設備(給餌器)
鶏に飼料を供給するための機器です。大きく2つの方式があります。
桶型と樋式(オケとトイ)です。
樋式
大規模農家の自動化ラインなどに採用される方式です。
ケージ飼育ではエサドイに自動給餌器でエサを投入する方式、平飼いはエサドイの中を搬送して行く方式が主流になります。搬送方法によってケーブルフィーダー・チェーンフィーダーなどと呼ばれます。鶏群入れ替え時の撤去清掃から敷設まで一連の作業が大変ですが、飼育途中は給餌に関わる労力を削減できます。平飼いでは、床の耕運時に邪魔になったり、高さ位置の調整がしづらいという短所があります。
個人的に懸念するのは、搬送用のチェーンに残ってしまうので、ネズミなどの衛生害獣を引き寄せる点と、それらのフンの発見と清掃が行き届かない点です。
桶式
小規模農家が手作業するのに適しています。エサの搬送パイプを設置して自動化する事も可能で、パンフィーダーと呼ばれています。樹脂製や金属性のものが市販されていますが、木などで自作する方もいらっしゃいます。
まさとうは樹脂製を使用しています。
数日分の餌を桶に入れておけば、受け皿の傾斜によってエサが滑り落ちてくる仕組みです。
ネジの高さでエサの供給量を調節出来る事になっていますが、実際は滑り落ちてこないので、ネジ位置を高くして幅を広げておきます。
エサは様々な大きさの粒子の混合物なので、一度に大量に入れると自重で固着してしまいます。少量ずつ供給し、毎日毎度の手作業で受け皿に広げてやる必要があります。
残りエサは衛生害獣を引き寄せたりカビの原因になるので、この作業は大切です。
吊り下げ紐が可動なので、鶏に食べやすい位置に調整したり、床の耕運時に邪魔にならない位置に引き上げて作業できます。
夜間は高い位置に引き上げておく事で、衛生害獣を引き寄せないようにする管理も重要です。
樹脂製のものは、単価で4000円程度します。
市販品のネジとナットはユニクロメッキが使用されていて、経年でサビてしまいます。
洗浄の時に分解が出来なくなるので、ステンレス製に変えています。ステンレス製は比較的に高価なのと、滑りが良いため鶏がエサをつつく振動で緩みがちなのが難点です。
鶏は地面を引っ掻きながらエサをついばむのが本来の生態です。それが理由で、エサを地面に直接まく農家もいらっしゃいます。
ただこの方法は地面と混ぜ合わされて無駄エサが発生し、食下量や食べ具合を観察できなくなり、鶏の体調を把握することが難しいと思います。
食下量は鶏が一日に食べたエサの質量で、飼料設計の根幹の数値であるため、正しく把握しなければなりません。
また供給したエサをどのくらいの時間で食べたかも、鶏の成長や体調変化の徴候を把握する大切な情報です。
管理するためには給餌器が必要だと思います。
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