フラワードラムソング 観劇感想②

全公演終わったことだし、内容に触れた感想など。

余談ですが、感想を書くタイミングって考えちゃう。
何度も上演が繰り返されているものなら、話の筋はネタバレも何もないんですけど、初演ものは悩む。
というのも、自分があんまり情報を入れて観たくないタイプなので…公式の情報(例えば歌唱の一部とか)は欲しいけど、個人の方の感想はそれに左右されたくないので入れたくないのです。
そんなことを言いながらツイッターで自分はぶちまけたりするんですけど。

閑話休題。

フラワードラムソング、個人的には暗の部分が突き刺さってしまい、あ~(頭かかえ)な感想を持ってしまったのですが、おそらく明の部分にスポットを当てると、王道ミュージカルとしてほっこりするものじゃないかなと思います。

私、なんか今とても優しい気分なので(笑)、珍しく優しい目線の感想を書いてみようかなと思います。

軸となるのはワン・ターとメイ・リーの恋物語。
しかし、私はこのワン・ターの気持ちがイマイチよくわからない。よくわからないが今優しいので考えてみた。

演じていた古屋さんは全くの初めましてで、失礼ながらグループも全く存じ上げません。
桜井玲香ちゃんの方も5、6年ぶりに拝見したので、感想には中の人の人となりは全く関係ありません。あしからず。

ターはチャイニーズアメリカンとして2歳のころ本国からアメリカに渡った青年。
古屋さんはこのアメリカナイズはされているけど、どこかチャイニーズさは残る雰囲気をうまく演じていらっしゃったと思います。
アメリカ生まれのアメリカ育ち、フランク莉奈ちゃん演じるリンダとの差が醸し出されてました。

桜井玲香ちゃん演じるメイ・リーは中国の混乱から逃れてきた、生粋の中国人。
中国とはかけ離れた行動を目の当たりにし、目を白黒させて刺激に驚く姿が上手いなぁと思いました。男女の関係については、中国の奉献社会とアメリカのオープンさの違いにパニックを起こす姿が、おぼこくて可愛いなぁとなりました。

で、このワン・ターなんですけど、リンダに片想いしているのもあって、メイ・リーに対する行動が酷いんですよ!
1幕終りには「おまえという男は~(怒)」という気持ちで終わります(笑)
女の子の純情もてあそびやがってと腹が立ちます。
結論を先にいうと、この二人は上手くいきます。
でも、ターがなぜ心変わりしたのかは、1回目では正直よくわかりませんでした。
は?変わり身早くない?!とすら思います。
この辺りは脚本が雑なのか、私の恋愛偏差値が低いからか。

でもわかりたいなと思ったので考えてみた。
キーとなるのは
「花売り娘が学生を神様に変えたんじゃない、最初から学生は神様だったんだよ」という台詞なのかなぁと思ったのです。
これ劇中に登場する京劇の中の台詞らしいのですが、その京劇の演目がよくわからないので掴みにくいんだよな~。
京劇の解説してくれないかな、うちの推し(岡崎大樹さん)

よくわからないので、あくまで私の想像なんだけど、この台詞を意訳すると
「あなたは元々才能があって、立派な人なのよ。私にはわかる、信じてる」ってことなのかなー。
ターはアメリカ人に成りきれず、かといって中国人としての歴史や社会情勢などにも疎い。
自分が何者なのか、どっちつかずの自分に自信の持てないところがあったのかな。
それを細かい理由はないんだけど(脚本上ね、笑)、有無を言わず「あなたのこと信じてる」とあの大きくて美しい目で真っ直ぐ言われたら、そりゃコロッといくな(言い方)
その前にメイ・リーの一言からショーのアイデアが思い付いたりもしていたので、ディーバ的な存在でもあったのだろう。

ま、いざメイ・リーが自分のもとから立ち去ろうとして、やっと存在の大切さに気づくなど、この鈍感男めが!とは思うのですが。
この展開も王道恋物語なわけですよ。

あて馬存在のチャンが可愛そうですけど。
あて馬がいるからこそ、王道恋物語。

で、けっきょく、ターは母親の面影を追い求めてる部分もあるのかな~、結果マザコ………(自粛)
メイ・リーちゃん、体はちっちゃいけど、なんとなくあふれでる大きな母性は感じ取れたんですよね。
無垢なる母性、これ女の子にとっては最強の武器だよな~。
私は男性じゃないからホンマのところはわからんけど、これに弱い人多いでしょ、ちがう?
受け止めてくれる愛に男は弱いんだな、という結論に達したのでした。

あれ、優しい気持ちで書いたはずなのに、結論は皮肉、笑笑笑笑。

でも、なんかそういう皮肉な目線を持ちつつも、優しい気持ちになるラストの結婚式のシーン。
うん、やっぱ王道ミュージカルだな。


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