札幌市にある屋上ヘリポートを可能な限り調べた
ヘリポートを把握しておきたい
ヘリポートという言葉は多くの人がご存知であろうが、実際にヘリポートそのもの、実物を目にしたことがある、という人はそこまで多くないだろう。
それも至極当然であり、基本的には高層ビルの屋上などに存在しているものなので、簡単にアクセスが可能なスポットではない。
もしも、あなたがススキノのバーで一杯しっぽりやっている時に、横に腰掛けた初老の紳士から「これを君に託した」と、ヘリコプターのキーを渡されたら?(ヘリコプターがキー式かどうかは知らない。)
もしもそんな事があったときのために、札幌在住の私が、離着陸できる札幌市内のヘリポートをしっかり把握しておいて、損はないはずだ。
そもそもヘリポートとは?
ヘリポート(英語: heliport)、もしくはヘリ発着場(ヘリはっちゃくじょう)とは、ヘリコプター専用の離着陸場のことである。またその敷地内でヘリコプターが離着陸する場所のみを指す場合はヘリパッド(英: helipad)という。さらに航空法に定めるヘリポートとは異なる消防活動のために高層ビルの屋上に設置されたヘリコプターの離着陸場があり、緊急離着陸場(Hマーク)および緊急救助用スペース(Rマーク)で区別され、火災やテロなどの緊急時にしか使用できない。Hマークは消防・防災ヘリが消火活動や救助活動をするための離着陸施設を指し、Rマークは着陸はせず、ウインチで人員、機材の乗降をする場所を指す。マークは円内にHまたはR(ラペリングのRまたはレスキューのR(諸説あり))の文字が記入される。
引用 : Wikipedia
簡単にまとめると、こうである。
・ヘリコプター本体が離発着できる場所には「H」マーク
・本体が着陸できず、ホバリングで救助するためのスペースには「R」マーク
ということである。しかも、どちらも、厳密には「ヘリポート」とは呼べないらしいのである。だが、わかりやすくするためにこの記事内では、そのHマークの緊急離着陸場のことを指して、便宜上「ヘリポート」と呼ぶことにする。正確な呼称に拘る方はすみません。悪気はないんです。自分が混乱するんです。
確かにヘリコプターとなると、5トンを超えるような重量になるものもあるようで、それを安全に離着陸させるためには、建築物自体の強度、定期的な保守点検など、いろいろ定められた非常に厳密な条件をクリアしないと、緊急離着陸場としては認められないそうだ。
一度ここで無数のヘリポートがそびえ立つメガシティ・東京の例を見てみよう。
こちらは日本が誇る防衛省の屋上。見るからにもう頑丈そうな建築物の上に、まさかのツインヘリポートという出で立ちで、屋上ヘリポート界の金剛力士像と呼べるほど頼もしい。有事の際にはフル活用されるのだろうか。
これは渋谷ヒカリエ。地上34階、高さ182.5mという超高層建築物だが、意外にも屋上にあるのはRマークのレスキューポイントだけ。恐らく、緊急時の避難経路が緻密かつ豊富に用意されているのだろう。
では、私が住む札幌市には果たしてどれくらいのヘリポートがあるのだろう?
