いまやChatGPTに代表される生成AIの話題を聞かない日はないと言ってもいいくらい、AIの進化と広がりが急速に進んでいます。
私の英訳とChatGPTの英訳を比較してみるという実験
前回の投稿で、Xで+Mさん@freakscafeという方(名古屋在住のコンサルティング会社経営者)のポストを遊び感覚で英訳し、+Mさんとコラボするのが私のXの楽しみの一つになっているという話をしましたが、英訳の際に同じ+MさんのポストをChatGPTに英訳してもらったらどんな英文になるかを時々試して、私の英訳と比較してみるという個人的な実験を楽しんでいます。
例えば、一例として以下の例を見てみましょう。
私はこれを次のように英訳しました。
さて、ChatGPTはこれをどう訳したかというと、次のような英文を出力しました。
このChatGPTの英文を読んで思うのは、原文に忠実な逐語訳で、英語の間違いやおかしい表現といったものは見当たらず、極めて無難で優等生的な英文を出力していることです。
もう一つ別の例を見てみましょう。
私はこれを次のように英訳しました。
ChatGPTはこれに対して、次のような英文を出力しました。
このChatGPTの英文も、原文につかず離れずの逐語訳で、無難な英文を出力しているという印象を受けます。
ChatGPTの明らかな誤訳例
ただ、そんなChatGPTでも、明らかな誤訳をしでかす例も見受けられました。
次の例を見てみましょう。
さて、問題のChatGPTが出力した誤訳の英文は次のようなものでした。
ChatGPTは「複式夢幻能」を“complex dreamlike performance”と英訳していて、ここが明らかに間違っている箇所です。ここに出てくる「複式夢幻能」とは、能の一形態を表わす特定の用語ですが、ChatGPTはそれを正しく認識することができず、頓珍漢な誤訳をはじき出しました。
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私がこれまでにXで+Mさんのポストの英訳とChatGPTの英訳を試しに比較してみたのはせいぜい10回ぐらいのことで、決して事例数としては多くはありませんが、ChatGPTが明らかに頓珍漢な誤訳を出力したのは、この事例一件だけでした。
私がこれまでChatGPTが出力した英文を見た中で思ったことは、大きな間違いや不自然な表現のない無難で優等生的な英文で、もう英文出力ツールとしてかなり使えるレベルにまで達しているという印象です。
だからと言って、人間によるチェックが全く不必要だというわけではなく、どんなに精度が上がろうと、どこかで間違った英語をはじき出す可能性は常に消えることはなく、そういう観点から考えて、ChatGPTの出力英文が「永遠の仮免許」であることに変わりはないと思います。
今後もChatGPTの出力英文レベルの観察を続けていきたいと思います。
画像:pixabay