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SB vs BTN 3betpot flop cb①

はじめにwizard 50nl のGeneral とcomplexの比較をしており、2つのソリューションではそもそもBTNのコールレンジがかなり違うので比較しても意味がないのではと思う方もいるかもしれませんが、これはあくまでpioで後から比較する比較対象を探すために行っています。

今回はGTO wizardのGeneralの集合分析とpio solverを用いてA high monotone bordの戦略について理解を深めたいと思います。
では実際に見ていきましょう。

ご覧の通りATx以上のボードではcheckとbetの混合戦略でA9x以下のボードでは一転して高頻度にcheckする戦略をとります。
そしてAK+ブロードウェイ(QJT)では高頻度で125% pot over betを使用しています。

それじゃあこれでA high monotoneはおしまい!と言いたくなるところですが、そこに待ったをかける戦略があります、そう20%以下の超small CBです。
GTO wizardのcomplexでは非常に細かく分けられたサイジングによる戦略を確認することができます。
では実際に見てみましょう、こちらです。

なんとびっくり!こんなにもbet rangeが増加しました。
超small CB戦略を考慮すると、A9以下のbordでも高頻度でbetすることができそうです。

ではどの戦略を用いるのが最適なのでしょうか?
やはり超small CBの方がGTO戦略としての精度が高いわけですからそちらを採用したいという気持ちもありますが、人間としてはレンジ全体で同じアクションをとれるような戦略を使いたいところなのでrange check, range 15%cb , 33% 50% 75%, check, の3つの戦略を比較します。

今回計算に用いたレンジは、まずSB(3bet) vs BU open

次にBTN (call) vs SB(3bet)

です。

まずは、A9x以下のbordでは超small CB戦略とレンジcheckの間に有意な差があるのかpiosolverの集合分析を用いて確認していきたいと思います。

結果はレンジcheckの方が平均して2.178程EVが高いという結果になりました。ここではポットに210チップがあるので2.178はポットの約1%となります。
また、33%,50%75%,checkの混合戦略ではレンジcheckの方が約0.1程EVが高いという結果になりましたがこれはpiosolverの計算設定の許容誤差をポットの0.25%としており、ポット210にたいして0.1なのでポットの0.04%つまり計算誤差であるといえるでしょう。(本来は③のEVの方が高い、なぜなら戦略が包含されているため)

ここまでそれぞれの戦略のEVについてここまで見ていきそれらを比較していきました。しかしEV損失が2.178ある!ポットの1%の損失だっ!といわれても正直よくわかりません。
なので上の例を用いて損失の度合いを具体的にしたいと思います。

具体的に今回のシチュエーションで考えてみましょう。
まずはSB vs BTN 3betpotの発生頻度です。今回使用したのは、GTO wizardの50nl Complex 100bbのソリューションで、まずBTNまでfoldで回ってくる確率は、

UTGがfoldする頻度:82.7%
HJがfoldする頻度:77.6%
COがfoldする頻度:70.9%

なので、0.827×0.776×0.709=0.4550021...≒45.5% ・・・①
BTNのオープンする頻度は、43.1% ・・・②
SBのBTNのオープンに対する3bet頻度は、15.5% ・・・③
BTNがオープンSBがそれに対し3betしたときにBBがfoldする頻度は、93.4% ・・・④
BTNがSBの3betに対してコールする頻度は、28% ・・・⑤
①~⑤より100ハンドあたりのSB vs BU 3betpotの発生頻度は 、0.455×0.431×0.155×0.934×0.28=0.00794923...≒0.79%

そして、今回はSBの戦略のEV損失について考察したいので自分が6maxのテーブルでSBにいる確率、つまり1/6をかけると
0.79%/6=0.13166666...≒0.13% となる。(除去効果については考えてません)

1000ハンドあたり1.3ハンドと考えると体感よりもかなり少ないように感じますが、1000ハンド中220ハンドほどしか参加しないゲームなので全員がGTO通りにプレイすれば不思議ではないのかもしれません。とはいえ実際よりはかなり低い値だと思うので、ポピュレーションでは①~⑤のいずれかが発生頻度が大きくなるような方向にずれているのでしょう。エクスプロイトを考える足がかりになりそうな感じはしますが、カードの除去効果についての考察もしていないのでまたの機会にしたいと思います。

今回レンジチェックとレンジ15%ベットのEV差は2.178で計算は1bbあたり10で計算したので、0.2178bbのEV損失なので0.2178×0.13=0.028314=0.028 /100hand
つまり全レンジ15%cb戦略を用いると全レンジcheck戦略を用いた場合に比べて100ハンドあたり0.028bb winrateが下がるといえます。
10万ハンドで28bbも失うのか...と思うのも、なんだ28bbしか失わないのか!と思うのも人それぞれですが、自分がその戦略に対して○○bb/100の損失までなら許容しよう!という指標は正直よくわかりません。
しかし、私たちが戦略間のEV差を見るのはあくまでどちらの戦略を採用するのかを決めるためです。
その観点で行くとまず考えるべきなのは、EV差を実現できるくらいの再現性がその戦略にあるのかどうかです。今回に関しては全レンジでcheckするだけなので十分あると考えます。
ここでいやいやポーカーはエクスプロイトのゲームなんだから相手がどれだけミスするのかも考えなきゃだめだろ~とおっしゃる方もたくさんおられると思いますが、これはあくまで簡易戦略を構築するための考察です。wizardの複数のサイジングとcheckが入り乱れた戦略マトリクスを見てこんなんできるかい!!!!となったことが何度もあったため書いているのでそんな意見は切って捨てます。

だいぶ話が脱線しましたが、とりあえずここまででA9x以下のモノトーンボードに関してはレンジチェックで十分と言うことがわかりました。
やったぜ!
この調子で残りのATx以上のボードについても見ていきましょう。

ATxのボードではrange check , range 15%CB, range 25%CB , 15%25%50%75%125%checkの4つについてみていきたいと思います。

結果はrange 25%cbが最もEVが低く、6サイズ(15% 25% 33% 50% 75% 125%)とcheckはrange check ,range 15%cbとだいたい0.1514くらいの差があるということがわかりました。EV差が1を切っているのでほとんど差がないと考えてよいでしょう。
6サイズを使いこなす超人とrange checkがそんなに変わらないのは割と面白いですね(笑)

そしてどちらを採用するかは、ベットする分相手にレイズする選択肢を与えるデメリットがあるrange 15%cbよりrange checkの方がいい気がします。
もちろん必要頻度でレイズできないプレイヤーや15%cbに対しては33%くらいの安いレイズを返さなかったり、バランスの取れていないレイズレンジを持つプレイヤーに対して相手のミスをエクスプロイトする目的で15%CBを用いるのは全然ありだとは思います。
また、ターン以降のアクションの傾向によってはどちらを採用するか考え直さないといけない場合もあるかもしれません。
とりあえず現時点ではATx以上のモノトーンボードはレンジチェックで十分としましょう。

今回のまとめ

・Aハイモノトーンボードはレンジチェックで十分


以上で①は終わりにします。
ここまで読んでいただきありがとうございました。


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