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私がどうしても伝えたい、発達障害の子の子育て~外側ではなく内側の声を聞く

あらためて
「私がどうしても伝えたい、発達障害の子の子育て」について書いてみようと思う。

私は発達障害の子どもの子育てを経験している母親。
地域でコミュニティを作って8年目。
たくさんのママ(パパも)の現状や体験の声を聞いている。

発達障害のある子どもの子育ての経験から、
親1人1人が孤立することなく、
子育ての悩みを相談できる仲間の存在が大変必要だと感じて、
地域にコミュニティを立ち上げることにした。

同じ立場の親同士は、
定型発達の子どもの親たちには
どうしても理解できないだろう思いや苦労を共有し、
そして共感し合うことで閉塞的な行き場のない思いや、
苦しい気持ちを開放することができる。

又、心の開放と共に、
自分の知らない情報(療育・教育・制度・施設など)を
仲間の親から教えてもらったり、
うまく行かない問題(子どもの行動・勉強・進路など)の
解決のヒントなどを受け取ることも可能になる。

このようなプラスの効果が期待できる親たちのコミュニティは
どんなにネット社会になったとしても、
とても大切な人間同士のつながりだと確信している。

ただ私は、それだけでは不十分で、
そこに集う仲間が、それぞれに前向きになるための
親としての在り方や学びを携える必要があると思っている。

子どもの困った行動や現象についての
色々な対処法については、
医療や教育の専門家が
書籍やYouTube、講演などで語ってくれている。
たくさんのHOW TOが手に入る状況であり、
そのこと自体はとてもありがたいことだと思っている。

しかしそれは
親の土台、親の在り方、親の軸
親の内面的成長がなければ、
現実に問題が起きた時に、
上手く機能することはない。
それ以上に逆効果にさえなってしまう。

なぜなら親自身が感情に振り回されることで、
子どもを丁寧に見ること、
その場に相応しい対応をとることが、
できなくなってしまうからだ。

親として一番重要な
親自身の在り方や成長、向上は、
何より親が自ら気付いて自ら学んでいくしかない。

もちろん親だって人間だから、
完璧ではないし完璧でなくていいと思う。
しかし、発達障害の子育てをあきらめて、
子どもの困った問題全般を
支援者に任せきってしまうことは
将来を思うと
かなり危険なことだと気付いてほしい。

大変な子育てだから、
支援者やサポートがある。
そのサポートは必要な時に使うためのもの
親が疲れ果てる前に
大いに利用することは賢明だと思う。


生活のために仕事をするのも当然のこと。
子どもにつきっきりでいることは不可能だし
子どものためにも
親子が離れる時間は必要なのだ。

又、親自身のための時間を持つことも
とても重要なことだと思っている。

子育てだけに専念した方がよいなんて
一切思っていない。

それを解った上で
やっぱり子どもと関われるときは
親自身ができるだけ関われたらよいな、
子どもに付き合ってあげられるとうよいなと思う。

一瞬を大切に
5分でも10分でもいいから
子どもを優先する時間を取れたらいいな、
人任せにならない時間は必要だな、と思う。

そういう対応ができるために
私は誰もが親になるために
内面の学びや成長が
とっても必要なんだと伝えたい。

******

自分の生きてきた過程の中で
刷り込まれた価値観や概念、
差別や偏見に縛られて、
親自身も苦しんでいることが多くある。
私自身も正にそういう親であった。

そういった無意識の思い込み
知らない間に出来上がった固定概念によって
自分の子どもの特性を認められなかったり、
どうにかしてその子の特性を変えようと考えたりしてしまう。

強制や否定を子どもに与えてしまうことで、
子どもは自己否定に走り、
障害者について差別的になったり、
自分の障害を受け容れることができず
苦しみ続けるということが起こってしまう。

このように、
親が自分自身の価値観を手放すことができないことで、
子どもたちは傷つき、心を壊し、
親との関係性はこじれにこじれてしまう。

結果、不登校になったり、
引きこもったりして、
親や学校、もちろん本人が
一番望まない生き方を選ぶことになってしまう。

ではそんなとき何が必要なのかと言えば
親が自分自身の自己理解、自己承認、自己受容を
できるだけ早いうちに
体験しておくということだ。

すると
はじめて自分のことが解り
自分に気づくことができるようになる。

そして、そこで初めて、
子どもについても理解が深まり、
障害のある子どもの受容につながって行く。

子どもを変えようとするのではなく
この子がどうしたら社会とうまくやって行けるか、
この子がどうしたら生きやすいか、
子どもを軸とした視点で
前に進むことができるようになる。


子どもは親に受容されたことが解ってくると、
初めて自らを理解しようと、
素直に心を開き始めるように思う。
誰でも安心してこそ
自分の内面について
話そうと思うのではないだろうか。

良いも悪いも自分を承認し、
「そのままでいいよ」と見守ってもらえたら
どれだけ安心して心を開くことができるだろうか。

親も子も完璧ではない。
だから右往左往して生きている。
それでいいと思う。
そこを急いではいけないと思う。

簡単に、早く、出来栄えだけに目を向けて
子どもを育てようとすること。
たぶん、
そこにあるのは大人の都合だけではないのか。

社会は人間の本来の成長のスピードを超えた
信じられないスピードで成長と変化を遂げている。

でも、人が一人育つには
このような道のりを丁寧に歩んでいくことが
何より重要なのだと私は思う。

手間がかかって大変な子育て
悩んで苦しむ辛いことの多い子育て
だからこそ得られるものもある。

そこに時間をかけたことで
将来の子どもとの関係が楽になる。
子どもへの不安より希望が広がる。

あなたはどんな子どもとの未来を描きますか?



子どもも親も、
外側の出来事に目を向けることより、
心の内側を丁寧に探り、整えること、
そして子どもを変えようとするのではなく
そのままの子どもを愛することを実践することが
発達障害の子の子育ての
とても重要なポイントなのだ。


私はこのことを少しでも多くの親に伝えていきたい。
定型の子どもの子育てにも通じるが
発達障害の子の親には
早い段階で知ってもらい、
その後の子育てが少しでも楽しく
幸せな時間になってもらいたいと考えている。

一石を投じることで
水面に広がる輪のように、
この考え方が広がって行くことを
私は信じて続けていくつもりだ。

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