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かえこがアホやから〜あたりまえっ!④ええカッコしぃ?怪しい奴?

昨日の記事を読んだ兄から
(はい、タイトルになっている「かえこがアホやから〜あたりまえっ!」のフレーズで妹を囃し立てた張本人です)
父母ロマンス中のエピソードで、外せんものがあるやろ!との指摘が入った。

そもそもこの記事を書き始めたのも、兄妹間の話題に昔のエピソードが上がると妙に盛り上がるし、兄が忘れているエピソードもあって、、、
仕事を辞めて時間を持て余している私に、何かにまとめて書いてみたら、、、とノリで言ってくれたことがきっかけ。
下手でもなんでも、楽しんで思い出に浸ったり、懐かしんで笑い合えれば、、、と思ったから。

前記事で、両親が恋仲になり、結婚、そして、私たち兄妹が生まれた。
次回は私のエピソードを、、、と予告したが

「いやいや、まだ生まれるには早い!
アレ覚えてる?」と兄からのLINE。

もちろん覚えてる、アレよね。

というわけで。アレを。

え、それって、ええ格好しぃなん?危ない奴とちゃうん?

それは、2人のデートで起こった出来事。

父は、もちろん一糸乱れぬオールバックヘア、ビシッとアイロンを掛けた開襟シャツと幅広スラックス
母は、ショートバンクにカールの髪を耳にかけ、半袖白ブラウスに、ウエストはどこまでも細く、そこから裾にかけて流れるようなロング丈のフレアースカート。

まさにオードリー・ヘップバーンとグレゴリー・ペックさながらのいでたちで乗りこんた列車の中。

空いていた席に座ろうとしたその時。
父は、なんと、おもむろに開襟シャツを脱いだ!

「え、何してるん?何で脱ぐんよ?」
慌てる母に、父は、しれーっと
「座ったらシャツに皺が寄る!」と豪語した。

いや、いや。シャツに皺が寄るより、いきなりランニング姿?えー?ありえへんやろ!
ええカッコしぃ?いやいやもはや、危ない奴やん!

母は、「もう、ほんまに恥ずかしかったで」と言ってはいたが、父との思い出を話す顔はとても楽しそうだった。

ちなみに、この父の、わけのわからんこだわりのカッコつけ気質は、若干私に引き継がれた。

中学、高校の制服のスカートのプリーツは
常にピシッとしていなければ我慢できなかった。
毎朝(何故前夜にかけずに朝?と母によく怒られた)ブラウスとスカートに念入りにアイロンをかけ、椅子に座るときはスカートのプリーツを整えて、皺にならないように手を添えてそーっと座る。慎重に、慎重に。
プリーツの折り目も気にせずにクシャッと座る級友の姿を横目に、どんな時もそーっとそーっとプリーツの折り目を死守した。

やはり血は争えない。けど、危ない奴ではないよな?、、、脱いでいないから、、、
うん、危なくはない、、、、脱いでいない

若干、怪しい奴やけど、、、

そしてこれは、更に、私の次男に引き継がれていた。

この夏、帰省した次男。

彼はお気に入りの同じ白Tシャツを何枚も持ち帰った。比較的安価だという何のことはない白T。
素材は綿100%。ペラペラではなく割りにしっかりしていて、きちんと干せば皺にもなりにくい。

彼は出かける直前に、この白Tにピシッとアイロンをかけるのだ。前夜でなく、直前に。笑
私はTシャツにアイロンはかけないけど。

額に汗を滲ませながら、それはそれは丁寧にピシっとアイロンをかける次男に、彼からみてじいちゃんの車中シャツ事件を話して聞かせたところ、、、、

さすがに電車で脱ぎはしないだろうけれども、「いゃー わかるなぁその気持ち! 」と、しきりに相槌を打っていた。

皺ひとつない白Tを着ても、玄関を出て車に乗り込んでシートベルトをかけた途端にクシャッとなるのがわかっているし、悲しいけれど、それでも何が何でも毎朝のアイロンがけは外せないらしい。

少しずつ形を変えつつも、妙なこだわりは脈々と引き継がれている。

恐るべしDNA
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画像は、みんなのフォトギャラリーから、いしたひろさんのをお借りしました。

ありがとうございます。