WHILLとの生活について
パーソナルモビリティの「WHILL(ウィル)」との暮らしについて少し書こうと思います。足が不自由になっての生活の中で、不自由は沢山ありますが、全く歩けなくなったわけではなく、いつか戻れることを期待して日々暮らしています。だんだんと足腰の力も戻ってきまして、活動範囲も広がっていますが、自動車の運転が出来ず、一人で出かけることがまだまだ出来ない状態で、そこで活躍しているのがWHILLです。
長時間出かける際は車椅子を使っているのですが、一年前に出会った電動車椅子との出会いが現在のライフスタイルにも大きな影響を及ぼしています。通常の車椅子は自らで漕ぐことも出来ますし、家族は介助者から押してもらうことになりますが、WHILLはスティックで操作する電動車椅子ですので、自走出来ます。最近はパーソナルモビリティとして「ラストワンマイル」を埋める次世代型モビリティツールとして注目されています。シニアカーという分類がありますが、シニアカーよりは「椅子」であり、気軽さは「自転車」のような感じでしょうか。私はそれを介護用品としてまずは借りることにしました。正直言えばこういう身体にならなければ出会いはなかったと思います。
日本家屋の生活ですと、完全にウィルだけで過ごすわけには行きません。
改造をすれば可能かもしれませんが、現状は難しいと思います。(同じウィルを外と内で使うというのは現実出来ないと思います)
私の場合はウィルを事務所内、フルサット内(職場)、あとは外出する際に・・・というシーンで使っています。
ウィルのメリット
○移動が楽になるというのは当然ですが、出かける際に同伴者が楽になるというポイントがあります。例えば美術館や博物館へ行く際には絶大な威力(笑)を発揮する。つまり介助者に気兼ねなく、自由に動き回れます。
○それに近いものは「買い物」です。上越には無印良品がありますが、ここの店舗が広く、しかし、ここを自由に移動出来ます。
○加えて自然環境の中で使うことが出来るのもメリットです。自転車を自然豊かな場所まで持って行き、そこで乗るという感じでしょうか。
妙高市いもり池での利用の様子
ウィルは身体の不自由な人間にも良いことは確かですが、歩くのが少々億劫だなと感じている方にとってはこの上ないツールだと思うのです。
例えば、美術館や博物館に行くと
「私はここで待っているから・・・」と家族や同伴者に気を使っているおばあちゃんや、おじいちゃんはいませんか?
私自身は実は今はそんな感じです(笑)動きもスローで、体力も使うので、家族に遠慮する。車椅子を押すというのも結構疲れますので、遠慮する。そんな状態。しかし、実はこのシチュエーションはまさにウィルで解決出来るわけです。
これが一般の車椅子ならどうか?
誰かが押してくれる?か自走しなければならない。これだと遠慮もあって億劫なんです。そういう意味ではウィルは不自由さからくる「遠慮から解放」してくれる。これに尽きます。遠慮からくるマイナスの影響を回避し、コミュニケーションを極めて円滑にしてくれます。
ウィルはパーソナルモビリティであるというカテゴリーなのですが、実はセミパーソナルなものだと考えています。レンタサイクルのような、その場所へ行くと楽しめるツール。
市内各地、全国各地の各場所ににそんなウィルが続々と配置されたら、出かけるのも楽しいだろうなぁと思うわけです。
(続く)