ググってみたものの、あまり正確な情報は得られない。そういうことなら、放っておくと5時間Google Mapを眺め続けることでお馴染みの私が、ひたすら人力でそれらしき場所を上空から虱潰しに当たっていくこととしよう。
札幌市に存在を確認できた屋上ヘリポート一覧
1. JRタワーホテル日航札幌
札幌で高層ビルといえば、やはり最初に思いつくのが札幌駅に隣接するJRタワーだ。案の定、その屋上には立派なヘリポートが設置されていた。目視できる限りでは、MAX 6t?との表記がある。ヘリポートは、場合によって離着陸可能な最大重量が記載されているようだ。
2. D'グラフォート札幌ステーションタワー
JR札幌駅の北口から道路を1本挟んだ通りに位置する、北海道では最も高い超高層マンション。地上40階・地下1階、総戸数336戸。高さ143.15m。色がブルーバックで格好いい。
3. さっぽろ創世スクエア
2018年4月1日に開業した、複合施設ビル。地上高131mの高層棟と低層棟の2棟からなり、高層棟には「onちゃん」でお馴染みHTB本社や朝日新聞ほか、多数のオフィスが入居。低層棟は札幌文化芸術劇場 (hitaru)などの文化施設が一同に介す、札幌の新ランドマークだ。ヘリポートは高層棟屋上に確認できる。
4. 北海道警察本部
北海道で一番大きな警察署は当然、札幌にある。その屋上にもヘリポートが確認できる。警察関係のヘリコプターは緊急出動回数が多いのか、それとも建物の老朽化なのかは定かではないが、やや古さが見受けられる。また、無骨な「POLICE」の文字が威厳を感じさせる。
5. 札幌プリンスホテルタワー
地下鉄東西線 西11丁目駅すぐの、超高層ホテルタワーである。2004年竣工とのことであるが、華麗な外観に比べ屋上ヘリポートはかなり劣化が激しそうに見受けられる。ホテルは2021年の東京オリンピック(札幌会場)選手村として使用されたことでも話題になった。
6. ザ・サッポロタワー琴似
こちらは札幌市西区、「札幌第二の繁華街」としてもその名を知られる琴似に存在する超高層マンション。2006年竣工、地上40階建・高さ133m。JR琴似駅直結という好立地。JR琴似駅周辺は1990年代から続いた再開発により、比較的新し目のビルが目立つ印象だ。
7. プレミスト琴似スカイクロスタワー
2013年竣工、地上40階建, 高さ135m、すぐ近くにあるザ・サッポロタワー琴似と双璧を成す琴似エリア最新の超高層マンション。どちらのマンションも立派なヘリポートが備え付けられており、琴似地区の防災にも役立つのだろうか?
病院編
8. 札幌医科大学附属病院
9. 手稲渓仁会病院
10. 札幌徳洲会病院
11. 市立札幌病院
12. 北海道大野記念病院
まとめて病院シリーズです。特に高層建築物というわけではない病院にヘリポートがある理由は、何となく分かると思う。恐らく救急搬送とかそういったことに活用するためでしょう。
古めの病院はさておき、比較的新しい病院はヘリポートのデザインが赤十字にHマークと、ひと目見て病院!と判別できるようになっているのが特徴的である。渓仁会にいたっては、ベストなタイミングでヘリコプターの姿が確認できる。
ヘリポートがあるということは、それなりに規模の大きな病院ということになるのか、手稲渓仁会病院(手稲区)、札幌徳洲会病院(厚別区)といった、札幌の中心市街地から離れた場所にヘリポートがあるのは、近隣の西区、清田区、南区などからの救急搬送にも対応できるように、という理由もあるのであろうか。
あとがき
以上が、Google Mapで探すことの出来たヘリポートの全てである。
もしかすると、見落としている場所が多くあるかもしれませんので、他にも札幌市内の屋上ヘリポートを知っているという方は、この記事、もしくは私のTwitterにコメントで知らせて頂けますと嬉しく思います。確認が取れ次第、新たに追加して行きたく思います。
https://goo.gl/maps/bjKgTAPybQBjH4239
上記のポイントをマークしたマップはこちらから参照可能です。
皆さんはこのヘリポートの数を多い・少ない、どう感じたであろうか?
私は、意外と少ないな、という印象であった。ただ、これは札幌という土地の性質によるものだとも思う。
国土交通省による、航空法第79条ただし書許可によると、航空機が臨時に離発着可能な場所として必要な条件がまとめられているのだが、土地が広い関係上、これに該当する土地(大きな公園や駐車場など)が、札幌市には多く存在するので、それがヘリポートを多数設けずとも済んでいる理由の一つになっているのではないかと推測する。
反対に、高層ビルが密集する繁華街、特にススキノ地区には、Rマークのレスキューポイントこそ散見されるが、ヘリポートを見つけることは出来なかった。これは地域開発の度合いや建築物の老朽化とも関係はあるのかとは思うが、少々意外な結果であった。
いずれにせよ、ヘリポートは街に暮らす人々の安全や健康、ときには治安すらも守ってくれる、非常に頼もしい存在である。もしかすると、明日急にヘリを着陸させないといけないときが来るかもしれない。そんなあなたの力に少しでもなれたのであれば、幸いな限りである。