見出し画像

超短編小説「男子、三日会わざれば」


あいつ本当に
西澤くんだったのかなぁ



近所に住んでいた西澤くん
活発で元気で
丸坊主が似合う楽しいやつだった

西澤くんちでゲームしたり
公園の遊具で遊んだり
鬼ごっこしたりと
毎日が楽しい日々だった

小学4年生になったある日
西澤くんは隣町へ
引っ越すことになった

また一緒に遊ぼうな
という言葉を残し
彼はいなくなった


数年の月日が流れ
中学二年生となった夏休み
西澤くんが遊びにやってきた

おう!久しぶり

坊主でコロコロとした感じの
面影は一切なく
背が高くなり
落ち着いた声で話す
髪の伸びた
青年の姿がそこにあった

いつも遊んでいた
公園のベンチに座り
彼は色々と語りかけてくれた


しかし私は戸惑いを隠せなかった


私の気持ちを察したのか
彼は寂しそうに
自分の街へと帰っていった




#ショートショート #哀愁 #300字小説 #小説 #少年時代 #少年 #青年 #思春期 #声変わり #切ない #私の作品紹介 #芸術の秋

いいなと思ったら応援しよう!

ヤマダナガオ_創作
サポート大歓迎。活動の励みになります。コメントは基本不要です。スキとフォローをして頂ければそれだけで充分です。

この記事が参加している募集