美しいものを見に行くツアー ひとり参加 / 益田ミリ
美しいものを見に行くツアー ひとり参加 / 益田ミリ
2021年があと2週間で終わり。
今年も海外旅行にはもちろん行けず、国内旅行にも行けず、近隣でお散歩をして過ごす、みたいな日々を送っていたら、気づいたら年の瀬が迫ってきていた。
元々インドア派で、人に誘われたら旅行に行く程度の出不精だったのに、いざ旅行に行けない世の中になるとすこしだけ寂しくなってしまう。
私にとって旅行は何なんだろうか、と、1人ツアーに参加している益田ミリさんの世界から1度本を閉じた時、ふと気がついた。
栞だ、私にとって旅行って栞みたいだ。
ちょうど厚手のコートをいそいそと出し始めたタイミング、ニュースで「今年もあと1ヶ月」と今年を振り返り始めたタイミング、今年をふと振り返る機会が多くある。
私もその年を振り返ると、栞に挟んだ本のように、その旅行が思い返される。
「あの出来事は、GWの旅行より前だった」「あの旅行のお土産を渡したから、最後に会ったのは8月くらい?」と、まるで「ここまで読んだ」と示す読みかけの栞みたいな役割を果たしているような気がした。
今年は残念ながら栞を挟めなかった。
どこかに行った思い出の写真は例年より少ない。
なんとなく、区切りのない1年だったな、とぼんやりと思ってしまう。
ただ、「次は沖縄に行きたい」「もう一度イタリアに行きたい」と考える時間は、栞にはならないけれどとても楽しくてワクワクする。
いつになるか分からないけれど、この感染症が終息したならば、また栞を挟んでいきたいな。