見出し画像

おとなになって初めて食べたもののこと

欠点とも呼ぶべきか、チャームポイントとでもごまかすべきか悩ましいですが、どうやらわたしは食べたことがないものがとても多いようです。

薄々その自覚はありました。

「うお〜っ、これ初めて食べました!」と感想を言うたびに「えっ、一体何食べて育ってきた?」と返されることが多いこと。

好きなものばかり食べてしまうこと。たまごシールをたくさん集めたいモードのときはたまご料理ばかり作ってしまうし、外食に行けばいつも同じメニューを頼んでいます。

いやでもね、良くないんですよね。だって、食べたことないものでも美味しいものはいっぱいあるから。

偏食で苦手な食べ物は多いけれど、食に対してチャレンジする気持ちは持ち続けたい。その気持ちを忘れないように、おとなになってから初めて口にした食べ物の記録を書き残すことにしました。

まだ食べたことのない人がいたら、ぜひ参考になると嬉しいです。なるかどうかはちょっと分かりませんが、率直なその時の感想を書いておこうと思います。


昆布茶

早速食べ物じゃなくてすみません。
たしか昆布茶を初めて飲んだのは20歳くらいのころでした。

てっきり緑茶味の昆布風味かと思うじゃないですか。
違うんです。昆布味の昆布ジュースなんです。

初めて飲んだ感想は「味噌の入ってない透明な味噌汁みたいで美味しい!」でした。

美味しいよねえ。今ではカルピスソーダと同じくらい大好きです。


魚肉ソーセージ

これは本当に驚き大賞。魚肉ソーセージもたしか20歳くらいのときに初めて食べました。
布団みたいなふかふかな柔らかさ、魚味のソーセージ。

わたしは牛肉アレルギーでお肉があんまり得意じゃないので、一般的なソーセージもそこまで好んで食べることはありませんでした。

だけど魚肉ソーセージはわたしのすきな魚の味がします。天才だ。きっと発明した人は、「みんな肉が好きなんだから魚のソーセージなんか売れるわけないだろ」と言われたに違いません。
そんなことないよ!!と言い返してやりたい。

ちなみに魚肉ソーセージはわたしの20代を心強く支えてくれた戦友です。激務だったときは駅のホームでソイジョイを持つふりしながら、魚肉ソーセージを食べていました。お腹にたまります。あと結構ソイジョイに見えます。
デスクワークしている時も夕方ごろになると、ソイジョイに見せかけてよく食べてました。


セロリ

まずセロリが何なのか知りませんでした。
母が唯一あまり好きじゃないと公言していた食べものだったので、そんなの絶対まずいに決まってます。

「緑の野菜でとにかく想像を絶するまずさ」というイメージでした。

ところがどっこい、あらなんとまあ美味しい味。もしかしたらパクチーが食べられるようになった後出会ったからかもという気がしますが、初めて食べた時は「パクチー」と「綺麗な水が流れている川」と「窪田正孝くん」を足して3で割ったらセロリになるんだろうなあと思いました。


アボカド

なめらかな無味。緑色の無味です。なめらか味?

たぶんアボカドは22歳くらいの頃に食べました。アボカドは皮をむいた姿しか知らなかったので、スーパーで皮付きの「アボカド」と売られているのはいつも偽物だと思い込んでいました。
しかし、あの姿こそ仮の姿だったのです。

醤油を垂らすと、醤油風味のなめらかな無味でより美味しくなります。


砂肝

塾講師のアルバイトをしていていた学生の頃、中学生の女の子に「一番好きな食べ物は?」と聞いたら「砂肝」と返ってきて度肝を抜かれたのが砂肝との出会いです。

砂味の肝?こわいなあ。と思った気持ちと、本当に全く聞いたことのない日本語だったのでものすごくすごそうな食べ物だ、と興奮したのを覚えています。

後日、他の講師の先輩と鳥貴族で初砂肝デビューしました。
強情な鶏肉って感じでとっても美味しかったです。

今では砂肝は一番好きな串のメニューです。教えてくれてありがとう。


カンパリ

これも飲み物なんですが、衝撃が大きかったので記録用に挙げました。こんなに「美味しいか美味しくないかで言ったら、いやでもどちらでもない」みたいな味ある?!ってびっくりしました。

なんていうか、地球とか大地を圧縮したみたいな味ですごい。

一番好きなお酒です。


タピオカ(ミルクティー)

タピオカブームがくる直前くらいに初めて飲みました。
「弾力のあるポイフルだ」と思いました。わたしは歯と顎が弱いのでちょっと苦手でした。


メロンパン

正確に言うと初めて食べたのは高校2〜3年生の頃です。同級生の仲良しの子が購買のパン屋さんで、毎週金曜日だけ販売しているチョコチップメロンパンが美味しいよ、と分けてくれたのがきっかけでした。

