【噛んで砕こう】ビアスタイル#2.5「ベルギーの修道院ビール」
どうもこんにちは。
水島ひらいちの八重です。
今秋に向けてビール検定の勉強をしていく中で、外せない項目として挙げられるのが「ビアスタイル」です。
ビール種類のことを示すこちらの言葉ですが、世界のビールは原料・製法・香り付けなどでビアスタイルを分類分けすることができます。
今回は「噛んで砕こう」シリーズもビア化して、勉強と教養のためにビアスタイルを詳しく見ていこうと思います!上記テキストを参考に、少し細く情報も交えて書いてまいります。
前回は上面発酵ビールを紹介したのですが、歴史的に面白い背景を持つベルギービールは是非フォーカスしておきたいと思います。
トラピストビールとは
英語ではそのままTrappist beerと言うのですが、こちらはトラピスト会という固有名が起源とされています。
トラピスト会は厳律シトー会というカトリック修道会のことで、12~13世紀に大きな修道会となりました。フランスのトラップ修道院で改革を起こしたため、その地名から厳律シトー会の修道士のことを『トラピスト』と言うようになりました。ちなみに女性はトラピスチヌと呼ぶそうです。
ちなみにここまでビール検定に一切出て来ない知識でした。笑
労働自活の一部で食品を製造しており、チーズやアイスと並んで有名なのが今回紹介するビールです。
その歴史は古く、オルヴァルという修道院ではビール醸造を500年前に開始したそう。当時は修道院の外で飲むことができない幻のビールでした。
時は変わり、1950年代ごろに一般の醸造所でトラピストビールに似たビールを作り始めたため、1962年にトラピストビールの定義が為されて今に至ります。
その味ですが、ストロングエールスタイルが多くアルコールも味わいも強めです。私も何度か飲んだことがあるのですが、グビグビと飲むビールではなくちょっとずつ味わいながら飲むビールですね。
さらに上面発酵ビール特有の追熟(瓶詰めのあとに発酵が続く)があり、寝かせば酸味が出てこれもまたオツな味です。
(余談ですが、私はもらったベルギービールを大切に保管しすぎて、飲む頃に酸っぱくなってしまい「ベルギービールって酸っぱいな…」と勝手な思い込みをしてしまいました。今日ここで学びながら、長年のバイアスが氷解しました。)
トラピストビールの定義
修道士が自ら醸造するか、修道士の監督のもとで醸造されたもの
修道院の敷地内の醸造所で作られていること
営利目的ではなく、ビール販売の収益は修道院の運営に充てて、残りはチャリティーにすること
つまり、「修道士さんが作ってます」「修道院で作ってます」「利益を得るために作ってません」が成り立つ必要があるんですね。
そして、これを満たした場合に国際トラピスト会修道士協会(ITA)から以下のラベルをボトルに貼ることが許されます。
現在では11箇所の修道院がトラピストビールを名乗っています。
ベルギーだけではなく、オランダ・オーストリア・アメリカ・イタリア・イギリスに存在するようです。一気に紹介していきましょう。
トラピストビールのブランド
シメイ(ベルギー)
スクールモン修道院で醸造される「これぞトラピストビール」です。
1862年に醸造を開始しました。これまでのブルー・レッド・ホワイト・ゴールドラベルに加えて2021年にグリーンラベルが出たそうです。
オルヴァル(ベルギー)
オルヴァル修道院で作られている、最古と呼ばれる(500年前から!)ビールブランドです。
飲んだことありますこれ。酸っぱいんですよね。
でも私の保管方法が悪かったと反省…。
ウェストマール(ベルギー)
聖心ノートルダム修道院で作られているビールです。
1921年から商業用に販売を開始されました。
飲んだことない、飲みたい。
ロシュフォール(ベルギー)
サン・レミ修道院でつくられています。
1595年に醸造を開始という、こいつも歴史的にかなり古いビールです。
この文字列を見てるとブルーチーズのロックフォールを思い出すので、チーズのことばかり考えてしまいます。チーズ検定やってくれんかな。
ウェストフレンテン(ベルギー)
シント・シクステュス修道院で作られています。
トラピストビールの中で最も小規模なビールだそうです。
瓶おしゃれすぎん?
ラ・トラップ(オランダ)
コニングスホーヴェン修道院で作られているビールです。
一度称号が外されたらしいのですが、2005年に再びトラピストビールとして名乗れるようになりました。
トラピストの名前の由来になったブランド名を冠していながら、称号を外されるというのはちょっとバカにされそうですよね。僕だったらバカにします。
ズンデルト(オランダ)
アブダイ・マリア・トゥーフルフト修道院で作られるビールです。
2013年に醸造を開始して即座にトラピストビールとして認定されるという、「置きに行った感」の強いビールですね。
グレゴリアス(オーストリア)
スティフト・エンゲルスツェル修道院のビールです。
こちらは他にもブランドがあるのですが、そこまで細かく書くのは面倒なので割愛させてください。
1939年に第二次世界大戦の影響で閉鎖された過去を持ちます。
スペンサー(アメリカ)
セントジョセフ修道院で作られるビールです。
2013年にトラピストビールの仲間入りを果たします。
アメリカってバドワイザーみたいなライトなビールばかりかと思っていたので、これは朗報ですね。
トレフォンターネ(イタリア)
トレフォンターネ修道院で作られるビールです。
ローマにある修道院のようで、ホントにご当地ビールのような感覚らしいです。2015年にトラピストビールとして迎えられました。
ティント・メドウ(イギリス)
マウント・セント・ベルナルド修道院で作られるビールです。
2018年とつい最近にトラピストビール認定を受けました。
もともと牛乳を作っていたのですが、金策のためにビールにしたところうまくいったようです。
さいごに
ブランドについては正直全部覚える必要はありませんし、私も書きながら訳が分からなくなってしまったので意識があるうちに筆を擱こうと思います。
今回、#2.5ということで書き始めたのですが#1や#2よりも長くなってしまいました。これを#2の中に入れようとしていたら誰も読まなくなっちゃうよ…。
ちなみに色々ググりながら書いていたんですが、途中で「長崎ウエスレヤン大学」のことを思い出して調べたりしていました。
高校生が模試の時に「どの大学選ぼうかな」で一度は名前を見かけるキリスト教系大学です。
そしたら、長崎ウエスレヤン大学って2021年に鎮西学院大学に改称したんですね。今年一番の驚きです。
寄り道は勉強の醍醐味ですが、ここまで私の興味を持っていかれてしまうとビールの勉強に手がつけられなくなりました。
今日のまとめですが、長崎ウエスレヤン大学という大学はもうありません。これだけ覚えてください。
(記事のサムネ画像も鎮西学院大学です)
次回は下面発酵のビールを紹介していきますよー!
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