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写真の色調補正 | 高再現を実現して臨場感や立体感を最大化できない理由

色調補正によって再現力が増すにつれて、写真の臨場感や立体感はおのずとしっかり表現されていきます。
ですので、写真を見た方に、そのとき見た情景がより「伝わる写真」に仕上がります。

写真の色調補正の今

今は、スマホやパッド、パソコンを使って誰でも簡単アプリでお手軽、簡単に色調補正を行うことができる環境が整っています。

スマホで手軽に写真を撮る方は多く、写真の画素数、品質の向上やSNSに投稿、共有したりして写真を楽しむ方は増えているように思います。
そして、よりキレイに、また感性を生かした仕上がりにするため簡単アプリで直感的、感覚的に色調補正を行う方も増えているように思います。

一般の方の色調補正の方法では、再現力を最大化できない理由

プロの方法ですと、撮った写真の色調再現を最大化して表現することができます。
しかし、簡単アプリで直感的、感覚的に色調補正を行う方法では、色調再現を最大化して表現することは、まず不可能といってよいでしょう。
そのおもな理由を3つ解説します。

おもな理由、3つ

⒈ 画面
写真の色調の良し悪しを判断する基準は、プロではない一般の方は画面の色調を見て発色や明暗の具合を決めています。

⒉ 簡単アプリ
簡単アプリで直感的にスライダーなどを動かして色調を調整するアプリは、色調を感覚的に判断する仕組みになっています。
初心者でもアプリの操作は直感的に行えるので、使い方の説明がなくても使い始めることができるほどの手軽さです。

⒊ 撮ったままの画像
色調補正をしないで、撮ったままの画像を使っている方は多いと思います。

以上の3つは、写真を簡単お手軽に使ったり、補正できるメリットは大きいものの、せっかく撮った写真の色調を最大に再現することは難しい原因にもなっています。

理由,3つを解説

⒈ 画面
一般的なモニター、画面の見え方は、機器ごとに色、明暗が異なっています。
自分の機器の画面で見た色調はちょうどよくキレイでも、別の機器ではそうとは限りません。
ですので、何か「基準」が必要です。
「カラーマネジメント」という方法で他の機器と画面の色、明暗を合わせることは可能ですが、一般の方にはハードルが高い方法です。
他の方法もあり、他の機器との色、明暗の違いは埋められませんが「基準」になる効果的な方法です。

⒉ 簡単アプリ
画面を見て、感覚的だけの判断ですと、例えば白くみえているところが、実は白っぽいだけで白くはなかったり、黒く見えているところが、実は黒っぽいグレーで黒ではなかったりして、画面を見て確実に判断することは難しいです。

具体例をあげてみます。
下記の同じカットの2点の写真をご覧ください。

例:写真A

写真A

例:写真B

例:写真B

いかがでしょう・・・・
写真A の色調ですが、決して悪くはないと思います。
では、写真Bはいかがでしょう?
写真B の方が臨場感、奥行き感、立体感があり、何より情景が強く伝わってくるのではないでしょうか。

細かく部分的に見ていくと、斜光、雲、空、木々の再現力に、明らかな違い、差があります。

写真B の色調は、ただ濃いだけではないことがわかると思います。
特別な補正、編集などはしていません。
1つのツールだけを使って、単純な基本の補正のみを行っただけです。

写真Aの色調の状態

画面の色調を見て補正する方法では、おそらく気づきづらいと思いますが、写真Aの夕日は光って真っ白く見えていると思いますが、実は淡いグレーです。
また、手前の木々の暗部など、真っ黒く見えている部分は実は濃いグレーです。

写真Aの色調になってしまう理由

画面を見て色調の良し悪しを判断している場合、上記で解説したような状態に気づきづらく、写真A の色調で最終の仕上がりとして良しとしている可能性があるわけです。

写真Aと写真Bの再現力に差がついている理由

プロは写真が保持している色調情報、濃淡の幅を最大に生かして色調補正し再現します。
ですので、そうではない写真の色調とはおのずと差がつくことは必然なわけです。

そして、プロは写真Aのようなミスはしませんし、意図しない限りは写真A のような仕上がりには100%なりえません。

理由は、プロは画面の色調に依存していないからです。
何を色調の基準にしているかといいますと、色を現す「数値」なのです。
そして、ポイントとなる箇所は、必ず色の「数値」を確認して補正をします。
ですので、写真A のような仕上がりには100%ならないと断言できるわけです。

⒊ 撮ったままの画像

デジカメもスマホも、その機器独自のアルゴリズムで自動補正された画像を保存しています。
その画像が、撮ったままの画像です。

広く一般的に利用されている代表的な画像は、JPG、jpg、jpeg (ジェイペグ)形式で保存されている画像が、それにあたります。
拡張子が、jpg や jpeg になっている画像です。

RAWデータを使っていない方は、この撮ったままの画像(JPGとは別の形式も含みます)をそのまま使っているか、この画像を使って色調補正、または編集して使っていることになります。

下記の画像は、上記でご紹介した<写真A>、<写真B>と同カットの撮ったままのJPG画像です。

<写真A>、<写真B>と同カットの撮ったままのJPG画像

<写真A>、<写真B>と同カットの撮ったままのJPG画像

この画像でも、雲の間から見える夕日の斜光の風景を撮った写真であることは十分に伝わります。
もし、このくらいのクオリティーの画像であれば、撮ったままの画像を普通に使っている方は多いのではないでしょうか。

 下記の画像は、上記でもご紹介した写真Bです。
上の撮ったままのJPG画像と比較してみてください。

写真B

どちらが「伝わる写真」かは言うまでもないと思うのですが、いかがでしょう。
説明するまでもありませんが、明らかな差があります。

もし、撮ったカメラ、スマホに写真B のような色調情報を持った画像が記録されているとしたらどうでしょう?
これほどの差を見てしまうと、僕は撮ったままの画像を使うのでなく、その記録されている画像を使って自分で色調補正をしたくなります・・・・

一般の方にプロのような色調補正はできる?

完全にマスターするには時間や経験が必要になりますが、基本はすぐにでも理解することができると思います。
理解だけでなく、基礎・基本の実践についても、さほど難しくはありません。
ただ、車の運転と同様にペーパーではなく実践は必要です。

むしろ、プロが使う基礎・基本を学び実践した方が上達の近道です。
はっきり言ってしまうと、その方法を学ぶことが、唯一、上達する方法だと思います。

簡単アプリや簡単ツールでチョイと色調補正を繰り返しても、それはおそらくアプリやツールの使い方に”慣れている”に過ぎず、上達していることとは違うと思います。
その理由は、結果は見えていますが、本質が見えていない、本質が理解できないからです。

本質が理解できていれば、画面の色調やアプリに依存することはなく、別の画面やアプリであっても最大の再現力を実現できますし、同じ結果の色調を実現できます。

色調補正の進め方、基礎・基本は、まず、写真B のような色調を目指し(基礎・基本)、その後、自身の感性を加えて(応用)仕上げていくという順序が正解でしょう。
この方法がもっとも再現力、クオリティーの高い色調を実現できます。

下記のブログで、写真の色調補正や編集、現像、画像データなどの情報発信をしています。

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