teleport)
甘党なのでサポートいただいたらその都度何か美味しいもの食べてレポートします!