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CIO,CTO,CDOとは
CxOという役職があふれていますが、その中でも中核を占めるのが、CEO、COO、CFOそしてCTO、CIO、CDOです。ここで、いつも問題になるのがCDOのDはDigitalかDataかという点です。両方を兼ねるという点でCDDOという役職を設置している組織もあります。また、Officerが付かないスペシャリストとしてChief Strategist、Chief Architectという専門職的なエグゼクティブポジションもあります。
実質的な面も含め、CIO、Chief Strategist、Chief Data Officerをしてきた経験から、これらの整理をしてみます。(諸般の事情で、実質はCIOやCDOだけど、類似の他の肩書を使っていました)
CxOの基本的な定義
CxOの定義は決まったものがありません。ほかの役職同様に、各組織で自由に役割や責任、肩書を定義しています。また、時代によって重要性や役割も変わってきます。
ここでは一般的な定義を見てみましょう。
最近の定義としては、2024年7月Forbsに記事が出ています。
Chief Executive Officer (CEO)
Chief Financial Officer (CFO)
Chief Operating Officer (COO)
Chief Marketing Officer (CMO)
Chief Learning Officer (CLO)
Chief Information Officer (CIO)
Chief Technology Officer (CTO)
Chief Information Security Officer (CISO)
Chief Data Officer (CDO)
Chief Compliance Officer (CCO)
Chief Human Resources Officer (CHRO)
Chief Experience Officer (CXO)
というCxOがラインナップされています。
CIOは、IT全般を見ていて、さらに組織の持つデータの管理をオーバービューする役割も持っています。CTOはもう少し範囲が広く、製品開発や製品を使ったサービス開発などを行います。CDOは、データ戦略からデータの収集、活用、 運用、セキュリティやコンプライアンスを担当します。
テック人材のWebサイトであるTechTargetの2021年5月の記事では以下のように主なCxOを定義しています。
Chief Executive Officer (CEO)
Chief Operating Officer (COO)
Chief Financial Officer (CFO)
Chief Marketing Officer (CMO)
Chief Information Officer (CIO) and Chief Technology Officer (CTO)
Chief Human Resources Officer (CHRO)
Chief Compliance Officer (CCO)
Chief Security Officer (CSO) Chief Information Security Officer (CISO)
Chief Data Officer (CDO) or Chief Digital Officer (CDO)
CIOとCTOの定義はForbsとほぼ同じで、CIOがITシステム、CTOがプロダクトを見ています。(記事は間違えて逆に書いてしまっている)CDO(Data)は、データガバナンスを見ていて、CDO(Digital)はもう少しビジネスよりのように書いています。
国内ではCDOにDesignを使ったりCPOでProductに注目したりすることもありますが、国際的にみると主要なCxOは上記の10個くらいになります。
CIOとCTOとCDO
まずCDOをDigitalとした場合、様々な資料読みましたがCIO、CTO、CDOに大きな差はなくて、それぞれ名前の分野を軸にイノベーションに向けて頑張ろうという感じです。そして、レポートラインも、直接CEOだったり、CIOがトップだったり、CTOがトップだったり様々です。しいて言えば、CDOが新参者といった感じです。
CDOをDataとした場合にはちょっと様相が変わってきます。そもそもCIOはITの責任者と思われることが多いですが、実は「Information」の責任者です。「人」、「もの」、「金」に「情報」を加えて経営をしなければならないという考えのもの元、CIOは情報資産の価値を経営に生かしていく必要がありましたが、情報部門の責任者がCIOになることが多く、CIOは情報システムの責任者というイメージになってしまいました。
そうした中でデジタル技術やデータの重要性や専門性が高まったため、分業してCDO(Data)が出てきています。CISOもそうです。セキュリティの重要性や専門性の高まりからCIOの役割が分化しています。
CDOはDigitalかDataか
デジタル革命とかARとかドローンとか先進技術やコンセプトが次々と出てくる中で、それらのデジタル技術をどう組織に取り込み改革を図っていくかということを考え最初はDigitalが優勢でした。
一方、重要資産であるデータを扱う点、時間軸をロングスパンで見なければいけない点、サプライチェーン全体を見渡すという点から、最近はDataが主流になってきているようです。
前出のForbsの記事でもCDOはDataですし、TechTargetでもCDOをDataとDigitalで併記しているものの、Dataを先に書いていますし、DataのCDOは別途解説ページがあるなど、Dataに重きを置いているように見えます。
CDOの役割も変化
ここからはCDOをChief Data Officerとして書いていきます。
CDOの役割も変わってきました。
CDOは組織内のデータの管理者であり、レポートラインもCIOへレポートという、Csuiteの中でも下のほうの位という位置づけの説明をしているものもよく見かけましたが、海外の先進CDOを見ると最近のCDOはもっと企業の中核的な役割を担っています。
CDOがマネージしているものは、企業の重要資産であり、意思決定の根源であるデータです。
過去数十年のデータを使えるようにし、将来数十年問題なく使えるようにし、データのサプライチェーンであるセンサーデータから他社へのデータ提供、その後のフォローまで、グローバルにデータを見る必要があります。
産業横断のデータも増えてきており、幅広い領域を見渡し調整する必要があります。
そして、各国の法令から標準、セキュリティにも目を光らせる必要があります。
このように広範な業務範囲で各部門に波及する事項も多く、動きが速いことから、レポートラインもCEOへ直接レポートをすることが多くなっています。
CDOはもっと重要になっていく
CDOの役割の一つに、ビジネスでのデータ活用があります。今は、どの組織においてもAIの活用の検討が進められています。CAOやCAIOのようにAI専門の責任者を置くこともありますが、多くの企業ではCDOがその推進やガバナンス確保をしていくことが多いです。
また、AIへのデータ供給も必要なのですが、それ以外の目的にも、これからはもっと大量のデータが入手可能になります。その資産管理、品質管理なども必要になります。
さらに、来た技術やデータにパッシブに対応するのではなく、現場が従来使っていなかったデータを集めたり、従来からある機器にセンサーを付けて新たなデータを発掘するなど、アクティブにデータを取りに行くこともあります。
従来の現場視点ではなく、データというビューで物事を見ていくことで新たな発見をできることがあります。
CDOを目指してみませんか
CDOはAI活用やドローンなど華々しくフロントサービスを飾るものではないので、CEO、COO、CFOもなかなか重要性に気が付いてくれません。しかし、間違いなく今後のデジタル社会の中核を担うポジションです。成果が出るには時間がかかりますし、その道のりはいろいろ大変ですが、組織やサービスの土台を作り成果が出たときには大きな効果を生み出すことができます。
CDO間の連携も重要ですので、ぜひこういったコミュニティも参加してみてください。
まだ国内にはCDOの体系だった資料や経営視点のデータマネジメントの資料などもほとんどないですが、データ経営の簡単な資料として「経営者のためのデータ経営読本」は参考になると思います。これからもCDOに関する考え方を整理していこうと思います。