基準二一の「単純総合原価計算」は総合原価計算の「基本形」ですが、基準二二以降は総合原価計算の様々なバリエーションを見ていきます。基準二二は「等級別総合原価計算」、そして今回は基準二三「組別総合原価計算」になります。
組別総合原価計算では製品の種類のことを「組」とよびます。たとえ異なる製品だとしても、同じ工程(下図①ではミシンを使った工程)で作っているならば共通して発生した原価をまとめて計算し、それを”何らかの基準で割り振った”後、各製品の原価計算した方が手間が省けます。このように、同じ作業工程で異種製品を大量生産している場合に適用される原価計算が「組別総合原価計算」です。
ちなみに先ほど”何らかの基準で割り振った”方法と説明しましたが、基準上、個別原価計算(基準三一以降で説明します)に準じ、組直接費又は原料費は「賦課」し、組間接費又は加工費は「配賦」する、としています。これは『第三節 原価の部門別計算』の基準一七「部門個別費と部門共通費」で出てくる「賦課」と「配賦」の考えと同様です。部門別計算と製品別計算(組別総合原価計算と個別原価計算)を横並びで整理しても良いかもしれません。
最後に基準二二「等級別総合原価計算」と比較です。「等級別総合原価計算」の意義を見てみますと「同一工程において、同種製品を連続生産する」とあります。ここでは分かりやすく、等級総合別原価計算=サイズの異なるシャツ、組別原価計算=シャツとトレーナーの事例を使っています。
<以上となります。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。>