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ハッピーエベレスティング

以前から企んでいたエベレスティング、走ってきました。その内容を記録しておきます。エベレスティングとは、エベレストの標高8848m分を同じ坂を何度も登ってその標高を積み上げる酔狂なゲームです。
https://everesting.com


コース選定

近場で最適と思われる坂、それは神道山でした。Stravaのセグメントで2770climbというなんか適当な名前がついているところで1.13km/86m/7.6%という短い登りです。その特徴は

  • 距離が短い

  • 勾配がきつすぎない

  • 下りがラク

  • 補給ポイントが近い

  • 駐車スペースがある

距離が短いということは反復回数が多くなるというデメリットもありますがそれ以上のメリットが大きい。まず走る時の装備品を減らせます。ボトルは1/3程度入れておけば十分で補給食などは一切持ちません。パンク修理などのツールは持ちませんで坂の上のベース(クルマ)と坂の下に簡易パンク修理キットをこっそり置いておく方法をとりました。ゆえにバイクはサーキットエンデューロ走行時同等の軽量化が図れます。
勾配がきついと感覚的に二乗曲線的に疲れるのですがあまり緩いと標高が稼げなくて走行距離が伸びて時間はかかります。神道山は瞬間最大では12%になりますが途中にほぼ平坦区間があって一息つけるのが助かります。
以前shuさんがエベレスティングやった時に少し一緒に走って、その時に”肝は下り”と気づきました。登る分だけ下る、その下りを安全にストレスなくこなす事が登りよりも重要だと。これはSR600でも感じていたことですね。
補給ポイントは下ったポイントから200m先にファミマがあります。また頂上からすぐはお昼だけ営業ですが食堂:しんとうざん茶店があり、公衆トイレ(夜間閉鎖)もあります。自販機があればベストでしたが。
頂上には黒住教の駐車場がありますがこれも夜間は閉鎖なので頂上付近の道脇スペースに駐車してベースとしました。

ベースのシャトル号

走行計画

ペース配分

去年くらいから何度かこの坂をリピート走してラップタイムの目安を探っておきました。20回も走れば翌日は走れないくらいにダメージは負います(笑)。その結果を踏まえてペース配分と休憩を設定し次の様な走行計画を立案しました。一応エベレスティングの8848mを22時間ほどで通過して25時間+で10000mまで達する予定としましたが…

計画表

日程

走行時期は夏と冬は避けて気温15℃〜25℃の範囲を探りました。夏用ジャージに防寒アイテムを足すかどうかで走れる気温です。暑いと脱水症状でダウンしますし寒いとウェアが重たくなってヒルクライムには不利になります。
当日の予報は終盤日没後からにわか雨がありました。雨量は1mm程度の予報だったのでいつものGORE-TEXレインウェアでしのげると踏んで臨みました(結局全く降らず)。

バイク

Caledonia5

  • フロントホイール:EQUAL40mmリム手組み28Hハブダイナモ

    • タイヤ:Vittoria CORSA N.EXT 28c 5.8bar + TPUチューブ

  • リアホイール:HUNT 50mm

    • タイヤ:Vittoria CORSA N.EXT 30c 5.5bar + TPUチューブ

  • メインライト:Busch + Müller IQ-XS friendly

  • 補助ライト:CATEYE VOLT400NEO + 3.4Ahバッテリー

  • リアライト:CATEYE Tight & OMNI3 Auto

  • GPS:Garmin Edge840Solar

  • ボトル:CAMELBAK PODIUM CHILL + ステンレスボトルのキャップ

  • トップチューブバッグ、サドルバッグ、マッドガード、ツールケース、ワイヤーロック無し

飲みやすいステンレスボトルのキャップだけ流用

ウェア類

  • ジャージ:夏用長袖ジャージ:AudaxJapan BRM300km百周年記念、半袖ジャージ:AudaxJapan BRM200km百周年記念(いずれもオンヨネ)

