見たことない名作映画解説【ノーカントリー】
こんにちは、平林朗と申します。
見たことない名作映画解説第三回は、自分が好きな映画の中で上位に入る
ノーカントリーの感想と解説を語っていきたいと思います。
【あらすじ】
ある日、猟に来ていたルウェリン・モス(ジョシュ・ブローリン)は、大量の麻薬とブリーフケースに入った大金、複数名の男の死体を発見し、ここでギャング同士の抗争が合った事を知る。
ルウェリン・モスは金を持ち逃げし、ギャングの雇った殺し屋アントンシガー(ハビエル・バルデム)に追跡される事となる。
その頃、エド・トム・ベル保安官(トミー・リー・ジョーンズ)はアントン・シガーの起こした殺人事件を捜査しているうちに、アントン、モスの両名を追跡する事となっていた。
【感想】
〇アントン・シガーが怖すぎる
作中に登場する殺し屋、アントン・シガーは、さまざまな作品に登場するハードボイルドな殺し屋ではありません。
道中で邪魔になりそうなものや、欲しいものがあれば、敵、味方問わず殺害し、ニヤニヤしながらどこまでも追いかけてきます。
しかも、一般人であっても腹が立てば殺そうとし、作中では殺す理由を作るためにコイントスで決めていました。
また、依頼主のギャングはアントン・シガーが手に負えず、別の殺し屋を差し向けますが、アントンはこれを殺害し、怒って依頼主のギャングをも殺害してしまいます。
とにかく作中では登場回数が多く、物語は彼を中心に回っていくといっても過言ではありません。
それなのに、登場人物との会話はとても少なく、そのすべてが意味不明という完全無欠なサイコっぷり。
とてつもなく印象に残るキャラクターでした。
〇展開のテンポが良い
全体的にセリフが少なめに作ってあり、戦闘シーンも控えめ、主要登場人物がなかなか交わらないなど、話が何となく分かりにくいのはあると思いますが、場面場面で起こっている事は単純で分かりやすく、都度切り替わる視点で、飽きの来ない構成になっていると感じました。
また、アントン・シガーによる突発的なアクションが多く、映像的には派手ではありませんが、なにが起きるか予測できない恐怖を感じ、全体のまったりとした流れの良いアクセントになっていました。
〇感想
アントンの不条理、モスの金への欲望、エドの正義?というテーマが絡み合う作品なのかなといった感想です。
3つ合わせて人生なのでしょうか。
棚ぼたなラッキーが訪れ、そこを不条理が襲い、立ち向かうための正義(信念?)をの三角関係がどのように交わっていくのか、何が正解だったのか、わからずじまいですが、ぜひ自身でご視聴し、考えてもらえれば幸いです。