電話のマークが分からない話と最近のこと
電話のマークが分からない、という話を聞いた。
LINEで通話をしたいと思ったとき、タップすべきは電話のマーク、あの受話器のマークである。しかしこれが電話のマークだと分からないらしい。先輩の娘さん(中学生)のお話である。
フロッピーディスクのマークが「保存」だと分からないといったよくある話ではある。しかし受話器のマークが通じないのは20代の自分からしても衝撃だった。昔は固定電話を友人との連絡にがっつり使っていましたもの。小学校の連絡網も固定電話に来ていたな。懐かしい。
この手のアイコンはまあ意味が通じればいいわけで「使ったことや見たことはないけどそういう意味だよね」でよいと思う。でももう通じない場合もあるのかと。いやはや衝撃です。
こういう通じなさそう感は創作の世界でもよく見かける。昔の文学や映像作品、歌などに出てくる単語やシチュエーションが理解できないというあれ。
4月にリリースされたフィロソフィーのダンス「ウォータープルーフ・ナイト」は意識的に懐かしいワードを盛り込んだ曲で、通じなさそう感を頭から浴びた。
この部分には「新着問い合わせ!!!!」とこっぱずかしくなった。きっとイマドキの子たちには通じない単語だろう。メールの一斉送信を駆使して5~6人でチャットのように連絡を取り、動作がおかしくなったため駆け込んだ携帯ショップで「そういう使い方をするものではありません」と言われたことを思い出した。あのときはごめんなさい。
きっと「メール」ももう古い単語なのだろう。Kis-My-Ft2の千賀健永くんとSexy Zoneの中島健人くんの作った曲「もう付き合ってないんだね」の歌詞で
と出てきたとき、「メールじゃないんだ!?」と驚いた。よく考えたら私もプライベートでメールはしないけれど。
学生時代ど真ん中に聞いていたDinos/シグナルP「会いたい」の「本音隠した何気ないメールは いつまでも君の心の中に 届かないまま」も、今リリースされるんだとしたら別の歌詞になるんだろうか。「本音隠した何気ないスタンプ」とか?
こうやって移り変わっていくんだなー。まだ20年ちょっとしか生きてないのに。
と思っていたらSexy Zone「休みの日くらい休ませて」の歌詞でメールに遭遇した。2022年6月1日リリース、令和のこの時代にメールの話を聞くとは。
たしかにビジネスの世界だとまだまだ顕在か、メール。
送ったら取り戻せないドキドキ、嬉しかった文面を保存しておいて見返す楽しみ。そんなメールのよさを今の時代でも味わえていい……なんてエモい理由でメールが生き残っているわけではないだろうけれど。ま、証拠として受け取った側に文面が残るのは大きいメリットなのかな。
書いているうちに、電話のマークが分からない話からも好きな曲の歌詞からも飛躍した「なぜメールはビジネスの場では使われ続けるのか」という話になってしまった。メール以外の社内コミュニケーションもできるグループウェアのメーカーで働いているので、社内メールが使われ続ける理由は日々気になっているものなのである。ついそっちに思考が流れてしまった。
こんな風に何をフックに思考を始めても、結局自分の関心に行きついてしまうなあと最近思う。もっといろんなことに目を向けられたらいいんだけど。そんなことを思う6月最初の土曜日、幅を出したい社会人3年目。
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