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図解!原価計算基準七【実際原価の計算手続】
原価計算基準。制定以来、実に60年以上経った今でも、一語たりとも加筆修正されていません。 聖書が古くならないように、全47あります原価計算基準も、時代遅れの産物ではないと考えています。
で、このnote。通常は「読み物」として発信されますが、以前より「調べ物」として創作してみたいとも考えていました。原価計算基準を「一つのnote記事に一つの基準」で楽しくイラスト図解。不定期で順不同の発信となりますが、全47基準が完成した時には「試験勉強や実務のお供」として使っていただければ嬉しいです。
基準七より『第二章 実際原価の計算』の具体的内容に入っていきます。そして基準八以降、第二章の各節の中身になる構成です。
第二章 実際原価の計算
第一節 製造原価要素の分類基準
第二節 原価の費目別計算
第三節 原価の部門別計算
第四節 原価の製品別計算
第五節 販売費および一般管理費の計算
では『第一節 製造原価要素の分類基準』に入る前の、基準七を見ていきましょう。これが実際原価計算の勘所である3Stepを規定しています。
実際原価の計算においては、製造原価は、原則として、その実際発生額を、まず費目別に計算し、次いで原価部門別に計算し、最後に製品別に集計する。販売費および一般管理費は、原則として、一定期間における実際発生額を、費目別に計算する。
下図①でイラスト化しました。まず費目別に計算し(Step.1の費目別計算)、次いで原価部門別に計算し(Step.2の部門別計算)、最後に製品別に集計する(Step.3の製品別計算)と、段階を踏んでステップアップするイメージになります。
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このステップが原価計算基準全体の「勘所」になります。下図②のとおり、経営資源の価値の消費「原単位」を貨幣的価値に置き換え、Step.1の費目別計算がスタート。順にStep.2、3と計算が流れていくという訳です。
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そしてこの上図②を勘定科目の流れに置き換えたものが下図③になり、基準八以降、詳しく見ていくことになります。
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<以上となります。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。>