  • アンダーウェア:MILLET ノースリーブ

  • タイツ:CW-X スタビライクス

  • ビブショーツ:Rapha メンズカーゴビブショーツ

  • 靴下:ワークマン メリノウール

  • シューズ:LAKE CX242

  • ヘルメット:OGK AERO-R2(夜) & REZZA-2(日中)、バイザー

  • 反射ベスト:ACP PBP

  • グローブ:CASTELLI ARENBERG GEL 2 GLOVE

  • 予備(不使用):mont-bell ジオライン L.W.ラウンドネックシャツ、ジオライン L.W.ウエストウォーマー(腹巻)

  • 雨具(不使用):mont-bell U.L.サイクルレインジャケット、バーサライトサイクルパンツ、サイクル レインシューズカバー

補給食&ドリンク

補給食

  • あんぱん、メロンパン(ムッシュ・ド・ムスタック)

  • 薄皮りんご入りカスタードクリームパン一袋4個(山崎製パン)

  • おにぎり(昆布、おかか)

  • バナナ2本

  • ジェル類:アミノバイタルマルチエネルギー2本、MAURTEN GEL100CAF100、WINZONE ENERGY GEL2本、グリコ バランスオンminiケーキ1つ

  • 塩タブレット 2つ

  • XYLITOLガム 1つ

ジェル類、WINZONEは美味しい!

ドリンク

  • ポカリスエット900ml 3本

  • コカコーラ700ml 3本

  • ファンタオレンジ700ml 1本

  • 雪印コーヒー牛乳500ml

  • PET茶 アサヒ颯600ml

  • 水(ほとんど使わず)

  • 氷 2袋

コンビニ食

  • 明太海苔弁当 695kcal

  • 飲むヨーグルト バナナ

  • お茶250ml

ファミマにて

走行編

スタート

前日はなるべくゆっくり過ごし夕食は手間のかからないオムライスを作ります。
いつもより少し早い時間にお風呂入ってジャージに着替えてクルマに乗り込み、コンビニで氷二袋などを買ってクーラーに入れ、予定していた場所に駐車してバイクを降ろしシューズ履いてメット被って、下りの防寒も兼ねる反射ベストを着て準備をして坂を下っていきます。

スタート前

下に降りきったらEdge840Solarをスタートさせて10/26 0:05amにスタートを切ります。そう、この日は私の62回目の誕生日になったばかりのタイミング!

まずは最初の1時間、登りは順調に、下りはスピード落として安全安全とつぶやきながら、それでも想定より早く進行します。パワー心拍を見ながらどちらも上げすぎない様コントロールしてペダルを漕ぎます。Edge840solarの画面は10分割データ画面とサイクリングダイナミクス画面を交互に表示させる設定にしました。サイクリングダイナミクスはパワー表示画面で左右それぞれのパワーと直近数分のパワー変動をZwiftみたいな面グラフで表してくれるモードです。コースの微妙な勾配変化のある所でどれくらいのパワーで踏んでいたかが即座にわかるので、力を掛ける所と抜く所を意識して自分的に最も効率の良い漕ぎ方を探りつつ進めるのが結局大いに役立ちました。そうして出だしは順調な滑り出し、最初の休憩は軽くコーラ飲んだくらいの短い時間で済ませて次へ行きます。

中盤

2回目の休憩では薄皮パンを一つ食べ、3回目の休憩ではおにぎりを食べてから少し横になって休みました。眠気が出てはいけないので休憩はケチらずに取る事にします。4時間くらい経つとかなり飽きてきてメンタル凹んでくるところ、これはブルベでもたまに感じることがあります(笑)。眠気を散らすのにガムを噛むのをよくやりますが、今日これをやってみるとパワーをある程度出す状況(=呼吸がやや荒い)ではかえって邪魔になったので一度だけで止めています。
また少しでも手抜きする為にこの頃からフロント変速を封印しインナー固定で走る様にしました。ターンした後の加速は軽いギアでソフトに加速するだけで十分です。
夜が開けるとクルマがぼちぼち通る様になり、散歩をする人も出てくるので特に下りは丁寧に行きます。明るくなり下りはやはり楽にはなりますね。
8時頃になると気温が上がってきて20℃になってきます。既に反射ベストは脱いでますが登りは暑く、汗がしたたり落ちてヘルメットバイザーやメガネに流れてくるのでヘルメットを空気穴の多いREZZA-2にチェンジ。休憩時にはタオルで頭と顔を拭いてヘルメットパッドも拭きます。ここら辺で普段あまり使わないジェルを投入してみますと復活まではいきませんが消耗が減る感じがして効果の程を感じました。
さてお昼はピークの先にある食堂で食べる予定にしていましたが…

