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golchiki
外回り営業中に2時間以上、ベンチでぼーっとしていた1998年冬(4)
半年しかいなかった出版社だが、2度も出張に出してくださった。
名古屋と大阪だ。
もちろん単身出張だし、旅費もかかる。
いま思えば、それだけ信頼も期待もされていたという証しだと感じるし、
ありがたいと思う。
今日、引退発表があった福留孝介が社会人を経てドラフト1位でドラゴンズに入ろうか、という年だ。
私は第一には阪神ファンだが、どちらかというと中日とか広島とか、
西日本のチームにシンパシーを感じる。
なぜだかはわからない。
親父がアンチ巨人だったというのも共通する血を感じる。
昼ごはんは、名古屋駅からそれほど遠くないところで、
どこかの公園のラウンドになっている階段で食べたのは覚えている。
夜は夜で、ホテル近くの定食屋に入って、生姜焼き定食か何かを地味に、
独りで食べたのを覚えている。
質素な生き方だった。
たしか1泊だけだったはずだ。
何曜日に行って、何曜日に帰ってきたのか、覚えていない。
直行直帰だったと記憶しているから、あさ、家を出て新幹線に乗り、
翌日も夕方まで名古屋で営業活動をして、そのまま自宅に帰宅したか。
もちろん、名古屋は大型書店がたくさんあるから、数字も取れて楽しかった。
普段東京では電話だけでやりとりしている書店本部の仕入れ担当の方にも
実際にお会いしてご挨拶することができてよかった。
たしかこの時は、カメラも持っていったから、街中のオブジェなどを見て、
撮影しながら街を歩いた。
もちろんまだフィルムの時代で、デジカメは出始めてはいたが、まだまだだった。
カメラ販売員としてもたくさん売った、リコーのGR-1という高級コンパクトカメラだった。
リコーGR-1は、考えてみれば私がもっとも愛したカメラかもしれない。