フラワードラムソング 観劇感想④

みんな大好きリンダちゃん。
フランク莉奈ちゃんが役柄にピッタリで超かわいかった。可愛いお洋服を着こなし、まさにリアルバービー。
とある回で前方席だったとき、目があったもんね!勘違いとか思わないもんね!もう、めちゃくちゃ可愛かった!

でも、やっぱりリンダにはリンダの重石を抱えてるんだよな~と言動の端々から感じられた。
リンダはアメリカで生れたてチャイニーズアメリカンだから、アメリカ人と同じ環境で育ったはず。違いと言えば見た目だけなのだろうけど。

「アジア系の女の子はハイヒールをはかないと足が長く見えない」って、莉奈ちゃんに言わせるのは無理があったけどね(苦笑)

リンダはハリウッド女優になるのが夢。でも当時、1960年代といえば、かのマリリン・モンローでさえ地毛の茶色の髪を金髪に染める時代。女優と言えばこれ、というステレオタイプがもてはやされた時代。
ハリウッドで成功するには並大抵の努力だけでは無理だろう。
でも、なんとなくリンダのバイタリティーに元気をもらえるような、とても魅力的な女の子だった。
とはいえ、その華やかな光には影があって、だからこそフラワードラムソングは面白いなと思ったわけです。

まず、マダム・リャンとの関係性。
マダム・リャンも元女優、映画には出たものの、群衆の中の叫び役専門。
うーん、暗にチャイニーズ系はそういう役しかこないってことですよね。
おまけに、女優と言うものは、やはり年齢によって左右されてしまう(今はだいぶ無くなってきたけど、それでも…ですよね)
リンダはハリウッドに行く、でもつかんだのはマダム・リャンと同じような叫び役。
そこから抜け出ることができるのかどうかはわからない。
世代を越えても、扱いは同じままなのか。
でもさ~、あのリンダの強さを見てると頑張ってほしい。
「残りの私たちはハングリーなまま」っていう最後の台詞にわりとグサグサきてまして…だって、21世紀になった今でもね………。

リンダがなぜ白人男性とばかり付き合うのか、なぜターには牽かれなかったのかってのも、ターが図星さしてたというか、思いっきり地雷踏んでましたけど。
やはり、白人男性に女性として認められることで、アメリカ人としての魅力が自分に備わっているという自信が持ちたかったのかな~。
ターにいう台詞が"過去を思い出させるような人を選ばない"という訳になっていたけど、"過去"ではなく"ルーツ"という意味ですよね。
チャイニーズアメリカンのコミュニティのなかにいると、自分はいつまでもアメリカ人にはなれないという思いがあるのかなと思って見ていました。
このあたりはほぼ単一民族のなかで、紛れもなく日本人として生まれ育った私には、想像でしかないし、その痛みを100%わかるとは言い難いんですけど。

でも、すぐに簡単に答えのでないことは、みんなで考えていくべきことだと思うのです。
そのために演劇があるのかなとも思ってます。



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