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『かぐやびより』@シネコヤ
先週の日曜日、鵠沼海岸のシネコヤで、小田急線沿いにある「さんわーくかぐや」という場所を撮ったドキュメンタリー映画、『かぐやびより』を観てきました。
かぐやは、社会に適応しづらかったり、生きづらい人たちが通ってきて、一緒に創作をしたり、農作業をしたり、いっしょにはたらいて暮らしている場所。年に一回、10月に「かぐや祭り」という素晴らしい収穫祭を開催しています(この二年は残念ながらやっていません)。
実は私の実家はかぐやの近所で、実家に住んでいる時は、前を通るたびに、何をしている場所なのかな~と思っていました。
それが、10月のある日、どこからか聞こえてくるこの楽しげな音楽は何だろう?と、音をたどって竹林の下に階段を降りて行ってみたら、そこで開催されていたのが「かぐや祭り」で、目の前に広がる美味しい食べ物やアート、音楽や踊りでいっぱいの光景に、こんな空間がこんな近くにあったなんて!と、心が震えたのを覚えています。
それ以来、副理事長のヤスマサさんや、通所している方たちとは時々、道で会うとご挨拶したりお話するようになり、かぐや祭りは引っ越してからも毎年通い、塩からつくっている梅干(めちゃくちゃ美味しいのです)や、かぐやグッズ(手ぬぐいとかバッグとか、かわいいものばかり)を買わせてもらったり、ゆる~く、一人のファンとしてかぐやとつながってきました。
そんなちょっとしたかかわりをとおしてでも感じられる、かぐやの空間やかぐやの人たちに感じるふわりとしたやさしい雰囲気、何かをぎゅっと決めたり縛ったりする感じのない、そのままでいることをゆるされるような空気が大好きでした。
『かぐやびより』は、そのかぐやの空気をそのまま感じさせてくれる映画です。かぐやの近くに住んでいた日々が、懐かしく、恋しくなりました。
あたりまえだけれど、近所に住んでいただけでは知らなかったこともたくさんあって、あのやさしい場所は、こんな思いや考え、葛藤もあって生まれていたのか…と、はっとしたり、涙がとまらなくなったり。
教訓やメッセージを伝えようとするのでもなく、ことさらに美しく描こうとするのでもない、ナレーションもなく、ただ、かぐやの日々をまっすぐに見つめながらともにいる津村監督の目線が、とても好きでした。そういうふうに撮られた作品だからこそ、体に直接響いてくる、より深いところで揺さぶられるものがあったように思います。
かぐや祭りを訪れると、桃源郷みたいだなあ、と思うのです。
みんながそのままでそこにいて、笑っていて、いのちがきらきら輝いている。こんな場所があってよかった、嬉しいな、と、心から思う一方で、ここが桃源郷でなかったら、世界がみんなこんなふうだったらいいのに、と、いまの私たちの世界に対して、少し悲しい気持ちにもなります。
でも、そういう世界の悲しさを十分すぎるほど見て、知ってきた人たちが、いっしょにこんな天国みたいな場所を創り出しているのだから、希望はあるのかな、と、思うのです。
『かぐやびより』、シネコヤで4月28日~5月8日まで上映しているそう。
タイミングの合う方は、ぜひ観に行ってみてくださいね。
シネコヤもとても素敵な空間です!
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