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22年前、地球一周したころ(3)

東京・晴海港を午後に出航した覚えがある。
それから、わたしはずっとずっと夕方まで甲板にいて、海を見ていた。
少し日が暮れ始めてから、私は四人部屋に向かっていった。
段ボールが届いていたから、開梱しなければならない。
段ボールの一つは、結局最後まで私のベッドの一部の場所を占領したままだった。
私は身が細いので、それでも睡眠をとるのに不自由はしなかった。

同部屋の男三人の仲間は、年の頃もほぼ一緒だったから、ほぼ気を使った記憶はない。そのうちの一人は、今から6年前、つまり2016年10月に四十半ばを前にして他界している。

初日のディナーは同部屋の4人で食べたと記憶している。

これから3か月間も同じ部屋で過ごすのだから、仲間の性格は大事だが、変な奴がいなくてよかった。めんどくさいことはなかった。少し歯ぎしりがうるさくて閉口した以外は(笑)。

地球一周の船旅の費用は130万円くらい払っている。

私が地球一周の船旅に参加する決断の後押しをしてくれたのは、
2000年の誕生日、つまり28歳になる4月10日に、
当時付き合っていた女性に別れを告げられたことだ。

このことのお陰で、私は日本に未練を残すことなく、旅に出る決断を、
迷わずすることができた。本当にありがたいことだ、と今なら素直に感謝できる。

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