東大に落ちたことをなじられ、親父を突き飛ばした日
私は人生で一度だけ、父親を突き飛ばしたことがある。
東大合格発表を受けた3月10日である。
一浪のときか、2浪のときか、三浪のときか。
正確には覚えていない。
私は自分の弱さを隠そうとした。
自分の弱さに向き合うことを極端に恐れた。
お父さんは私の東大受験に関して
「人が10時間勉強するなら、自分は15時間やれ」
と言った。
学歴が中卒であり、受験勉強の経験のない父親の言葉に、私は反発した。
「やったこともないくせに、何を言ってるんだ」
それが私が反発する理由だった。
そんな親父が2020年の大晦日に他界した。
今日は2022年9月14日だから、親父が他界して
1年9か月になる。
それから時間が経ち、様々な経験をさせていただいた。
その渦中では、苦しいことも多かった。
苦しいことばかりだった気もしなくもない。
今日、瞑想をするなかで、改めて親父の愛の深さに気づくことができた。
そして、私の生きる目的も。
苦しいことが多かった人生。
多難な人生と言えば、言えるかもしれない。
そのすべての経験は宝である。
そして、これまで五十年の人生に起こったこと。
そのすべてに感謝である。
私はこの肉体を使って経験してきたことを使って、
世の中に、世の中のみなさんに貢献していこうと思う。
しあわせ感にあふれているわけではない人。
どこか生きづらさを感じている人。
それどころか、自分が不幸だと思う人。
生きるのが苦しい人。
心身体に不調がある人。
自分を好きになれない人。自己嫌悪の人。
自殺したいと思っている人。
これらのすべては、いま以前の私が経験してきたわたしである。
だからこそ、あなたに贈ることばが、私にはある。
あなたの救いとなる言葉を
私は愛をもってあなたに差し上げることができる。
自分の弱さに向き合う準備ができたわたしは、
再びおとうさんを突き飛ばしたあの場面に立ち還ろう。
東大合格発表の3月10日である。
東大不合格をなじるお父さんの言葉を私は受け止める。
たしかにお父さんがいうように、1日15時間の勉強はできなかった。
人の1.5倍の努力はできなかった。
おっしゃるとおりだ。
だけど、勘弁してくれよ。
努力が足りなかったから、合格を勝ち取ることはできなかった。
それはその通り。
だけどさあ、俺は俺なりにがんばったんだぜ。
それでも落ちたんならしょうがない。
それもわかる。
だけど、思春期で、精神的に不安定ななかで、俺なりにはがんばったんだ。
それを少しはわかってくれないか。
なんとか勘弁してくんないか。
俺のなかなかたいへんな人生はこのあともしばらく続くんだし(笑)。
親父が「俺のいうとおりやらないから失敗するんだ」と言われれば、
本当にその通り。言い返す言葉はないよ。
だけど、親父のいうとおりにやるって、けっこう大変なんだぜ(笑)。