パンとクッキーがくっついている異常な美味しさに雷に打たれるような衝撃を受けたのを今でもよく覚えています。

それでもしばらくはコンビニのメロンパンしか食べたことがなかったのですが、色々あってメロンパンフェスをやることになり、イベントをやるためにようやく初めてパン屋さんのメロンパンを食べるようになりました。

5年後にメロンパンの専門家として取材を受けたりテレビ番組に呼んでいただくことになるとは。これまで出会った中でいちばん人生を変えられた食べ物です。


あんぱん

メロンパンだけではなく、そういえばあんぱんも食べたことないのでは?!と気づいた25〜26歳。
メロンパンより美味しかったらどうしよう、と内心心配でしたが、想像通りパンとあんこの味でした。ふ〜。
でもおまんじゅうとも違う、パンの塩気と食感とあんことのバランスが新しくて、やっぱり初めて食べる食べ物だなと思いました。

まだ人生で3回しか食べてないので、おすすめのあんぱんがあったら食べてみたいです。


小籠包

去年の12月、友だちの結婚式の帰りに横浜の中華街で初めて食べました。

「テスト対策をしっかりしてきたのに、いざテストを受けてみたら余裕すぎて実力が出しきれなかった餃子」みたいな味がしました。美味しかったです。また食べたいなあ。


マロニー

いつか忘れたけど実家で食べた記憶がないのでおそらく初めて食べたのは20〜22歳です。
寒天に擬態した糸こんにゃくというか、がんじょうな春雨みたいな感じで美味しかったです。


さけるチーズ

幼少期にたんぽぽの茎を割いていたときの感情を思い出します。
最初は思ったよりうまくさけなくて、「慣れるとうまく」さけるチーズなんだなと気づきました。


ツナマヨのおにぎり

今働いている、下北沢に4月オープンしたBONUS TRACKのANDONさんで最近初めて食べました。
ツナもあんまり食べたことないので、ツナマヨは味の想像もあまりつきませんでした。
結果、「お、おいしい〜〜!ツナとマヨって合う〜〜〜!」ってなりました。まろやか味。次はコンビニのツナマヨにトライしたいです。


これから食べてみたいもの

フルーツサンド
なんか果物と生クリームをはさんだサンドイッチがあるらしいんです。サンドイッチってお昼とか朝とか、軽めにごはんを済ませたい時に食べる存在だと認識してるんですが、フルーツサンドって食べるのはいつ...?おやつ?

食べるタイミングがいつも分からないせいか、人生に登場してきません。30歳までには食べたい。

富士そば
コロッケとかタピオカが入ってたりするみたいです。違ったかな。あとお店の回転率がめちゃくちゃいい?っていうのも聞いたことがあります。そばは小さい頃消しゴムみたいな味がするなと思って苦手だったんですが、最近すきになりました。

鰻屋さんのうな丼
鰻は食べたことあるんですが、スーパー以外の鰻はなんか違うらしいです。
鰻の味って覚えてないなあ。鰻っていう概念味というか。概念味?

カツ丼
牛肉だけではなく、揚げ物も実はあまり食べられなくて。とんかつは食べたことがあるんですが、思い返してみたらカツ丼は食べたことがありませんでした。カツをたまごでとじたやつですよね?
食べ過ぎるとお腹を壊してしまうので、誰かがカツ丼食べるときに一口もらいたいなあ。


食べることの楽しさ

もともと食べることはすきでしたが、より一層食の楽しみを教えてくれたのは母でした。


生まれつき心臓病だったわたしは、中学に上がるまで毎年定期検診に行っていました。
病院は暗く、待ち時間も長く退屈な場所です。

それでもいつも、普段めったに外食しない母が、検査の帰りにはいつも兄と弟には内緒だからね、とちょっと素敵なお店に連れていってくれるのが楽しみでした。
検査の日がくると、終わった後のごはんに何を食べられるかということばかり考えていました。

家族の誰よりも食べることがすきなのは、母にいろんなお店へ連れて行ってもらって、食の世界が広がったから。


そして、今になって気づいたんです。母は、これからも病院に行かなくてはいけないわたしが不安にならないように、先に楽しみをつくってくれていたんだと。

おとなになって、東京の病院で検査をひとりで受けに行って、初めてこんなに心細いものだったんだと知りました。

次にひとりで検査に行くことがあったら、ぜったい帰りに行く美味しいごはん屋さんを事前に調べておこうと思います。



美味しいと分かっているものを食べるのはもちろん幸せなことですが、食の楽しさを自ら狭めてしまうのはもったいない。

なんだかんだセロリは母の影響で食わず嫌いでしたが、これからもいろんなものを食べてびっくりしたり、明日の楽しみを増やしたりしたいなと思います。



おしまい🥑



いいなと思ったら応援しよう!