臨時休業

黒住教の祭事をやっていて(それでクルマがかなり多かった)その為に臨時休業になってました。まぁしかたないなとそのまま坂を降りて折り返し地点を通過してファミマへ行ってイートインで弁当を食べます。昼食後コースに復帰して一旦登って降りがけのベースに寄って、ここでジャージを半袖に着替えました。進行は予定より1時間少々早い順調な、というか早く走るのは目的ではないのでオーバーペースだなと思いながら。
1往復ごとにチェックしているラップタイムは落ちてきていますが想定より落ち方が小さいのでもっと抑えてもいいかと思いつつ午後の走行を続けます。この辺は次の休憩まであと何往復、と目先のことだけを考えるブルベ脳を発揮しながら余計なこと(?)を考えずに黙々淡々と走ります。6往復ごとに休憩のペースは続けていて、もっとペース落として5往復ごとにしても良かったわけですが。

終盤

日が暮れてジャージを長袖に戻して反射ベストも再び着ていますが気温は20℃を切ったくらいでちょっと暑い。獲得標高7000mを超えてペースは垂れるかと思いきやさほど落ちず、8000mを超えてからラップが10分を出るペースに落ちましたが既に真っ暗夜間走行に戻っているので意識してゆっくりしていました。本当は10Kまで走る計画だったし時間も前倒しで十分あったにもかかわらず、もうこの辺で8848で止めようと決めました。登りのヘタりからではなく下りに不安を覚えたからです。ブレーキレバーストロークが深くなってブレーキパッドの摩耗がわかりましたし、疲労が蓄積されて注意力も落ちている状況だからです。
エベレスティング達成判断基準であるStravaのセグメント標高値86mからは103回で8858mになるのですが、Edge840Solarの獲得標高表示は少なく出ていたのでその表示が8848mまで到達するまで余分に走りました。最後の方は少し踏み直してみたのでペースが戻っています。つまり足は使い切ってはいない。ラップ数表示が108になってそこからもう一本登り切って109回でちょうどEdgeの獲得標高欄が8848m表示、クルマまで降りてそこで走行終了してEdgeを停止・ログ保存しました。ここまでは予定より1時間ほど早く済んだのは意外でした。

バイクをクルマに積んでメット脱いでシューズ履き替えて今度はクルマで道を降ります。時間があったので23時まで営業の近くの”大家族の湯”に向かいゆっくり湯に浸かってリラックスして帰宅しました。夕飯は?補給食が十分でお腹は空いていなかったのでパスしました、珍しく??

走行分析

https://www.strava.com/activities/12749722735/overview

ラップ推移

ラップ

1〜109ラップの変化です。登りはStravaのセグメントラップから取っているので登りだけですが、下りは上と下で180度ターンする時間も含まれているので実際の下り時間よりよけいにかかっています。
登りタイムの落ち方が少なかったのは二週間前に走ったBRM1000kmでうまく体調が整えられていたというこtでしょう?!

登り推移:パワー/心拍

パワーと心拍

序盤は高い値で推移して中盤以降は多少の増減を含みながら少ない落ち方、100ラップ以降にガクンと落としてますが最後踏み直すと戻せています。心拍は時間が経つにつれて上がらなくなってくるのはいつものブルベの時と似た様な感じです。

休憩

停車時間割

休憩に費やした時間です。計画では短い5分休憩と10分以上の長い休憩を交互に取る様考えていましたが、5分というのは短すぎて初回以降実現できませんでした。ペースが上がっていたので計画の時間にはとらわれずにその時の気分次第で休んでいます。終盤はやはり長めになっていますね。トータルの休憩時間は3時間52分に及んでいます。

認定

EVERESTING認定

セグメント109回で認定されました。10/26になってからスタートしましたが日本時間でなく世界標準時間で10/25になってしまってます。
リザルト=Hall of Fameにてエベレスティングx日本x年齢高順でフィルタリングしますと4番目の高齢者ということになりました笑

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